平成18年12月11日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成18年11月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成18年10月分他)について
- 平成18年11月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
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11月11日 |
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11月19日 |
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- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方2号機 |
非常用ディーゼル発電機燃料油ドレン配管の不具合について |
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9月 4日 |
9月 4日 |
2.伊方1号機 |
蒸気発生器ブローダウンサンプリング配管からの2次系水の漏えいについて |
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9月14日 |
9月14日 |
3.伊方2号機 |
1次冷却材中のよう素濃度の上昇について |
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10月11日 |
10月11日 |
- 伊方1,3号機 発電機出力の変動について
- 伊方発電所 地震感知について
- 伊方2号機 非常用ディーゼル発電機燃料油ドレン配管の不具合について
- 伊方1号機 蒸気発生器ブローダウンサンプリング配管からの2次系水の漏えいについて
- 伊方2号機 1次冷却材中のよう素濃度の上昇について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成18年11月分)
11月11日2時27分頃、送電線系統の系統ショックがあり、通常運転中の伊方1,3号機の発電機出力に有意な変動が発生したが、発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はなかった。なお、伊方2号機は定期検査のため停止中であった。
この系統ショックが発生した時間帯には、四国内で落雷等はなく、近畿地方の送電線系統への落雷が発生していることから、その落雷により四国内の系統ショックが発生したものと考えられる。
参考:発電機出力の変動幅
号 機 |
発電機出力の変動幅 |
1号機 |
534MW |
〜 |
569MW |
〜 |
602MW |
(−6.2%) |
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(変動前後) |
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(+5.8%) |
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3号機 |
850MW |
〜 |
915MW |
〜 |
985MW |
(−7.3%) |
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(変動前後) |
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(+7.9%) |
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11月19日13時29分頃、豊後水道を震源とした地震が発生し、伊方発電所において6ガルを観測したが、設備に異常はなく、伊方発電所の運転に影響はなかった。
(参考)伊方発電所の観測ガル数
1号機 |
: |
5ガル(通常運転中) |
2号機 |
: |
6ガル(定期検査中) |
3号機 |
: |
6ガル(通常運転中) |
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成18年10月分他)
- 事 象
9月4日14時06分頃、通常運転中の伊方2号機において、定期試験のため非常用ディーゼル発電機Aを運転したところ、燃料供給配管に設置されている燃料油圧変動緩和装置のドレン配管の継ぎ目部から、少量の油が漏えいしていることを運転員が確認したため、当該ディーゼル発電機を停止した。
ドレン配管については折損が確認されたことから、新品に取り替え、16時45分、通常状態に復旧した。
- 原 因
調査の結果、ドレン配管は昭和63年に燃料油圧変動緩和装置を設置して以降、取り替えておらず、これまでドレン配管には当該ディーゼル発電機の運転に伴う振動による影響で繰り返し応力が加わっていたことから、疲労により折損したものと推定される。
- 折損したドレン配管を新品に取り替えるとともに、念のため、ディーゼル発電機Bの燃料油圧変動緩和装置のドレン配管も新品に取り替えた。また、1号機ディーゼル発電機の燃料油圧変動緩和装置のドレン配管についても、次回の定期検査において、新品に取り替える。
- ディーゼル発電機の運転に伴う振動の影響を低減するため、燃料油圧変動緩和装置のドレン配管に配管サポートを設置した。(1,3号機は配管サポート有り)
- ディーゼル発電機の作業要領書に燃料油圧変動緩和装置のドレン配管の外観点検を追加した。

- 事 象
9月14日11時40分頃、通常運転中の伊方1号機補助建家内において、作業員が、廃液フィルタ室入口付近で床面に水溜まりを発見した。このため、付近を調査した結果、蒸気発生器Aのブローダウンサンプリング配管の溶接部付近から2次系水が漏えいしていることを確認した。漏えいは、当該配管の上流側の弁を閉止した結果、停止した。なお、漏えい量は約40リットルと推定された。
その後、当該配管の漏えい箇所を新品に取り替え、2次系水を通水して漏えいのないことを確認し、復旧した。
- 原 因
当該部の現地溶接を行った際、当該部が狭い所にあることから作業空間が十分確保できない状況で溶接作業を行ったため、溶接不良が生じた。これにプラント運転や起動・停止時の蒸気発生器の温度・圧力変動による疲労が加わり、溶接不良部分が貫通し、漏えいに至ったものと推定される。
- 漏えい箇所の配管取替に当たっては、狭い所に適用できる自動溶接機を使用するとともに信頼性を向上させた突き合わせ溶接に変更した。
- 当該配管と同じ口径の配管で、今回と同様な使用環境下にある1,2号機のサンプリング配管の溶接部(差し込み溶接)については、今後、定期検査において、計画的に突き合わせ溶接に取り替えることとする。

- 事 象
伊方2号機は、第19回定期検査のために停止中のところ、10月11日3時10分に1次冷却材中のよう素濃度が高いことが確認された。
本事象は、燃料からの漏えいと推定されることから、1次冷却材中のよう素濃度を監視するとともに、燃料を取り出して1体毎に漏えい確認等の調査を行うこととした。
本事象に伴い、定期検査時の機器開放作業等において放射性物質が放出されたが、伊方発電所では平常時から適切に管理したうえで放出を行っており、保安規定や安全協定の目標値を十分下回っていることから、環境への放射能の影響はない。
- 原 因
燃料全数(121体)についてシッピング検査により漏えいの有無を確認した結果、燃料1体に漏えいが認められた。このため、当該燃料について外観、製造履歴、運転履歴等を確認した結果、特に問題は確認されなかったことから、当該燃料に偶発的に微少な漏えいが発生し、1次冷却材中のよう素濃度が上昇したものと推定される。
- 当該燃料については、健全な燃料に取り替える。
- 当該燃料は、再処理施設に搬出するまでの間、使用済燃料ピットに保管する。

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