
平成17年6月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成17年5月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成17年4月分他)について
○ |
平成17年5月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の6件です。これらの事象のうち、「1.伊方3号機 空調用冷凍機の損傷について」は法律に基づく報告事象に該当するもので、それ以外は法律に基づく報告事象に該当するものではありません。また、これらの事象による環境への放射能の影響はありませんでした。 |
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
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5月12日 |
5月12日 |
2.伊方2号機 |
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ほう酸濃縮液ポンプからの水漏れについて |
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5月13日 |
5月13日 |
3.伊方3号機 |
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抽気逆止弁動作試験中の不具合について |
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5月18日 |
− |
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5月25日 |
5月25日 |
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5月30日 |
5月30日 |
6.伊方発電所 |
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屋外消火用水配管からの漏水について |
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5月31日 |
− |
○ |
平成17年4月および1月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。 |
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方3号機 |
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復水脱塩装置洗浄循環ポンプの異音について |
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4月10日 |
5月10日 |
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1月10日 |
2月10日 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年5月分)
- 伊方3号機 空調用冷凍機の損傷について
- 伊方2号機 ほう酸濃縮液ポンプからの水漏れについて
- 伊方3号機 抽気逆止弁動作試験中の不具合について
- 地震発生に伴う伊方発電所の点検結果について
- 伊方発電所 雑固体焼却設備の不具合について
- 伊方発電所 屋外消火用水配管からの漏水について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年4月分他)
- 伊方3号機 復水脱塩装置洗浄循環ポンプの異音について
- 伊方3号機 取水ピット水位計の不具合について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年5月分)
1.伊方3号機 空調用冷凍機の損傷について
通常運転中の伊方3号機で、空調用冷凍機の期間外定期点検において、試運転のため起動していた空調用冷凍機Dの羽根車の回転音に僅かに高いことが確認された。後日、分解点検した結果、5月12日17時00分頃、当該冷凍機の羽根車の入口部が一部損傷していることを確認した。
現在、当該冷凍機について詳細な原因調査を行っている。
[空調用冷凍機] |
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中央制御室やECCS系機器の電源遮断器室等の空調用の冷却水を冷して供給する設備。伊方3号機では4台設置しており、事象発生時は1台で運転していた。 |

2.伊方2号機 ほう酸濃縮液ポンプからの水漏れについて
5月13日12時52分頃、通常運転中の伊方2号機で、一次系弁の期間外点検において、点検が終了した弁の健全性等を確認するため、ほう酸濃縮液ポンプAを純水にて循環運転したところ、当該ポンプの軸封水部から少量の水(約4リットル)が漏れていることを運転員が確認した。このため、当該ポンプを停止し、漏えいは停止した。
なお、漏れた水からは放射能は検出されず、環境への影響はなかった。
その後、当該ポンプの軸封水部を分解点検した結果、 |
・ |
シールリングを押さえつけて漏れないように密封するバネが縮んだままの状態で、シールリングが軸スリーブに固着していた |
・ |
軸スリーブの表面に肌荒れが確認された |
ことから、原因は、軸スリーブ表面が肌荒れしていたため、当該ポンプ内を純水で満たした際、純水を入れる圧力(約0.8メガパスカル)で軸スリーブとシールリングの間にOリングが噛み込んで軸スリーブとシールリングが固着した状態となった。その後、循環運転のためポンプを起動したことにより羽根車が回転し、その推進力によって主軸、軸スリーブとシールリングが一体となってポンプ入口方向に動いたため、シール部に隙間ができ、水が漏れたものと推定される。
このため、当該ポンプの軸スリーブ表面の手入れを行うとともに、軸封水部を新品に取り替えて試運転を行い、漏えいのないことを確認したうえで、5月19日16時36分、通常状態に復旧した。 |
[ほう酸濃縮液タンク] |
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ほう酸濃縮液タンクに貯蔵されたほう酸濃縮液をほう酸タンクに送るためのポンプでA、B2台あり、運転時は1台を使用する。
なお、当該事象発生時は弁の健全性等を確認するため、純水を満たした状態で、循環運転した。 |

3.伊方3号機 抽気逆止弁動作試験中の不具合について
5月18日13時35分頃、通常運転中の伊方3号機において、第3抽気逆止弁Bの動作試験を実施していたところ、動作試験スイッチを押しても逆止弁が動作しないことを確認した。
当該逆止弁を動作させるための回路等を調査した結果、逆止弁を動作させる駆動用シリンダの空気量を調整する電磁弁に動作不良があることを確認した。
このため、電磁弁を新品に取り替え、当該逆止弁の動作試験を行い、正常であることを確認した。
[抽気逆止弁] |
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抽気は、給水加熱器(2次系の給水を加熱するもの)等の加熱用に低圧タービンから取り出された蒸気で、逆止弁は抽気を給水加熱器等に送る配管に設置されている。
第3抽気逆止弁はA,Bの2台ある。 |

4.地震発生に伴う伊方発電所の点検結果について
5月25日20時31分頃、宇和海を震源とした地震があり、伊方発電所1,2,3号機において、以下のとおり地震を感知した。このため、1,2,3号の設備の詳細な巡視点検を実施した結果、プラントの運転に影響を与えるような異常はないことを確認した。
・1号機:17ガル
・2号機:17ガル
・3号機:24ガル
なお、今回の地震で伊方3号機の中央制御室において、地震の発生を示す表示灯が点灯しなかったことから調査を行うこととした。
(5月26日発表済み)
調査の結果、3号機観測用地震測定装置内の通信カードが一時的に不良になったものと推定されることから、当該カードを新品に取り替え、6月10日、復旧した。
[観測用地震測定装置] |
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地震発生時に地震動のデータを収集する目的で設置している装置。
当該表示灯は、地震を感知した場合に点灯するものであり、故障によりプラントの運転に影響を及ぼすものではない。
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5.伊方発電所 雑固体焼却設備の不具合について
5月30日14時10分頃、雑固体焼却設備の点検において、排ガスフィルタの入口配管の伸縮継手部にひび割れ(長さ約125o×幅約1.5o;1箇所)があることを保修員が確認した。本点検は、5月27日、1次排ガスフィルタAの入口部において連続監視している温度にばらつきが見られたため、5月30日の焼却設備の計画停止にあわせて実施したものである。
現在、当該箇所の詳細調査を行っている。
[雑固体焼却設備] |
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荷揚岸壁付近に設置している付属設備で、管理区域内の作業で発生した紙ウエス、布切れ等の可燃性の低レベル放射性廃棄物を焼却する設備。
排ガスフィルタ(セラミックフィルタ)は、排気ガス中のチリを捕集する目的で設置しているフィルタ。 |

6.伊方発電所 屋外消火用水配管からの漏水について
5月31日、アスファルト固化装置の消火設備点検のために消火用水の弁を開いたところ、10時00分頃、伊方1,2号機タービン建家前屋外において、消火用水配管から水が漏れ出ているのをパトロール中の運転員が発見した。
このため、当該箇所を隔離し、漏えいは停止した。(漏えい量約4トン)
調査の結果、当該消火用水配管に設置している自動空気抜弁の配管フランジ部のパッキンに1箇所、き裂があることを確認したため、パッキンを新品に取り替え、復旧した。
[消火設備] |
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発電所構内に設置し、火災発生時に消火用水を供給するための設備。
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伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年4月分他)
1.伊方3号機 復水脱塩装置洗浄循環ポンプの異音について
○事 象
4月10日23時36分、第8回定期検査中(調整運転中)の伊方3号機の復水脱塩装置において、運転員が洗浄循環ポンプに異音があることを確認し、運転継続不能と判断して当該ポンプを停止した。
○原 因
調査の結果、当該ポンプの運転で生じる軸受け部(ボールベアリング)の摺動・摩耗による僅かな肌荒れなどが原因で異音が発生したものと推定されるが、ポンプに機能上の異常は認められなかった。
○対 策

2.伊方3号機 取水ピット水位計の不具合について
○事 象
1月10日2時17分、通常運転中の伊方3号機において、取水ピット水位計の異常を示す信号が発信した。
当該水位計の動作状況を確認した結果、上流側水位検出器が大潮により最も潮位が低下した際、一時的に水位検出ができない状態となることが判明した。
○原 因
調査の結果、当該水位検出器内の信号処理カードを構成している電子部品の機能が低下していたことから、一時的に水位が検出できない状態になったものと推定される。
○対 策
・ |
当該水位検出器を取り替え、復旧した。 |
・ |
念のため、3号機取水ピットの当該水位検出器と同型式の検出器3台について、信号処理カードを取り替えた。 |

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