平成17年10月11日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成17年9月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成17年8月分他)について


事    象 発生月日 発表月日
1.伊方1,2号機   地震感知について
9月  4日
2.伊方2号機   中性子検出器の指示不良について
9月  6日 9月  6日
3.伊方2号機   第5高圧給水加熱器の不具合について
9月12日 9月12日
4.伊方2号機   安全注入系統配管の微小な傷について
9月30日 9月30日
事    象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機       ほう酸回収装置補助蒸気配管からの漏えいについて
7月10日 7月11日
2.伊方1,2号機   消火ポンプ出口配管からの漏えいについて
8月22日 9月12日
3.伊方3号機       復水脱塩装置再生塔排水配管からの漏えいについて
8月23日 9月12日
4.伊方1,2号機   海水淡水化装置からの水漏れについて
8月25日 9月12日

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年9月分)

  1. 伊方1,2号機  地震感知について
  2. 伊方2号機  中性子検出器の指示不良について
  3. 伊方2号機  第5高圧給水加熱器の不具合について
  4. 伊方2号機  安全注入系統配管の微小な傷について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年8月分他)

  1. 伊方1号機  ほう酸回収装置補助蒸気配管からの漏えいについて
  2. 伊方1,2号機  消火ポンプ出口配管からの漏えいについて
  3. 伊方3号機  復水脱塩装置再生塔排水配管からの漏えいについて
  4. 伊方1,2号機  海水淡水化装置からの水漏れについて
以 上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年9月分)

1.伊方1,2号機  地震感知について

  9月4日19時6分頃、愛媛県南予地方などで伊予灘を震源とした地震が発生し、伊方1,2号機において3ガルを観測したが、1,2号機に異常はなく、プラントの運転に影響はなかった。

(参考)  伊方発電所の観測ガル数

1号機:3ガル(通常運転中)

2号機:3ガル(通常運転中)

3号機:感知せず(通常運転中)

2.伊方2号機  中性子検出器の指示不良について

  伊方2号機は、第18回定期検査のため原子炉を停止したところ、9月6日2時05分、原子炉起動・停止時などに中性子の量を測定する検出器2系統のうち、1系統の指示が表示されないことを確認した。
  調査の結果、当該検出器の不良を確認した。このため、当該検出器を新品に取り替え、健全性を確認した後、9月10日8時24分、復旧した。
[中性子検出器]
  当該検出器は、原子炉起動・停止時などの原子炉の中性子量が少ない段階において、中性子の量を測定する検出器で、2系統設置している。

3.伊方2号機  第5高圧給水加熱器の不具合について

  9月12日11時15分、第18回定期検査中の伊方2号機において、第5高圧給水加熱器Bの水室仕切板に取り付けている点検口の蓋を固定している32本のボルト(ネジ部外径約12o、長さ約35.5o)のうち5本と、ボルトを固定している座金(外径約24o)5個が脱落していることを保修員が確認した。
  脱落した5本のボルトと5個の座金については回収したが、このうち2個の座金の一部(半分程度)が欠損していることを確認した。
  その後、調査の結果、当該給水加熱器の内部で欠損した部分を2個とも発見し、回収した。
  また、点検口の蓋を固定しているボルトの点検を行った結果、当該給水加熱器で18本、ボルトに若干のガタつきが見られたが、座金の廻り止めが効いており、ボルトおよび座金の脱落がないことを確認した。
[高圧給水加熱器]
  高圧タービンの排気蒸気を取り出して、蒸気発生器への2次系水の給水を加熱する熱交換器。伊方2号機には、給水加熱器が第1から第5まであり、第5高圧給水加熱器はA、B2台ある。

4.伊方2号機  安全注入系統配管の微小な傷について

  第18回定期検査中の伊方発電所2号機において、9月30日13時05分頃、平成16年5月に発生した「伊方2号機余熱除去系統配管のひび」の水平展開で安全注入系統配管(ステンレス配管)の液体浸透探傷検査を実施したところ、格納容器スプレイポンプAの入口配管部1箇所で欠陥指示(長さ約10o)を確認した。なお、当該箇所からの漏えいは認められなかった。
  当該箇所は配管の溶接部であり、その後、金属組織を調査するために表面の研磨および手入れを行ったところ、欠陥指示は消滅した。このことから、傷の深さは約1oで、配管溶接部の溶接金属が盛り上がった部分内に止まっていることを確認した。
[安全注入系統配管]
  1次冷却材喪失事故時などに、原子炉容器内に冷却水を注入したり、原子炉格納容器内にスプレイでほう酸水を降らせたりする設備。
  格納容器スプレイポンプは、原子炉格納容器内の温度、圧力の上昇を抑制するため、燃料取替用水タンクからのほう酸水を供給するポンプで2台設置している。


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年8月分他)

1.伊方1号機  ほう酸回収装置補助蒸気配管からの漏えいについて

○事  象
  7月10日、通常運転中の伊方1号機の原子炉補助建家内において、パトロール中の運転員が、ほう酸回収装置へ供給する補助蒸気の配管付近の床面に水たまりを発見し、当該配管を調査した結果、同日21時30分頃、補助蒸気配管からの漏えいであることを確認した。漏えいは当該配管の隔離により停止した。(推定漏えい量:約4リットル)
  当該配管を確認した結果、事象発生時に配管外表面で1箇所、配管を切り出した後、更に1箇所貫通穴を確認した。
○原  因
  調査の結果、ほう酸回収装置停止時の補助蒸気ドレン水の停滞やほう酸回収装置運転時の蒸気の乱流の発生により、当該貫通部の配管内面に腐食が発生し、長年にわたって徐々に減肉して貫通に至ったたものと推定される。
○対  策
  • 当該配管を炭素鋼製の新品に取り替え、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧した。
  • 次回の定期検査において、ステンレス配管に取り替える。

2.伊方1,2号機  消火ポンプ出口配管からの漏えいについて

○事  象
  8月22日17時30分頃、通常運転中の伊方1,2号機において、屋外に設置している消火ポンプBの出口配管から水が漏れていることを保修員が確認した。このため、当該配管を隔離し、水の漏えいは停止した。
  点検の結果、当該配管のT継手(配管分岐部)に貫通穴(直径約1o)が1箇所確認されたため、補修を行い、仮復旧した。
○原  因
  当該T継手(炭素鋼製)は、長期間(昭和50年〜現在)使用したため、内面に腐食が発生・進展して貫通に至ったもの推定される。
○対  策
  • 補修後の当該T継手について、耐食性に優れたステンレス配管に取り替えた。
  • 当該T配管と同様な条件下で使用している消火ポンプAのT継手についても、ステンレス配管に取り替えた。

3.伊方3号機  復水脱塩装置再生塔排水配管からの漏えいについて

○事  象
  8月23日15時40分頃、通常運転中の伊方3号機において、復水脱塩装置のイオン交換樹脂を再生するため、再生塔で樹脂量の調整(抜き取り)を行っていたところ、当該再生塔の排水配管から、イオン交換樹脂を含んだ水(イオン交換樹脂:100CC、水:200CC)が漏えいしていることを作業員が発見した。このため、当該配管を隔離し、漏えいは停止した。
  点検の結果、当該配管のフランジ溶接部近傍に貫通穴を1箇所確認した。
○原  因
  調査の結果、再生塔の樹脂量を調整する上部側の弁から、樹脂の再生用の塩酸が僅かに漏れて当該箇所に流れて残留し、経年的に腐食が発生・進展して貫通に至ったものと推定される。
○対  策
  • 当該配管(炭素鋼製)をステンレス配管に取り替えた。
  • 上部側の弁を新品に取り替えた。

4.伊方1,2号機 海水淡水化装置からの水漏れについて

○事  象
  8月25日10時頃、通常運転中の伊方1,2号機において、海水淡水化装置Bの蒸発器を覆っている保温材の隙間から少量の水が漏れ出ていることを確認した。このため、当該装置を停止し、漏えいは停止した。(推定漏えい量:約3リットル)
  点検の結果、蒸発器の胴部に貫通穴が1箇所確認された。
○原  因
  調査の結果、
  • 第2段蒸発器の当該箇所付近の腐食減肉が、他の蒸発器に比べ顕著であること
  • 海水淡水化装置Aでも同様な箇所に腐食減肉があり、僅かに貫通していたこと
が判明した。
  原因は、第2段蒸発器内の水蒸気に海水の微粒子が他の蒸発器に比べて多く含まれていたことから、海水の微粒子による腐食減肉が生じて貫通に至ったものと推定される。
○対  策
  • 当該箇所の補修を行い、復旧した。
  • 海水淡水化装置Aについても、同様な補修を行った。
  • なお、海水淡水化装置A,Bは、17年度中に耐食性に優れた装置に取り替える。


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