平成16年7月9日
四国電力株式会社



「よんでん環境保全活動レポート2004」の発行について




 当社は、環境問題への対応を経営の重要課題として捉え、あらゆる事業分野において環境負荷の継続的軽減を目指した事業運営に努めるとともに、全従業員の環境意識の高揚と環境保全活動のレベルアップに取り組んでおり、その成果は、毎年「よんでん環境保全活動レポート」として取りまとめ、公表しております。
 このたび、2003年度の活動状況をとりまとめた2004年版のレポートを発行しましたので、お知らせします。

<2004年版の特徴>
2003年度における新たな取り組みとして、
  環境マネジメントシステム(EMS)の全社展開
(すべての火力発電所でISO14001認証取得。本店、支店などの全事業所でISO14001に準じたEMSの導入完了)
  当社初のLNG導入決定
(坂出発電所へ2010年度にLNGを導入することを決定)
  西条発電所での木質バイオマスの燃焼試験
  カンボジア・中国での自然エネルギーを利用した発電システムの実証研究
  坂出発電所3号機 排煙脱硫装置の最新型機器への更新
  石炭灰を利用した豊島溶融スラグの利用研究
  などを紹介しております。
また、社外の有識者の方々による「よんでん環境懇話会」を新たに開催し、その席で頂いた本レポートに対する評価・ご意見などを掲載するとともに、「環境効率の試算」や「グループ企業の環境負荷データの公表」を追加するなど、内容の充実をはかっています。

 主な掲載内容については、別紙のとおりです。

 本レポートは、お客さま窓口やヨンデンプラザ、発電所のPR館などへ配備するとともに、当社ホームページにも掲載する予定にしており、多くの皆さまにご覧いただきたいと考えております。

[本レポートに関するお問い合わせ先]
四国電力株式会社 環境部 環境保全グループ
〒760-8573 高松市丸の内2番5号
TEL 087-821-5061(代)


(別紙)よんでん環境保全活動レポート2004(要約)

  1. 環境保全活動の体系
  2. 環境保全活動状況
  3. 社会とのコミュニケーション
以 上

別紙

よんでん環境保全活動レポート2004(要約)


事業活動と環境のかかわり
  お客さまに電気をお届けするまでのインプット(燃料や資材など)とアウトプット(COや廃棄物など)を定量的に示し、当社の環境保全活動の全体像を分かりやすく記載。
環境保全の目標と実績
  CO排出削減や廃棄物有効利用など主要な項目について環境保全の目標を設定するとともに、2003年度について目標と実績の対比およびその評価を実施。


T.環境保全活動の体系


1.環境に関する基本方針と環境管理の体制
環境保全活動は、「四国電力環境保全行動計画」に基づき、環境担当役員を委員長とする「環境委員会」が中心となって推進。
具体的展開は、全従業員が自己の役割を認識し、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルに基づき取り組むとともに、環境部が全社調整を行いながら総合的・一元的に推進。更に環境委員会や考査室が活動状況をチェック。
環境に関する法令、条例、協定を厳正に遵守しており、2003年度に違反事例はなし。
 
2.ISO14001への取り組み
火力発電所は、橘湾発電所(徳島県阿南市)でのISO14001認証取得(2002年1月)を踏まえ、2003年7月までに全ての発電所でISO14001認証を取得。原子力である伊方発電所は、2005年度上期中の取得を目指す。
本店、支店等の全事業所は、ISO14001に準じた環境マネジメントシステム(EMS)の導入を2003年度までに完了。
 
3.グループ大での環境管理
「よんでんグループ環境連絡会議(2002年5月設立)」を通じて、グループ一体となった環境保全活動を展開できるよう取り組んでおり、2003年度は、各社でグリーン購入・エコオフィス運動を推進するとともに、経営層を委員長とする環境委員会を設置。
今後は、グループ各社本店へのEMS導入やグループ環境基本方針の策定などを、検討・実施。
 
4.環境会計(2003年度実績)
環境保全コスト :投資額49億円、費用額233億円
環境保全効果
硫黄酸化物(SOx) ▲ 39千トン
  窒素酸化物(NOx) ▲  8千トン
  ばいじん ▲242千トン
 
環境保全に伴う経済効果:
 
  火力発電所の脱硫設備の副産物である石こう等の売却額   1.1億円
  火力発電所熱効率向上などによる燃料費の節減   5.0億円
 
5.環境効率
環境への影響を増やすことなく、事業活動で生み出す製品・サービスの量をどれだけ高めたかを表す指標として試算。環境負荷抑制へ継続的に取り組んだ結果、環境効率は年々向上。



U.環境保全活動状況


1.地球温暖化問題への取り組み
電力業界大の「2010年度におけるCO排出原単位を、1990年度実績から20%程度(0.34s−CO/kWh程度まで)低減する」との目標に対し、当社も、0.34s−CO/kWh程度の達成に向け、積極的にCO排出抑制に取り組んでいる。
2003年度の実績: CO排出量1,029万トン;前年度に比べ23万トン(2%)の減少
CO排出原単位0.39s−CO/kWh;前年度に比べ0.01s-CO/kWhの減少
 
  (1)原子力を中心とした電源の多様化
環境問題への対応、燃料の安定確保、経済性を総合的に考え、原子力を中心に火力や水力を組み合わせた電源の多様化を推進。
  発電時にCOを出さない原子力・水力の2003年度の合計比率は、50%。原子力・水力による発電がない場合、当社のCO排出量は、約2倍になったと試算される。
  (LNGの導入)  
既設火力の経年化対策やCO削減対策に取り組むとともに、総合エネルギー企業としての基盤整備をはかる観点から、坂出発電所へのLNG導入を決定。
 
  (2)発電輸送効率の向上
  (原子力発電所の設備利用率の向上)
定格熱出力一定運転などを行い、安全・安定運転に努めた結果、 2003年度の伊方発電所の設備利用率は、84.9%。
  (火力発電所の熱効率の向上)
脱硫装置の更新(坂出発電所3号機)、蒸気タービン車軸更新にあたっての新型翼の採用(阿南発電所3号機、坂出発電所4号機)などにより、熱効率を向上。
  (水力発電所の効率向上)
設備更新の機会を捉え、高効率な水車への取替等を実施し、発電効率を向上。
  佐賀発電所(高知県佐賀町)での水車取替により、年間の発電電力量が、約130万kWh増加。
  (輸送設備の高効率化)
 ・ 高圧配電線の太線化。[約207km(2003年度)]
低損失型柱上変圧器の導入。[約12,800台(2003年度)]など
  (新エネルギーの活用)
太陽光発電所(愛媛県松山市)、風力発電所(高知県室戸市)での発電。
[2003年度の設備利用率:太陽光 約12%、風力 約22%]
新エネルギーから電力を購入。(前年度に比べ85%の増)
 
太陽光:17,814千kWh、風力:27,428千kWh、
廃棄物:15,998千kWh  (2003年度実績)
RPS制度における当社の新エネルギー利用実績は、2003年度0.72億kWhとなり、義務量0.58億kWhを達成。
西条発電所において木質バイオマスの燃焼試験を実施し、良好な結果が得られたため、2005年度からの本格運用を目指す。
カンボジアで「太陽光発電コンビネーションシステム」、中国で「太陽光発電システム」の実証研究を実施。
 
  (3)省エネルギー・負荷平準化の推進
 ・ 海水の温度差を利用したヒートポンプ蓄熱空調システムを取り入れた地域熱供給をサンポート高松地区で実施。2004年4月より高松シンボルタワーへの供給を開始。
 
  (4)その他の取り組み
「世界銀行炭素基金」に出資。(2000年1月に500万ドル出資、2002年9月に500万ドル追加出資。)
豪州において、ユーカリの植林事業を進めており、2001年度の100ha植栽に続き、2002年度には122ha、2003年度には121haの植栽を実施。
将来の本格的なCO排出量取引の実施に備えたノウハウ習得を目的として、デュポン・カナダ社より、2001年から2003年の3ヵ年でCO排出削減量を合計6,000トン購入。
 
2.地域の環境保全に向けた取り組み
  (1)環境アセスメント
 ・ LNG導入に伴う坂出発電所1号機のコンバインドサイクル発電方式へのリプレースに向けて、環境影響評価法に基づく環境アセスメントを進めており、2004年6月1日には、環境影響評価方法書を国や自治体に届け出るとともに、関係地域内で1ヶ月間縦覧を実施。
 
  (2)大気汚染防止対策
排煙脱硫装置、排煙脱硝装置などの設置により、SOx、NOxの排出を抑制。
  SOx排出原単位…0.5g/kWh(2003年度)
NOx排出原単位…0.5g/kWh(2003年度)
2003年12月に、坂出発電所3号機排煙脱硫装置を最新型に更新。
( 脱硫効率が90%から96%に向上。)
 
  (3)化学物質の管理
PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)の対象となる化学物質はもとより取り扱っているすべての化学物質を適正に管理。
 
3.資源循環型社会への対応
火力発電所の運転に伴い発生する副産物や撤去資材等、事業活動に伴って発生する種々の廃棄物を積極的に有効利用。
  [廃棄物の有効利用率…99.7%(2003年度)]
 ・ 豊島溶融スラグ(香川県豊島の不法投棄産業廃棄物の処理に伴い発生する溶融スラグ)をコンクリート骨材として利用する際、石炭灰を混和剤として活用することで、コンクリートの品質が向上することを確認。
 ・ 伊方発電所において、取水口に付着した貝殻、浄化槽の汚泥、食堂の生ゴミなどを堆肥化する「有機廃棄物再資源化システム」を運用。

 



V.社会とのコミュニケーション


地域社会とともに
環境月間行事として、炭焼き体験教室、アンパンマンショー、苗木配布などを実施。
子供たちに環境やエネルギーへの関心を高めていただくため、エネルギー教室や科学イベントを実施。
社外の有識者の方々より、「よんでん環境保全活動レポート」や当社の環境保全活動全般に対する評価やご意見をいただく「よんでん環境懇話会」を開催。
発電のしくみ、環境問題などに関心を持っていただくため、伊方発電所などの施設見学会を実施。
以 上

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