伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年2月分)
1.伊方2号機 スチームコンバータ給水配管フランジからの漏えいについて
2月2日13時50分頃、通常運転中の伊方2号機のタービン建家屋外において、付属設備に補助蒸気を供給しているスチームコンバータの給水配管のフランジ(接続部)から水が漏えい(6秒に1滴程度)しているのを、作業員が発見した。
このため、スチームコンバータを停止し、当該フランジの分解・点検を行った。その結果、当該フランジのシート面に肌荒れが認められたことから、シート面を手入れするとともにパッキンを取り替え、スチームコンバータの運転を再開した。
[スチームコンバータ] |
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空調設備、海水淡水化装置など付属設備に補助蒸気を供給するための蒸気発生装置。
2次系純水を主蒸気などを利用して加熱(熱交換)することにより、補助蒸気を発生させている。
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2.伊方発電所 エタノールアミン排水処理装置電解槽供給ポンプの不具合について
伊方発電所エタノールアミン排水処理装置(2次系排水処理装置)の定期点検において、分解点検を実施した電解槽供給ポンプAの試運転を行ったところ、振動が高かったため、再度分解点検を実施した結果、2月13日11時45分頃、同ポンプの軸受部に損傷があることを確認した
このため、当該軸受部等の取り替えを行うこととした。
なお、同ポンプは2台設置しており、エタノールアミン排水処理装置の運転は可能である。
[エタノールアミン排水処理装置] |
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2次系水を浄化する復水脱塩装置からの排水中に含まれるエタノールアミン(※)を処理する装置で、伊方1〜3号機の共用設備である。
(※)エタノールアミンは、配管の腐食抑制のための水質調整用薬品で、2次系水に注入している。 |

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成16年1月分他)
1.伊方1号機 廃液貯蔵タンクドレン配管のほう酸析出について
○事 象
平成15年10月21日11時頃、通常運転中の伊方1号機において、廃液貯蔵タンクAのドレン配管に、ほう酸と思われる析出物が付着しているのをパトロール中の保修員が発見した。
当該配管を点検した結果、漏えいは既に停止しており、肉眼で確認できる欠陥はなかったことから、当該配管に微小な貫通が発生し、ほう酸を含む廃液が漏えいしたものと推定した。このため、当該箇所をエポキシ樹脂により補修し、漏えいのないことを確認した。
平成16年2月、廃液貯蔵タンクの定期点検に合わせて、当該配管を新しい配管に取り替えた。
○原 因
当該配管が狭い所にあることから、当該配管を現地溶接した際、作業空間が十分確保できない状況で溶接作業を行ったため、溶接不良が生じた。これに廃液給水ポンプの起動時に発生する廃液貯蔵タンクの圧力変動による疲労が加わり、溶接不良部分が貫通し、廃液がにじみ出てほう酸が析出したものと推定される。
○対 策 |
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当該配管を切断し、新しい配管に取り替えた。配管の取り替えにあたっては、作業空間を十分に確保し、適正な溶接を行った。また、より信頼性の高い溶接方法に変更(溶接不良部を差し込み溶接から突き合わせ溶接に変更)した。 |
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配管等の溶接作業を行う際は、作業空間を十分に確保したうえで適正な溶接を行うよう、関係箇所に周知した。 |
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2.伊方1号機 タービン動補助給水ポンプの不調について
○事 象
1月16日14時31分頃、通常運転中の伊方1号機において、タービン動補助給水ポンプの定期運転を行っていたところ、同ポンプの軸封部付近から白煙が発生しているのを運転員が確認した。このため、同ポンプの定期運転を中止し、当該軸封部の分解点検を行った
○原 因 |
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調査の結果、 |
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当該軸封部(軸スリーブ)に軽微な変色が認められたが、それ以外には異常は認められなかった |
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第21回定期検査時(平成15年4〜7月)に取り替えた当該軸封部のグランドパッキンは、従来のものより若干厚めであった |
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ことが判明した。
このことから原因は、当該軸封部のグランドパッキンが若干厚めのものであったため、軸スリーブ(ポンプの主軸を保護するもの)をグランドパッキンで押さえる力が大きくなり、リーク水が減少したことからグランドパッキンと軸スリーブの摩擦により温度が上昇してグランドパッキンの一部から白煙が発生したものと推定される。 |
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○対 策 |
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当該軸封部(軸スリーブ)の手入れを行うとともに、従来より若干薄い厚さのグランドパッキンに取り替えた後、同ポンプの定期運転を再度実施し異常のないことを確認した上で、復旧した。 |
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今後、軸封部のグランドパッキンは、厚さの管理を行うこととし、その旨を作業要領書に記載する |
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3.伊方3号機 第6高圧給水加熱器ドレン水位制御装置の不具合について
○事 象
1月22日2時頃、通常運転中の伊方3号機において、電気出力が若干低下していることを運転員が確認した。(22日1時の電気出力928MW → 2時の電気出力919MW)プラント状態を確認したところ、2次系の第6高圧給水加熱器Aの通常閉であるドレン水位制御弁が開いていることを確認した。
このため、当該制御弁を手動で閉止し、2時17分、電気出力を通常状態に復帰させた。
その後、当該制御弁の水位制御装置の点検を行った結果、水位検出器の不良と推定されたため、水位検出器を取り替えた。
○原 因
当該水位検出器に微細な異物が付着したため、水位検出器から出力される水位信号が高くなり、通常閉である水位制御弁(バックアップ側)が開となったものと推定される。
○対 策
運転中の故障に対応するため、今後とも水位検出器の予備品を常備しておく。
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