
平成17年12月12日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成17年11月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成17年10月分他)について
- 平成17年11月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。これら事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所 |
エタノールアミン排水処理装置ガス希釈ファンの不具合について |
|
11月 2日 |
− |
2.伊方2号機 |
原子炉容器入口管台内表面の微小な傷について |
|
11月 9日 |
11月 9日 |
|
11月10日 |
11月10日 |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
|
平成16年
12月24日 |
平成16年
12月24日 |
2.伊方3号機 |
セメント固化装置脱水機の不具合について |
|
8月26日 |
8月26日 |
3.伊方1号機 |
安全補機開閉器室空調ファンの異音について |
|
10月20日 |
10月20日 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年11月分)
- 伊方発電所 エタノールアミン排水処理装置ガス希釈ファンの不具合について
- 伊方2号機 原子炉容器入口管台内表面の微小な傷について
- 伊方2号機 余熱除去系統配管の傷について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年10月分他)
- 伊方2号機 復水器への海水漏えいについて
- 伊方3号機 セメント固化装置脱水機の不具合について
- 伊方1号機 安全補機開閉器室空調ファンの異音について
以 上
別紙1
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年11月分)
1.伊方発電所 エタノールアミン排水処理装置ガス希釈ファンの不具合について
11月2日13時10分頃、エタノールアミン排水処理装置のガス希釈ファンAにおいて、ファンの駆動輪(プーリー)が駆動軸から外れ、正常に運転できないことを保修員が確認した。
点検の結果、ファンの駆動輪と駆動軸を固定している金具が脱落し、駆動輪と駆動軸が摩耗しているのを確認した。
このため、摩耗していたファンの駆動輪などを新品に取り替え、復旧した。
- [エタノールアミン排水処理装置ガス希釈ファン]
- 2次系から排水されたエタノールアミンを排水処理装置で電気分解する際に発生する水素ガスなどを大気中に放出するためのファンで、2台設置しており、通常は2台運転している。なお、復旧までの間、エタノールアミン排水処理装置は残る1台のファンで問題なく運転した。

2.伊方2号機 原子炉容器入口管台内表面の微小な傷について
第18回定期検査中の伊方2号機において、原子炉容器入口管台溶接部のレーザピーニング工事の施工前検査を実施したところ、11月9日、入口管台Aと一次冷却材入口配管との溶接部付近の内表面に微小な傷(長さ約2oが1箇所、長さ約1oが2箇所)が確認された。なお、運転中には、一次冷却材の漏えいの徴候は認められなかった。
その後、当該箇所の超音波探傷検査を行った結果、傷は検出されないほど浅いことが確認された。このため、管台内表面から慎重に研削しながら順次内部の状況を調査した結果、内表面から約3oの深さまで達した時点で傷はすべて消滅した。
また、3箇所の傷のうち2箇所は、工場製作時において管台内部のステンレス内張り部の補修溶接を行ったと思われる痕跡部位内での傷であることが確認されたが、残りの1箇所は、傷ではなく溶接部表面のわずかなくぼみであったと考えられる。
なお、調査過程において、補修溶接の痕跡部位内に更に微小な傷が複数箇所確認されたが、当初確認された傷と同様に消滅した。

3.伊方2号機 余熱除去系統配管の傷について
11月10日、第18回定期検査中の伊方2号機において、余熱除去系統の配管取替工事のため取替範囲外にある配管を支えている構造物を取り外したところ、当該支持構造物に隠れている部分の配管にさび状のものが確認された。
このため、当該箇所の液体浸透探傷検査を実施した結果、14時30分頃、欠陥指示(最大約12o)が確認された。なお、当該箇所からの漏えいの痕跡はなかった。
その後、当該箇所の配管を切り出して調査した結果、ひび割れが確認され、ひび割れは配管表面から最大3.1oの深さまで進展していたが、当該配管の残り厚さが14.6oあり、強度上必要とされる厚さ(12.91o)を満足していることから、当該配管の強度に問題はなかった。
また、ひび割れについて、金属組織の詳細調査を行った結果、塩化物応力腐食割れによるものと推定された。

別紙2
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年10月分他)
1.伊方2号機 復水器への海水漏えいについて
- ○事 象
- 平成16年12月24日7時50分頃、通常運転中の伊方2号機において、復水器D水室内の海水の漏えいを示す電導度の上昇が確認された。
海水の漏えい量はごく微少であったことから、監視強化を行った。その後、2号機のCVケーブル予防保全工事に伴う計画停止(12月29日〜1月3日)にあわせて復水器内を確認し、漏えい箇所を特定したうえで、当該細管に施栓を行うとともに探傷検査で減肉が確認された細管32本に予防施栓を実施した。
- ○原 因
- 今回の第18回定期検査において調査を行った結果、
- 当該細管に外面から減肉・進展した微小な穴が開いていたこと
- 復水器には、二次系蒸気等のドレンを回収しており、回収ドレンの排出口が当該細管付近に設置されていること
から、原因は、二次系蒸気等のドレンを復水器に回収した際、排出口から飛散したドレンが、長年(20年以上)に亘り当該細管表面に衝突し、細管表面が徐々に減肉・進展して貫通に至ったものと推定される。
- ○対 策
-
- 第18回定期検査において、当該細管近傍の細管2本の外面で減肉が確認されたため、これらの予防施栓を実施した。
- 今後、ドレンの排出口付近の細管外面を定期検査毎に外観点検する。

2.伊方3号機 セメント固化装置脱水機の不具合について
- ○事 象
- 8月26日9時45分、通常運転中の伊方3号機において、放射性廃液を処理するセメント固化装置の異常を示す信号が発信し、同装置の脱水機が自動停止した。
- ○原 因
- 調査の結果、脱水機運転後の機内に残留する固形物が、運転後の機内洗浄で十分除去できず、機内に堆積する固形物量が徐々に増加し、脱水機が過負荷による自動停止に至ったものと推定される。
- ○対 策
-
- 脱水機の内部点検を行い、堆積していた固形物を全て取り除き、通常状態に復旧した。
- 固形物の除去効果を向上させるため、機内洗浄に使用する洗浄水の量を増加させる。
- 脱水機の運転状況が運転操作室で連続監視(電流値)できるよう設備変更した。

3.伊方1号機 安全補機開閉器室空調ファンの異音について
- ○事 象
- 10月20日15時30分頃、通常運転中の伊方1号機において、安全補機開閉器室空調装置Bのファンの軸受部から異音がしているのを保修員が確認した。このため、予備の空調装置に切り替え、当該空調装置を停止した。
その後、当該軸受部を分解点検した結果、ベアリング外輪(外周:約345o)に長さ約220oの割れが確認された。
- ○原 因
- 調査の結果、当該軸受部にファンの運転による力が加わり、軸受部の消耗品である外輪が疲労損傷し、当該軸受部から異音が発生したものと推定される。
なお、今回の事象は、当該軸受部(消耗品)の取替周期の半分程度で発生していたが、製造時の個体差により発生したものと推定される。
- ○対 策
- 当該軸受部(消耗品)を新品に取り替え、通常状態に復旧した。

戻る
Copyright(C)YONDEN
Shikoku Electric Power Co.,Inc. / Kagawa,Japan
mail to : postmaster@yonden.co.jp