伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年1月分)
1.伊方3号機 取水ピット水位計の不具合について
1月10日2時17分頃、通常運転中の伊方3号機において、取水ピット水位計の異常を示す信号が発信した。
当該水位計の動作状況を確認した結果、上流側水位検出器が大潮により最も潮位が低下した際、一時的に水位検出ができない状態となることが判明した。このため、当該水位検出器を取り替えることとした。
なお、取水ピット水位計は2系統あることから、取り替えまでの間、残る1系統の水位計により除塵装置の洗浄運転を自動で行うことができるため、除塵装置の運転に影響はない。
[取水ピット水位計] |
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タービンの冷却用海水の取水ピットには、クラゲや海塵を除去するため、除塵装置を設置している。本水位計により除塵装置の前後海面の水位差を測定し、自動的に除塵装置の洗浄運転を行っている。 |
2.伊方3号機 タービン建屋内での作業員の負傷について
伊方3号機のタービン建屋内において、伊方1号機第22回定期検査で取り替えた動力変圧器(旧品)の搬出準備作業を行っていたところ、1月12日10時30分頃、作業員1名が吊上用ワイヤーと当該変圧器の吊り金具との間で右手の指先を挟んで負傷した。このため、八幡浜市内の病院に搬送した。
医師の診察の結果、右小指不完全切断、右中環指坐滅創(1箇月間の通院・加療、休業見込みなし)と診断された。
[動力変圧器] |
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動力変圧器とは、所内の6600V電源系統から440V電源系統に給電するため、降圧する変圧器 |

3.伊方3号機 非常用ディーゼル発電機海水流量計検出配管からの漏えいについて
1月19日15時29分頃、通常運転中の伊方3号機において、非常用ディーゼル発電機Bの海水流量計の点検中に、流量計の検出配管から海水が漏えいしているのを作業員が確認したことから、非常用ディーゼル発電機Bの海水系統を隔離し、海水の漏えいを停止した。
点検の結果、海水配管と検出配管を接続するネジ部が折損していることを確認した。このため、当該検出配管を取り替え、1月20日13時20分、復旧した。
[非常用ディーゼル発電機] |
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発電所の運転中に外部電源が喪失し、所内に電気が供給できなくなった場合に、安全にプラントを停止するのに必要な機器等に電気を供給するための設備で、2基設置している。 |

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成16年12月分)
1.伊方3号機 スチームコンバータドレン冷却器フランジ部からの漏えいについて
○事 象
12月10日12時05分頃、通常運転中の伊方3号機において、スチームコンバータのドレン冷却器フランジ部から微少な蒸気(1滴/20秒)が漏えいしていることを保修員が確認した。
点検の結果、当該部のパッキンおよびフランジ面に僅かな漏えい跡が認められたことから、パッキンを取り替え復旧した。
○原 因
スチームコンバータの運転に伴う圧力・温度変化の影響により、当該フランジ部のパッキンの面圧が次第に低下し、蒸気の漏えいに至ったものと推定される。
○対 策
・ |
当該フランジ部のパッキンを圧力・温度変化に対して密封性が安定している型式のパッキンに取り替えた。 |
・ |
当該フランジ部と同型式のパッキンを使用している3号機スチームコンバータ本体についても、次回定期検査時に密封性が安定している型式のパッキンに取り替える。 |

2.伊方発電所 屋外埋設消火配管からの漏水について
○事 象
12月17日14時40分頃、伊方発電所構内において、埋設消火配管を敷設している付近の地表から水が湧き出ているのを作業員が確認した。このため、埋設されている消火用水系統の隔離を行った結果、地表から水が湧き出るのが停止した。
埋設消火配管を点検した結果、配管に腐食による貫通穴が確認された。
○原 因
当該配管は、長期間(昭和60年〜事象発生まで)使用されたため、配管外表面に腐食が発生・進展し、貫通に至ったものと推定される。
○対 策
・ |
当該配管は新品の配管(炭素鋼製)に取り替えた。 |
・ |
主要な屋外埋設消火配管については、従来より計画的に耐食性に優れたダクタイル鋳鉄管等へ取り替えており、当該配管についても平成17年4月までに取り替えを行う。 |

3.伊方3号機 ほう酸水注入系統の不具合について
○事 象
12月18日11時58分頃、通常運転中の伊方3号機において、「ステムフリーテスト」のため1次冷却系統にほう酸水を注入して発電機出力を下げようとしたところ、ほう酸水が注入できないことが確認された。
その後、ほう酸水を注入する系統について点検を行った結果、「ステムフリーテスト」で使用した系統以外は使用可能であることが確認されるとともに、配管等に漏えいがないことから、ほう酸が内部で詰まっているものと推定された。このため、ほう酸が詰まる可能性のある箇所について通水確認を実施したところ、正常にほう酸水が注入できることを確認した。
○原 因
調査の結果、 |
・ |
当該系統の使用頻度を、平成15年8月より毎月1回から2ヵ月に1回に変更しており、変更以前に同様な事象は発生していないこと |
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当該系統は、ステムフリーテスト時に使用する以外は高濃度のほう酸水が滞留した状態にあること |
・ |
ほう酸水が滞留している配管では、ほう酸水中の空気が溶出し、垂直部上方に空気溜まりができ、その空気溜まりにほう酸が析出する可能性が考えられること |
から原因は、当該配管内に局部的にほう酸が析出し、一時的に詰まったものと推定される。 |
○対 策
ほう酸の詰まりを防止する観点から、2ヵ月に1回行っている当該系統の通水を、毎月1回に変更し、その旨内規に反映した。

4.伊方3号機 海水ピット水位計の不具合について
○事 象
12月25日16時16分頃、通常運転中の伊方3号機において、屋外海水ピット水位計の異常を確認した。
このため、当該水位計の現地確認を行ったところ、電源装置から変換器へ電気が供給されていないことが確認されたため、他の電源に繋ぎ替え仮復旧した。
その後、代替品の電源装置に取り替え、復旧した。
○原 因
当該水位計の変換器に電気を供給する電源装置が故障したため、当該水位計が正常な指示を示さなくなったものと推定される。
○対 策
当該水位計変換器の電源装置を代替品から新品に取り替え、復旧した。

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