平成18年7月10日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成18年6月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成18年5月分他)について

事    象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機   湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れについて
6月 5日 6月 5日
2.伊方2号機   発電機出力の低下について
6月 5日           
3.伊方発電所   地震感知について
6月 6日           
4.伊方発電所   警備員の負傷について
6月 10日 6月 11日
5.伊方発電所   地震感知について
6月 12日 6月 12日
6.伊方1号機   安全補機開閉器室空調ファンの異音について
6月 14日 6月 14日
7.伊方1号機   発電機出力の低下について
6月 27日           
事    象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機   非常用ディーゼル発電機冷却用配管からの水漏れについて
3月 22日 4月 10日
2.伊方1号機   高圧注入ポンプ出口流量検出器の不具合について
5月 13日 5月 13日

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成18年6月分)

  1. 伊方1号機  湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れについて
  2. 伊方2号機  発電機出力の低下について
  3. 伊方発電所  地震感知について
  4. 伊方発電所  警備員の負傷について
  5. 伊方発電所  地震感知について
  6. 伊方1号機  安全補機開閉器室空調ファンの異音ついて
  7. 伊方1号機  発電機出力の低下について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成18年5月分他)

  1. 伊方3号機  非常用ディーゼル発電機冷却用配管からの水漏れについて
  2. 伊方1号機  高圧注入ポンプ出口流量検出器の不具合について
以  上

別  紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成18年6月分)

1.伊方1号機  湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れについて

  伊方1号機は、通常運転中のところ、6月5日10時30分、湿分分離加熱器Bの胴体内部から異音がしているのを保修員が確認し、当該加熱器の点検を行うために11時49分発電機を解列、18時37分原子炉を停止した。
  当該加熱器については、6月7日早朝から内部の目視点検を開始し、蒸気入口付近にある蒸気整流板の溶接部に割れを確認した。

  その後の詳細調査の結果、当該蒸気整流板を製作する際に溶接部の開先角度が設計より狭く加工されていたため、整流板本体と内部プレートの溶接部に溶け込み不良が生じていたことを確認した。このため、当該溶接部の強度が不足することとなり、プラント運転中の蒸気の流れに伴う内部プレートの振動により、当該溶接部に疲労限を超える繰り返し応力が生じて割れが発生・進展したものと推定される。なお、1号機のその他の蒸気整流板については、割れは認められなかった。

  今回の対策として、当該蒸気整流板については適切に製作された新品に取り替えるとともに、1号機のその他の蒸気整流板についても十分な強度を確保するため溶接部の補強を行った。
  また、原子力発電所の運転に影響を及ぼすような重要な機器のうち、蒸気整流板と同様に蒸気や水等の流れによる力の影響を受ける内部構造物の溶接部については、今後すべて、開先検査等の検査を確実に実施しその記録を保管するよう受注者に要求するとともに、当社においてもその実施状況を確認することとする。

  さらに、1号機運転再開後、2号機を停止し、1号機と同様に製作された2号機の湿分分離加熱器についても、念のため蒸気整流板の当該溶接部の補強を実施した。
  長期的な観点から、今回補強する蒸気整流板については、1,2号機とも次回定検にて新品に取り替えることとする。

  なお、3号機の湿分分離加熱器は、1,2号機のものとは構造が異なり、蒸気整流板が設置されていないため、対策の必要はない。

[湿分分離加熱器]
  高圧タービンで使用した蒸気を低圧タービンでもう一度使えるように、蒸気の湿分を取り除き、温度を上げる設備。A、B、C、D4台設置している。

  伊方発電所1号機  湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れの原因と対策について

2.伊方2号機  発電機出力の低下について

  6月5日18時頃、通常運転中の伊方2号機において、電気出力が定格電気出力 (566MWh)未満であることを確認した。
  これは、同日、プラント停止した伊方1号機の補助設備等に、伊方2号機で発生した 蒸気を供給しているため、伊方2号機の発電のために使用できる蒸気が若干少なくなることから、電気出力が低下したもので、プラントの安全・安定運転に影響を及ぼすものではない。

3.伊方発電所  地震感知について

  6月6日23時29分頃、伊予灘を震源とした地震が発生し、伊方発電所において8ガルを観測したが、1,2,3号機に異常はなく、プラントの運転に影響はなかった。
(参考)伊方発電所の観測ガル数
  1号機 7ガル(点検停止中)
  2号機 8ガル(通常運転中)
  3号機 6ガル(定期検査中)

4.伊方発電所  警備員の負傷について

  6月10日21時45分頃、伊方3号機の事務所において、休憩中の警備員が転倒して右眉の上(約5p)を負傷し出血した。
  このため、22時45分に救急車で市立八幡浜総合病院へ搬送し、縫合処置を行った。

5.伊方発電所  地震感知について

  6月12日5時01分頃、大分県中部地方を震源とした地震が発生し、伊方発電所において24ガルを観測したが、通常運転中の伊方2号機に異常はなくプラントの運転を継続した。
【伊方発電所の状況】
  伊方1号機   22ガル(点検停止中)
  伊方2号機   21ガル(通常運転中)
  伊方3号機   24ガル(定期検査中)

  その後、伊方発電所の設備の巡視点検を行ったところ、伊方1号機の原子炉内の制御棒の位置を中央制御室で示している制御棒位置指示計の停止用制御棒位置の指示値が揺らいでいるのが確認された。
  詳細点検において、制御棒位置指示装置の信号処理回路にあるスイッチを操作したところ、指示値が正常に復帰したことから、回路内のカードの不良により指示値の揺らぎが発生し、その後のスイッチの操作で復帰したものと推定される。
  このため、カードを取り替え、16時30分、復旧した。

[停止用制御棒]
  制御棒には、通常運転中の出力、温度などの運転条件の変化に合わせて原子炉の反応度を制御する制御用の制御棒と、原子炉の自動停止等の際に制御用の制御棒と共に挿入する停止用の制御棒がある。
  伊方発電所1号機には、制御用が21本、停止用が12本設置されている。

伊方発電所1号機制御棒位置指示装置概略系統図

6.伊方1号機  安全補機開閉器室空調ファンの異音ついて

  点検停止中の伊方1号機において、6月14日10時55分頃、安全補機開閉器室の空調装置Bのファン軸受部付近から異音がしているのを保修員が確認した。このため、予備の空調装置に切り替え、当該空調装置を停止した。
  現在、原因調査を実施している。

[安全補機開閉器室空調装置]
  高圧注入ポンプ、余熱除去ポンプ等事故発生時にプラントを安全に停止させるための機器の電源スイッチを設置している部屋の換気・空調を行う装置。伊方1号機ではA・B2台設置しており、通常は1台で運転している。

安全補機開閉器室空調装置概略系統図

7.伊方1号機  発電機出力の低下について

  6月27日5時頃、通常運転中の伊方1号機において、電気出力(1時間の積算値)が定格電気出力(566MWh)未満であることを確認した。
  これは、同日、プラント停止した伊方2号機の補助設備等に、伊方1号機で発生した蒸気を供給しているため、伊方1号機の発電のために使用できる蒸気が若干少なくなること等から、電気出力が低下したもので、プラントの安全・安定運転に影響を及ぼすものではない。


別  紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成18年5月分他)

1.伊方3号機  非常用ディーゼル発電機冷却用配管からの水漏れについて

伊方3号機非常用ディーゼル発電機冷却用配管概略系統図

2.伊方1号機  高圧注入ポンプ出口流量検出器の不具合について

伊方1号機 高圧注入ライン概略系統図

 


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