平成16年2月25日
四国電力株式会社


石炭灰を活用した豊島溶融スラグの利用に関する研究成果について



 当社では、従来から、石炭火力発電所から発生する石炭灰をセメントの原料、コンクリートの混和材などとして、ほぼ全量を有効利用しておりますが、昨今における公共工事減少のなかで、今後とも石炭灰を安定して活用していくためには、利用用途の拡大を図る必要があることから、専任のグループを設けて利用技術の開発・研究を進めております。
 一方、豊島の産業廃棄物処理が社会的な関心を集めており、こうした状況の下、この度、当社は、関係会社の且l国総合研究所と香川大学工学部の堺孝司教授と共同で、石炭灰を活用した豊島溶融スラグの利用技術に関する研究を行い、一定の成果を得ることができました。

 
 

1.研究内容

 
 豊島溶融スラグ(以下、「豊島スラグ」という)をコンクリート細骨材である砂の一部代替として利用する場合に、石炭灰を混和材として活用することにより、豊島スラグの使用量を増加させるための研究を実施した。
注:瀬戸内海の海砂採取は、17年度に香川県、18年度に愛媛県で全面禁止される。
 
 

2.研究の成果

 
 石炭灰を混和材として活用することによる効果は以下のとおり。
 
 
 

(1)耐久性

    ○コンクリートに使用する水の量を低減
   
   
   
 石炭灰なしの場合、その使用量を変えても必要な水の量は同じであるが、石炭灰を混和することにより、コンクリート中の水の量を低減させることができた。
(図1)
 
 

(2)均質性

    ○コンクリートの材料分離を抑制
   
   
   
 石炭灰なしの場合、豊島スラグの代替量が多くなるほど、材料分離する傾向が大きくなるが、石炭灰を混和することにより、材料分離を抑制することができた。
(図2)
 
 

(3)強度

    ○コンクリートの圧縮強度が増加
   
   
   
 石炭灰なしの場合でも、所要の強度は確保しているが、石炭灰を混和することにより、さらに強度が増加する。
(図3)
 
研究成果
 
 以上、豊島スラグを細骨材として利用したコンクリートに、石炭灰を混和材として活用することで、コンクリートの品質が向上することを確認いたしました。
 これにより、豊島スラグの使用量を増加させることが可能になり、スラグの有効利用が進むことが期待できます。
  


以 上

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