平成16年12月1日
四国電力株式会社


伊方発電所1号機 冷却材貯蔵タンク出口配管の微小な傷の原因と対策について


 第22回定期検査中の伊方発電所1号機(加圧水型、定格電気出力56万6千キロワット)において、平成15年6月に発生した「伊方1号機安全注入系統テストライン配管のひび」に鑑み、冷却材貯蔵タンクCの出口配管の点検のため液体浸透探傷検査を実施したところ、11月22日10時頃、1箇所で微小な傷(最大長さ12o)が確認されました。
 当該箇所からの漏えいは認められません。
 本事象による環境への放射能の影響はありません。

(平成16年11月22日、発表済み)

 外観点検及び浸透探傷検査の結果、
  傷が確認された箇所の配管外表面に、矩形状(巾約15o、長さ約30o)のテープののり跡と思われるさび色の付着物が認められたこと
  傷は、約12oと約11oの2本の線状のひびで、付近には溶接部のないこと
が確認されました。
 また、当該部分の配管を切り取り、詳細調査を行った結果、ひびは塩化物応力腐食割れと推定され、深さは、最大で配管外表面から3.1oで、配管厚さは6.8oあることから必要厚さ(0.07o)を満足しており、強度上問題はないことが確認されました。
 更に、当該箇所の真下の床にさび色の付着物が認められたことから、上部を確認したところ、天井付近に、溶接部が腐食し、水が漏えいした痕のある現在使用されていない所内用水配管があり、また、本件出口配管の上部にある冷却材貯蔵タンクへの戻り配管に、当該所内用水配管から漏えいした水が落下した痕跡が認められました。所内用水には塩素が含まれているため(塩素濃度13ppm程度)、当該配管内に残留していた所内用水により溶接部が腐食・貫通して、塩化物を含む水が落下したものと考えられます。
 以上のことから、本事象は、過去の作業において貼り付けられたテープののり跡に、使用されていない所内用水配管から落下した漏えい水に含まれる塩化物が付着して濃縮され、塩化物応力腐食割れが発生したものと推定されます。
 
 このため、今後、当該部分の配管を取り替えるとともに、現在使用されていない配管について、撤去又は他の配管に影響のないことを確認します。
 また、ステンレス配管の上部にあり、塩化物を含む流体を内包する類似配管(海水系統、所内用水系統、消火水系統)について、今回定期検査期間中に点検を行い、漏えいのないことを確認するとともに、伊方発電所2,3号機についても、次回定期検査において、同様の点検を実施いたします。
 
(参考)冷却材貯蔵タンク
   プラント運転中、1次冷却材中のほう素濃度を調整するため純水等を注入し た際に、余分の1次冷却材を一時的に貯蔵するタンク。A、B、C3基ある。

 

添付資料-1  伊方1号機 冷却材貯蔵タンクまわり概略系統図
添付資料-2  冷却材貯蔵タンク出口配管調査状況
添付資料-3  冷却材貯蔵タンク出口配管のひび発生メカニズム
報告書   伊方発電所1号機 冷却材貯蔵タンク出口配管の微小な傷について


以 上

添付資料-1

伊方1号機 冷却材貯蔵タンクまわり概略系統図

添付資料-2

冷却材貯蔵タンク出口配管調査状況

添付資料-3

冷却材貯蔵タンク出口配管のひび発生メカニズム



伊方発電所1号機 冷却材貯蔵タンク出口配管の微小な傷について(報告書)

PDFファイルのダウンロード


 ・ 報告書 本文 [PDF 13.2KB]
 ・ 上記報告書の添付資料 [PDF 5.47MB]


 ここにあるPDF形式のファイルをご覧になる場合にはAcrobat Readerが必要です。
 Acrobat Readerをお持ちでない方は右のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。




戻る

Copyright(C)YONDEN
Shikoku Electric Power Co.,Inc. / Kagawa,Japan
mail to : postmaster@yonden.co.jp