平成18年1月23日
四国電力株式会社



平成18年1月  社長定例記者会見の概要

  平成18年1月23日の社長定例記者会見において、常盤社長から「LNGの調達に関する基本合意」についてご説明しました。

(はじめに)

  今冬はことのほか厳しい冷え込みが続いております。この寒さの影響により、当社の電力需要も好調に推移しております。昨年12月下旬には冬季における最大電力と一日の使用電力量の記録を更新いたしました。また、速報段階ではありますが、12月の販売電力量は対前年伸び率9.5%と久しぶりに高い伸びを示しております。
  一般的に、冷え込みの厳しい、いわゆる冬らしい冬は消費を呼び起こし、景気に好影響を与えると言われております。ようやく回復基調を辿り始めた我が国経済ですが、その足取りを確かなものにしてくれるのではないかと期待しております。

(LNG調達に関する基本合意)
(詳しくは「LNGの調達に関する基本合意について」をご覧ください。)
  当社では、既設火力の経年化対策やCOの排出削減に取り組むとともに、総合エネルギー企業としての基盤整備を図る観点から、坂出市番の州地区において、LNG導入のプロジェクトを推進しておりますが、LNGを取引するに当たっては、天然ガスの液化施設やLNG輸送船の建造などに多額の開発資金を要することから、供給側と購入側との間で長期契約を結ぶことが一般的となっております。
  当社におきましても、調達先について、多面的な検討や交渉を続けてまいりましたが、このほど、マレーシアLNG社との間で、LNGの調達に関する基本的な条件について合意に達しました。供給の安定性、経済性、さらには供給面での弾力性の観点などから、マレーシアLNG社からの提案が、当社にとって最も適切であると判断いたした次第です。去る1月20日に、当社の火力本部長である四宮常務が、クアラルンプールにおいて、マレーシアLNG社との調印式に出席し、売買意思確認書を締結いたしました。
  確認書における基本合意の具体的な内容としましては、 などであります。

  マレーシアLNG社は、「ペトロナス」というマレーシアの国営石油会社が90%を出資する、天然ガスの液化やLNGの販売を事業とするエネルギー供給会社であります。本社はカリマンタン島のサラワク州ビンツルにあり、ビンツル沖のガス田から天然ガスを採掘しております。このガスが、ビンツルLNG基地でLNGに加工された後、売り主の手配するLNG船で坂出へ運搬されることになります。
  今後は、今回の合意内容に基づき、両社間で売買の詳細条件についてさらに協議を進めてまいります。

  ここでLNGの特性について少し触れたいと思います。
  天然ガスの輸送に当たっては、日本は島国であるため、パイプラインの敷設が困難であり、一度、採掘されるガスを液化、すなわちLNGの形に変換いたします。天然ガスをマイナス162℃に冷やすと液体になり、体積は約600分の1に減少するため、専用船による輸送が容易になります。例えば、坂出に年間42万トンを購入する場合でも、6万トン級の船で輸送するため、輸送回数は7回で済みます。
  燃料としてのLNGは、産出地で液化する際に硫黄分などの不純物を取り除くため、発電時に酸性雨の原因となる硫黄酸化物が発生しないほか、CO2排出量は石油の6割、石炭の半分程度と、環境特性に優れております。また、 石油に比べ埋蔵量も多く、政情の不安定な中東地域に偏在しているということもないため、安定的な供給が望めます。
  一方、開発に要する初期投資が膨大なことから、調達にあたっては長期契約が中心となり、購入者に引取義務が生じるなど、引取面が硬直的であるという側面もあります。しかしながら、優れた特性を持ったエネルギーであることは間違いなく、今や日本の発電電力量の4分の1程度を賄うに至っています。当社では、本格運転開始後、全電力量の5%程度を占めることになりますが、新たなソースの導入により、電源の多様化がさらに進展し、より安定的な供給体制が整うことになります。
  当社としましては、平成22年の運転開始に向けて、着実にこのプロジェクトを推進してまいりたいと考えております。

(最後に)
  年の初めの会見でもありますので、この一年に臨む、私の思いを簡単に述べさせていただきます。
  ご存知のとおり、昨年4月に、小売り自由化範囲が全ての高圧のお客さまにまで拡大されるとともに、全国的な競争を促す大規模な制度改革が実施されました。こうしたなか、昨秋には、九州電力が中国電力管内のお客さまへ供給を開始するなど、電力間競争も現実のものとなりました。こうした厳しい経営環境を踏まえ、当社では昨年末、18年度上期中に電気料金を引下げることを表明いたしました。このような価格競争力の強化に加え、きめ細かな技術ソリューションなど非価格競争力の強化を一層推し進め、「需要は、自らが創造し、獲得するもの」との考えのもと、積極果敢に営業活動を展開してまいりたいと思います。
  また、本年、重点的に取り組む課題の一つとして、現在、国において安全審査が行われている伊方発電所3号機のプルサーマル計画の着実な推進がありますが、今後とも安全を最優先に、地元のご理解、ご協力を得ながら、円滑に進めてまいりたいと考えております。
  何れにしましても、厳しい時代にこそ、四電グループの一人ひとりが底力を存分に発揮できるよう、先をしっかりと見据え、的確に経営の舵を切っていかなければならないと、新年にあたり、決意を新たにした次第です。

  本日私からは以上であります。


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