
平成17年7月11日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成17年6月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成17年5月分)について
○ |
平成17年6月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。 |
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方1号機 |
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稀ヒドラジンポンプの不具合について |
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6月 2日 |
− |
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6月19日 |
− |
○ |
平成17年5月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。 |
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方2号機 |
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ほう酸濃縮液ポンプからの水漏れについて |
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5月13日 |
5月13日 |
2.伊方発電所 |
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地震発生に伴う伊方発電所の点検結果について |
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5月25日 |
5月25日 |
3.伊方発電所 |
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屋外消火用水配管からの漏水について |
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5月31日 |
6月10日 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年6月分)
- 伊方1号機 稀ヒドラジンポンプの不具合について
- 伊方2号機 発電機出力の低下について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年5月分)
- 伊方2号機 ほう酸濃縮液ポンプからの水漏れについて
- 伊方発電所 地震発生に伴う伊方発電所の点検結果について
- 伊方発電所 屋外消火用水配管からの漏水について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年6月分)
1.伊方1号機 稀ヒドラジンポンプの不具合について
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6月2日18時35分頃、通常運転中の伊方1号機において、ヒドラジンを注入する稀ヒドラジンポンプが正常に運転できないことを保修員が確認したため、予備のポンプに切り替えた。
点検の結果、
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・ |
当該ポンプを動かす作動油から空気を自動的に排出する空気抜き装置自体の作動油に空気が混入していたことから、作動油圧が安定せず、空気抜き装置が正常に動作していなかった |
・ |
このため、当該ポンプの作動油に混入した空気が排出できず、ポンプが正常に運転できなかった |
ものと推定された。
以上のことから、空気抜き装置の作動油の空気抜きを十分に行い、当該ポンプが正常に運転できることを確認した後、通常状態に復旧した。
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[稀ヒドラジンポンプ] |
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2次系の配管・機器の腐食防止のため、溶存酸素を除去するための薬品(ヒドラジン)を注入するためのポンプ。 |

2.伊方2号機 発電機出力の低下について
6月19日10時頃、通常運転中の伊方2号機において、電気出力(1時間の積算値)が定格電気出力(566MWh)未満であることを確認した。
これは、冷却用に取水している海水の温度が高くなったため、プラントの熱効率が低下し、電気出力が低下したもので、プラントの安定・安全運転に影響を及ぼすものではない。
なお、海水温度は例年夏場に高くなり、これに伴い電気出力は低下するが、10月頃から海水温度が低下し始め、電気出力は徐々に回復する。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年5月分)
1.伊方2号機 ほう酸濃縮液ポンプからの水漏れについて
○事 象
5月13日12時52分頃、通常運転中の伊方2号機で、一次系弁の期間外点検において、点検が終了した弁の健全性等を確認するため、ほう酸濃縮液ポンプAを純水にて循環運転したところ、当該ポンプの軸封水部から少量の水(約4リットル)が漏れていることを運転員が確認した。
このため、当該ポンプを停止し、漏えいは停止した。なお、漏れた水からは放射能は検出されず、環境への影響はなかった。
○原 因
その後、当該ポンプの軸封水部を分解点検した結果、 |
・ |
シールリングを押さえつけて漏れないように密封するバネが縮んだままの状態で、シールリングが軸スリーブに固着していた |
・ |
軸スリーブの表面に肌荒れが確認された |
ことから、原因は、軸スリーブ表面が肌荒れしていたため、当該ポンプ内を純水で満たした際、純水を入れる圧力(約0.8メガパスカル)で軸スリーブとシールリングの間にOリングが噛み込んで軸スリーブとシールリングが固着した状態となった。その後、循環運転のためポンプを起動したことにより羽根車が回転し、その推進力によって主軸、軸スリーブとシールリングが一体となってポンプ入口方向に動いたため、シール部に隙間ができ、水が漏れたものと推定される。
また、軸スリーブ表面の肌荒れは、隙間部の腐食と推定される。
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○対 策
・ |
当該ポンプの軸スリーブ表面の手入れを行うとともに、軸封水部を新品に取り替え、漏えいのないことを確認したうえで通常状態に復旧した。 |
・ |
軸封水部を有するポンプのうち、当該ポンプと類似するポンプの分解点検に当たっては、軸スリーブ表面の状態を確認し、必要に応じて手入れを行うよう作業要領書に追加した。 |

2.伊方発電所 地震発生に伴う伊方発電所の点検結果について
○事 象
5月25日20時31分頃、宇和海を震源とした地震があり、伊方発電所1,2,3号機において、地震を感知した。(1,2号機:17ガル、3号機24ガル)
このため、1,2,3号の設備の詳細な巡視点検を実施した結果、プラントの運転に影響を与えるような異常はないことを確認した。
なお、今回の地震で伊方3号機の中央制御室において、地震の発生を示す表示灯が点灯しないことが確認された。
○原 因
表示灯が点灯しなかった原因について調査した結果、3号機観測用地震測定装置内の通信カードが一時的に不良になったものと推定された。
○対 策
当該カードを新品に取り替え、6月10日、復旧した。

3.伊方発電所 屋外消火用水配管からの漏水について
○事 象
5月31日、アスファルト固化装置の消火設備点検のために消火用水弁を開いたところ、10時頃、伊方1,2号機タービン建家前において、消火用水配管から水が漏れ出ているのをパトロール中の運転員が発見した。
このため、当該箇所を隔離し、漏えいは停止した。(漏えい量約4トン)
点検の結果、当該消火用水配管に設置している自動空気抜弁の配管フランジ部のパッキン(ゴム製)に1箇所、き裂があることを確認した。
○原 因
調査の結果、平成5年に当該フランジ部のパッキンを取り替えた際、フランジを僅かに片締めし、漏えい箇所付近が締め付け不足となっていたため、締め付け不足となった箇所のパッキンが消火ポンプの起動停止等による圧力変動により、徐々にフランジ面から押し出され、き裂が生じて漏えいしたものと推定される。
○対 策
・ |
パッキンを新品に取り替え、復旧した。 |
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当該フランジ部で使用しているパッキンと同じ型式のものを使用するフランジは、片締めにならないようフランジ面間の寸法を確認することとし、その旨を作業要領書に記載する。 |

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