伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年10月分)
1.伊方3号機 復水脱塩装置苛性ソーダ撹拌ポンプの不具合について
通常運転中の伊方3号機において、復水脱塩装置の苛性ソーダ撹拌ポンプのケーシング外表面にごく微量の白い析出物を作業員が発見し、白い析出物を分析した結果、14時20分頃、苛性ソーダであることが判明した。
このため、当該ポンプを点検した結果、ケーシング外表面に微細な傷を確認したことから当該ポンプのケーシングを取り替え、復旧した。
| [復水脱塩装置] |
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2次系冷却水に含まれるイオン状の不純物をイオン交換樹脂により取り除き、浄化する装置。
イオン交換樹脂は、樹脂再生装置で苛性ソーダなどを使用して再生し、再使用する。 |

2.伊方2号機 アスファルト固化装置熱媒循環ポンプの不具合について
通常運転中の伊方2号機において、アスファルト固化装置を停止した際、熱媒循環ポンプのモータの温度異常を示す信号が発信したため、現地を確認した結果、10月6日0時25分頃、熱媒循環ポンプAのモータの過熱を検出する温度スイッチ(サーモスタット)が不良であることを確認した。
なお、熱媒循環ポンプは2台あることから、アスファルト固化装置の運転に支障はない。
| [アスファルト固化装置] |
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機器の分解点検等に伴い発生するプラント廃液や作業衣の洗濯排水等の低レベル放射性廃液をアスファルトと混合して固化処理する装置。 |
| [熱媒循環ポンプ] |
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アスファルト固化装置のアスファルト混和機内で、低レベル放射性廃液をアスファルトと混合・加熱を行うための加熱用の熱媒(鉱油)を循環させているポンプ。A・Bの2台あり、1台は予備機としている。 |

3.伊方発電所 屋外塗料倉庫の火災について
10月12日15時55分頃、伊方発電所敷地内の屋外塗料倉庫で火災が発生しているのを作業員が発見した。このため、消防署および自衛消防隊が出動し、消火活動が行われた結果、16時53分、消防署により鎮火が確認された。
なお、本火災による負傷者はなく、また、火災によるプラントの運転への影響もなかった。
4.伊方1号機 補助蒸気ドレン配管ストレーナからの漏えいについて
10月18日20時16分頃、第22回定期検査中の伊方1号機のタービン建家内において、補助蒸気配管内のドレン水を排出するためのドレン配管に設置しているストレーナから蒸気が漏えいしていることを運転員が発見した。
このため、漏えい箇所前後の弁を閉止して蒸気漏れを停止し、当該ストレーナを取り替えた。
| [補助蒸気] |
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空調設備や海水淡水化装置など、付属設備に使用するため、2次系の蒸気を利用して発生させた蒸気。(今回は2号機側からの蒸気を使用していた。) |

5.伊方1号機 脱気器建家床面配管ダクトからの湯気発生について
第22回定期検査中の伊方1号機において、脱気器建家の火災報知器の信号が発信したため、現地を確認したところ、10月20日12時20分頃、脱気器建家の床下から湯気が出ていることを運転員が確認した。
調査の結果、床下を通っている補助蒸気配管等の配管用ダクトに台風23号の影響による雨水や海水(高波)が溜まり、補助蒸気配管により溜まり水が暖められ湯気が発生したものと推定される。
| [補助蒸気] |
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空調設備や海水淡水化装置など、付属設備に使用するため、2次系の蒸気を利用して発生させた蒸気。 |
