平成16年3月26日
四国電力株式会社
「アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書
(伊方発電所1号炉及び3号炉)」の提出について
当社は、本日、「アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書(伊方発電所1号機及び3号機)」を取りまとめ、経済産業省へ提出いたしました。
当社は、平成14年5月に、伊方1,2,3号機で整備したアクシデントマネジメント*の内容を取りまとめた「アクシデントマネジメント整備報告書」、および2ループプラントの代表として伊方2号機を対象にその有効性について確率論的安全評価**を実施して取りまとめた「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」を、経済産業省原子力安全・保安院に提出しております。
今回提出した報告書は、経済産業省原子力安全・保安院からの要請を受け、伊方1,3号機で整備したアクシデントマネジメントの有効性について確率論的安全評価を実施し、その結果を取りまとめたものです。
評価の結果、伊方発電所の全てのプラントについて、アクシデントマネジメントの整備により炉心損傷頻度と格納容器破損頻度が更に低減され、プラントの安全性が向上していることを確認しました。
今後とも、このような活動を通して原子力発電所の安全性に対する社会のより一層のご理解と信頼を得られるよう、継続して努力していきたいと考えております。
※: アクシデントマネジメント
万一の事故時に、多重に設けている安全設備が全く作動しないという、現実に起こるとは考えられないような事態を想定した場合においても、シビアアクシデント(炉心の重大な損傷)への拡大を防止したり、シビアアクシデントに拡大した時にも格納容器の健全性を維持し、放射性物質を閉じ込めておくためにとられる運用・設備両面の措置。※※: 確率論的安全評価
原子炉施設で発生し得るあらゆる異常状態に対して、その発生の確率を考慮して安全性を評価する方法。添付資料 アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書の概要 アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書(伊方発電所1号炉及び3号炉)
以 上
アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書の概要
1.経緯 (1) アクシデントマネジメント検討
平成4年5月の原子力安全委員会からのアクシデントマネジメント整備の奨励に関する声明を受け、通商産業省(当時)から電気事業者に対してアクシデントマネジメントの整備の要請が出された。
これらを受け、電気事業者は自主保安活動の一環として、平成6年にアクシデントマネジメントの整備に関する検討を行い、その検討結果を平成6年3月にとりまとめ、「アクシデントマネジメント検討報告書」を通商産業省(当時)に提出した。(2) アクシデントマネジメント整備と有効性評価
事業者はこの整備方針に基づき、各プラントにおいてその整備を実施し、平成13年度に全ての既設プラントにおいて整備を完了した。
その後、平成14年5月に各プラントのアクシデントマネジメントの整備状況を「アクシデントマネジメント整備報告書」(以下、「AM整備報告書」という。)にとりまとめるとともに、確率論的安全評価手法(以下、「PSA」という。)を用いて評価したアクシデントマネジメント策の有効性を「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」(以下、「AM整備有効性評価報告書」という。)にとりまとめ、原子力安全・保安院に提出した。なお、わが国のプラントにおいては、標準化が進んでおり、かつ整備したアクシデントマネジメント策もほぼ同様であることから、「AM整備有効性評価報告書」においては、代表炉等のPSA評価を実施した結果を示し、その有効性を評価した。(伊方2号機は、2ループプラント代表炉)
原子力安全・保安院は、事業者が提出した「AM整備報告書」及び「AM整備有効性評価報告書」に対して、整備したアクシデントマネジメントが、原子炉施設の安全性を更に向上させるという観点から有効かつ妥当であることを確認し、平成14年10月に「軽水型原子力発電所におけるアクシデントマネジメントの整備結果について 評価報告書 」にその評価結果をまとめた。(3) アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告
このような状況の中、原子力安全・保安院より、アクシデントマネジメントを整備することにより、既設原子力発電施設のPSAの結果がどの程度改善されたかを示し、公開することは、情報公開や安全確保の説明の観点から極めて重要であることから、既設プラントのうち代表炉等以外のプラントについてもアクシデントマネジメント整備後のPSAを実施し、その結果を報告するよう要請を受けた。
本要請を受けた事業者は、当該評価を実施してきたが、この度要請を受けたプラントに対する評価が完了したため、その評価結果をとりまとめ、本日、原子力安全・保安院に報告を行った。(当社は、伊方1号機及び3号機の評価)2.報告書の概要 本報告書は、平成14年5月にアクシデントマネジメント策の有効性を定量的に評価するためにとりまとめた「AM整備有効性評価報告書」において選定されたPWR型式毎の代表炉以外の原子炉施設のうち、当社の伊方1号機及び3号機(伊方2号機は、2ループプラントの代表炉)について、アクシデントマネジメント策を考慮したPSAを実施し、その結果をとりまとめたものである。
アクシデントマネジメントの整備前及び整備後(AM整備前及びAM整備後)のレベル1PSA及びレベル2PSAを実施した結果、AM整備前後では、炉心損傷頻度について、伊方1号機で約6割、伊方3号機で約5割の低減効果を、及び格納容器破損頻度については、伊方1号機で約8割、伊方3号機で約7割の低減効果を確認した。また、伊方1号機の低減効果は、平成14年5月報告の伊方2号機の低減効果と同じとなっている。
なお、いずれのプラントも、AM整備前後の炉心損傷頻度は、例えば「原子力発電プラントの基本安全原則(INSAG−3)」(IAEA国際原子力諮問委員会,1988)が示す目標(既設炉に対して10−4/炉年以下、新設炉に対して10−5/炉年以下)に対して、これを十分に下回るものとなっている。以 上
伊方1,2号機及び3号機のPSA結果
○平成4年5月28日 : 原子力安全委員会は、わが国の原子力発電所は十分な安全性を有しているとしたうえで、一層の安全性向上のためアクシデントマネジメントの整備を奨励。 ○平成4年7月28日 : 通商産業省(当時)は、電気事業者に対し、アクシデントマネジメントの整備を要請。 ○平成6年3月31日 : 当社は、アクシデントマネジメントの整備方針をとりまとめ通商産業省(当時)に報告。 ○平成6年10月24日 : 通商産業省(当時)は、電気事業者報告書の技術的妥当性を検討し、検討結果を原子力安全委員会に報告。 ○平成6年11月24日 : 原子力安全委員会が設置した原子炉安全総合検討会は、通商産業省報告書の検討を開始。 ○平成7年11月30日 : 原子炉安全総合検討会は、通商産業省(当時)報告書の検討結果を原子力安全委員会に報告。 ○平成14年1月11日 : 経済産業省原子力安全・保安院は、電気事業者に対し、代表原子力発電施設等以外のPSA(アクシデントマネジメント(AM)導入後の評価)実施を要請。 ○平成14年5月29日 : 当社は、経済産業省原子力安全・保安院に「アクシデントマネジメント整備報告書」及び「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」を提出。 ○平成14年10月31日 : 経済産業省原子力安全・保安院は、電気事業者が整備したアクシデントマネジメントの妥当性と有効性を確認し、評価結果を原子力安全委員会に報告。 ○平成16年3月26日 : 当社は、経済産業省原子力安全・保安院に「アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書」を提出。
アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書(伊方発電所1号炉及び3号炉)
PDFファイルのダウンロード
・アクシデントマネジメント整備後確率論的安全評価報告書 [PDF1.4MB] ・上記報告書の添付資料 [PDF1.5MB]
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