平成17年1月11日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成16年12月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成16年11月分)について
○ 平成16年12月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の6件です。これらの事象のうち、「4.伊方1号機 原子炉補助建家排気筒のひびについて」は法律に基づく報告事象に該当するもので、それ以外は法律に基づく報告事象に該当するものではありません。また、これらの事象による環境への放射能の影響はありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 スチームコンバータドレン冷却器フランジからの漏えいについて 12月10日 −
2.伊方発電所 屋外埋設消火配管からの漏えいについて 12月17日 −
3.伊方3号機 ほう酸注入系統の不具合について 12月18日 12月20日
4.伊方1号機 原子炉補助建家排気筒のひびについて 12月23日 12月24日
5.伊方2号機 復水器D水室における微量の海水漏えいについて 12月24日 12月24日
6.伊方3号機 海水ピット水位計の不具合について 12月25日 −
○ 平成16年11月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機 充てんポンプ室エリアモニタの表示不良について 11月13日 12月10日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年12月分)
- 伊方3号機 スチームコンバータドレン冷却器フランジからの漏えいについて
- 伊方発電所 屋外埋設消火配管からの漏えいについて
- 伊方3号機 ほう酸注入系統の不具合について
- 伊方1号機 原子炉補助建家排気筒のひびについて
- 伊方2号機 復水器D水室における微量の海水漏えいについて
- 伊方3号機 海水ピット水位計の不具合について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成16年11月分)
- 伊方1号機 充てんポンプ室エリアモニタ表示不良について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年12月分)
1.伊方3号機 スチームコンバータドレン冷却器フランジからの漏えいについて
12月10日12時05分、通常運転中の伊方3号機において、スチームコンバータのドレン冷却器フランジから微少な蒸気(1滴/20秒)が漏えいしていることを保修員が確認した。
点検の結果、当該フランジのパッキンシート面に僅かな漏えい跡が認められたことから、パッキンを取り替え復旧した。
[スチームコンバータ] 空調設備、海水淡水化装置などの付属設備に供給するための補助蒸気を発生させる装置。2次系純水を主蒸気などを利用して加熱することにより、補助蒸気を発生させている。
2.伊方発電所 屋外埋設消火配管からの漏えいについて
12月17日14時40分頃、伊方発電所構内において、埋設消火配管を敷設している付近の地表から水が湧き出ているのを作業員が確認した。このため、埋設されている消火用水系統の隔離を行った結果、地表から水が湧き出るのが停止した。
埋設消火配管を点検した結果、配管に腐食による貫通穴が確認されたため、当該部の配管を取り替え復旧した。
3.伊方3号機 ほう酸注入系統の不具合について12月18日11時58分頃、通常運転中の伊方3号機において、「ステムフリーテスト」のため1次冷却系統にほう酸水を注入して発電機出力を下げようとしたところ、ほう酸水が注入できないことが確認された。
その後、ほう酸水を注入する系統について点検を行った結果、「ステムフリーテスト」で使用した系統以外は使用可能であることが確認されるとともに、配管等に漏えいがないことから、ほう酸が内部で詰まっているものと推定された。このため、ほう酸が詰まる可能性のある箇所について通水確認を実施したところ、正常にほう酸水が注入できることを確認した。
このことから、原因は、当該系統内で局部的にほう酸水が濃縮され、ほう酸が析出して一時的に詰まったものと考えられる。
今後、2箇月に1度の頻度で行っているほう酸水注入系統の通水を、1箇月に1度の頻度とし、ほう酸の詰まりを防止する。
なお、「ステムフリーテスト」は、制御棒を操作して発電機出力を下げ実施した。
[ステムフリーテスト] 予め発電機の出力を下げて、タービンに流入する蒸気を止める主蒸気止め弁や蒸気の流入量を調整する蒸気加減弁等が正常に動作することを確認する試験。2箇月に1度、定期的に実施している。
4.伊方1号機 原子炉補助建家排気筒のひびについて第22回定期検査中の伊方発電所1号機において、補助建家排気筒に接続される排気ダクトの点検口設置工事に伴い、点検口周辺の点検を行ったところ、12月23日、補助建家排気筒の水平部に貫通しているひびがあることが確認された。
更に当該部の点検を行った結果、内面に12箇所のひびがあり、そのうち貫通しているものが4箇所確認された。<12月24日、発表済み>現在、金属組織調査等の詳細な調査を実施している。
[補助建家排気筒] 原子炉補助建家内の換気のため設置しているダクト状の通気管。原子炉補助建家内の空気は、フィルタ、排気筒モニタを通って補助建家排気筒より排気される。
5.伊方2号機 復水器D水室における微量の海水漏えいについて12月24日7時50分頃、通常運転中の伊方発電所2号機において、復水器D水室内の海水の漏えいを示す電導度の上昇が確認された。
海水の漏えい量は微少であることから、漏えいの低減措置を行うとともに監視強化を行った。その後、2号機のCVケーブル予防保全工事に伴う計画停止(12月29日〜1月3日)にあわせて漏えい箇所の調査点検を行った。
点検調査の結果、復水器細管1本に漏えいが認められたため、当該細管に施栓を行うとともに、探傷検査により減肉の有意な指示が確認された当該細管以外の細管32本に予防施栓を行った。
なお、漏えいした海水は、復水中の塩分等を取り除く復水脱塩装置により除去されるため、プラント運転上の問題はなかった。
[復水器] 細管内に海水を通して低圧タービンから出た蒸気を冷却し、再び復水(2次冷却水)に戻す機器。復水器は4つの水室で構成されている。
細管から海水が復水に混入すると電気抵抗が小さくなり、電導度(電気抵抗の逆数)が上昇する。6.伊方3号機 海水ピット水位計の不具合について
12月25日16時16分頃、通常運転中の伊方3号機において、屋外海水ピット水位計の異常を確認した。
このため、当該水位計の現地確認を行ったところ、電源装置から電気が供給されていないことが確認されたため、水位計を他の電源に繋ぎ変えて仮復旧した。
その後、代替品の電源装置に取り替え、復旧した。
[海水ピット水位計] 1次系ポンプや空調設備等に冷却用で使用する海水を取水するピットに設置している潮位計で、地震発生時に使用する当該水位計と、通常時に使用する水位計がある。
なお、通常時に使用している水位計は、クラゲや海塵を除去するための除塵装置の運転の制御用にも使用されている。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成16年11月分)
1.伊方1号機 充てんポンプ室エリアモニタ表示不良について
○事 象11月13日18時30分頃、第22回定期検査中の伊方1号機の中央制御室において、エリアモニタの故障を示す信号が発信した。確認の結果、充てんポンプ室のエリアモニタのデジタル表示が、記録計の指示には変動が認められないにもかかわらず、点滅(フリッカ)し正常な値を示していなかった。
○原 因調査の結果、定期検査に伴う作業により信号ラインにノイズが発生し当該モニタのデジタル表示が正常な値を示さなかったものと推定された。
○対 策
なお、故障を示す信号は、他エリアモニタの取り替え作業の一環で信号抑制用に短絡していた線が外れたために信号が解除され発信したものであった。念のため、当該モニタ内の信号処理カードを取り替え復旧した。
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