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目視点検の結果、当該蒸気整流板の割れは、蒸気入口部から溶接部に沿い奥に向かって約19㎝、そこから折れ曲がり整流板本体に約16㎝、計約35㎝の連続した割れでした。
また、当該蒸気整流板については、平成18年6月に別の箇所で割れが発生した際、天板を切断位置で溶接して復旧したことから、前回工事の影響等について詳細調査を行った結果、天板復旧時の溶接による歪みで、蒸気整流板および天板が変形していることが確認されました。
さらに、割れた部分について詳細な金属調査を行った結果、破面の形状が疲労割れの特徴を示していること、および当該蒸気整流板と天板との溶接部に溶け込み不足があり、そこからき裂が発生し進展したことが確認されました。
以上の調査結果から、今回の割れは前回不具合事象復旧時の天板溶接により、蒸気整流板と天板との溶接部に大きな応力が発生していたこと、
蒸気整流板には、運転中、蒸気の流れによる高サイクルの流体加振力が作用すること、
当該溶接部は、溶け込み不足により、応力が集中しやすい形状であったことの3つの条件が重なったことにより、当該溶接部に疲労限を上回る高サイクルの振動が発生し、疲労が累積して割れが発生、進展したものと推定されます。
このため、天板の歪みを極力小さくする工法や手順を採用して、当該蒸気整流板および天板を新品に取り替えることとします。また、念のため、蒸気整流板と天板との取付部の溶接に当たり、より一層の強度向上を図る観点から、両側溶接または当て金を使用した完全溶け込み溶接を施すこととします。なお、今回取替予定の1号機の他の湿分分離加熱器の蒸気整流板については、天板を切らずに蒸気整流板のみ取り替え、念のため同様の溶接を施します。
また、事前に、実物大の模型により溶接作業の施工性を確認するとともに、溶接士の訓練を実施します。
さらに、以上の対策を踏まえ、原子力安全や運転影響の観点から重要な機器に関する溶接管理について、社内マニュアルの改訂を行うこととします。
なお、2号機については、天板を切断しない工法で取替を行うとともに蒸気入口部に廻し溶接を施しており、解析結果から同様の割れは発生しないことが確認されていること、3号機については蒸気整流板がないことから、問題はありません。
添付資料 : 伊方発電所1号機 湿分分離加熱器B蒸気整流板割れの原因と対策について (PDF-226KB)
伊方発電所1号機
湿分分離加熱器B蒸気整流板割れの原因と対策について(報告書)
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