平成19年6月11日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成19年5月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成19年4月分)について
- 平成19年5月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の8件です。これらの事象は、いずれも法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所1号機 |
タービン建家内における協力会社の作業員の負傷について |
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5月12日 |
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2.伊方発電所1号機 |
タービン建家の非常用排水ポンプBの不具合について |
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5月16日 |
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3.伊方発電所1号機 |
管理区域内での原子炉補機冷却水の漏えいについて |
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5月16日 |
5月16日 |
4.伊方発電所2号機 |
アスファルト固化装置の自動停止について |
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5月17日 |
5月18日 |
5.伊方発電所3号機 |
補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて |
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5月21日 |
5月21日 |
6.伊方発電所 |
構内駐車場における関係会社社員の負傷について |
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5月25日 |
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7.伊方発電所1号機 |
原子炉補助建家内における協力会社の作業員の負傷について |
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5月28日 |
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8.伊方発電所1号機 |
第5高圧給水加熱器Aからの2次系水の漏えいについて |
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5月31日 |
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- 平成19年4月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所1号機 |
燃料移送キャナル床面への水漏れについて |
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4月 3日 |
4月 3日 |
2.伊方発電所 |
放射線管理用計算機システムの不調について |
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4月 7日 |
5月10日 |
- 伊方発電所1号機 タービン建家内における協力会社の作業員の負傷について
- 伊方発電所1号機 タービン建家の非常用排水ポンプBの不具合について
- 伊方発電所1号機 管理区域内での原子炉補機冷却水の漏えいについて
- 伊方発電所2号機 アスファルト固化装置の自動停止について
- 伊方発電所3号機 補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて
- 伊方発電所構内駐車場における関係会社社員の負傷について
- 伊方発電所1号機 原子炉補助建家内における協力会社の作業員の負傷について
- 伊方発電所1号機 第5高圧給水加熱器Aからの2次系水の漏えいについて
- 伊方発電所1号機 燃料移送キャナル床面への水漏れについて
- 伊方発電所 放射線管理用計算機システムの不調について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成19年5月分)
5月12日9時55分頃、伊方発電所1号機タービン建家内で、タービン発電機の点検のため、発電機端カバーの組立作業を行っていた協力会社の作業員が、長さ約60cm、直径約10cm、重量約20kgのボルトナットとスペーサとの間に右手人差指をはさみ、負傷しました。
このため、直ちに、車で病院へ搬送しました。
医師による検査・診断の結果、「右示指末節骨 粉砕骨折。約3週間の安静・加療」と診断されました。
本件は管理区域外で発生した事象であり、当該作業員の放射能による被ばく、汚染はありません。
5月16日14時30分頃、第24回定期検査中の伊方発電所1号機において、保修員がタービン建家内の排水を総合排水処理装置に移送するための非常用排水ポンプBの軸を手動でまわしたところ、軸の回転が通常より重いことを確認しました。
その後の調査で、非常用排水ポンプBの軸受に摩耗による損傷および、軸に軽微な曲がりが確認されたことから、当該部を新品に取り替えて、6月5日9時20分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
本事象によるプラントの運転への影響および環境への放射能の影響はありません。
本件は、国の法律に基づく報告事象に該当する事象ではありません。

5月16日15時00分頃、第24回定期検査中の伊方発電所1号機において、格納容器4階通路の排水口(目皿)付近に水たまりがあることを保修員が確認しました。
このため、調査を実施したところ、当時、原子炉補機冷却水系統の弁点検の準備を行っており、点検対象弁の付近に溜まっていた原子炉補機冷却水(放射能を含まない水)が配管の水抜き系統から漏えいしたこと、および同系統の弁が開いていたことが確認されました。
その後、水抜き系統の弁を閉めて、漏えいは停止しました。
漏えい量は、約15リットルと推定されます。
漏えい水は分析し、放射能を含んでいないことを確認した後、全て回収し、廃棄物として処理しました。
- [原子炉補機冷却水系統]
- 1次系のポンプ、空調機器等の冷却のための水を供給する系統。

5月17日18時35分頃、通常運転中の伊方発電所2号機において、アスファルト固化装置の異常を示す警報が発信し、同装置が自動停止しました。
現場確認の結果、アスファルト混和機の軸封部からアスファルトを出さないために運転している軸封油循環ポンプBから異音がしていたため、同ポンプを手動停止し、予備機である軸封油循環ポンプAを起動しました。
その後の調査結果から、軸封油循環ポンプBに異常はなく、同ポンプ入口のストレーナに粘着性の不純物が確認されました。
このため、当該ストレーナおよび軸封油系統の点検・清掃を行い、軸封油を交換したうえで、当該ポンプおよびアスファルト固化装置の試運転を行い、5月30日10時00分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- [アスファルト固化装置]
- アスファルト固化装置は、機器の分解点検等に伴い発生するプラント廃液や作業衣の洗濯排水等の低レベル放射性廃液をアスファルトと混合して固化処理する装置。
- [軸封油循環ポンプ]
- 低レベル放射性廃液とアスファルトを混ぜるためのアスファルト混和機の回転軸からアスファルト混合物が漏れ出すのを防止するため、混和機の軸受部に油を供給するポンプ。2台設置しており、1台は運転、1台は予備としている。

5月21日0時45分頃、通常運転中の伊方発電所3号機において、原子炉補助建屋内で補助蒸気ドレン配管から水が漏えいし、当該配管の保温を外したところ、貫通穴(約3㎜×約1㎜)が1箇所あることを運転員が確認しました。当該配管を隔離した結果、水の漏えいは停止しました。
その後、当該部の配管を切り取り、従来の炭素鋼より耐食性に優れたステンレス鋼の配管に取り替えて、5月30日10時30分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
(参考)
- ○補助蒸気
- 廃液蒸発装置などの付属設備に供給するため、スチームコンバータで2次系蒸気を利用して水を加熱し、発生させた蒸気。

5月25日14時30分頃、伊方発電所構内の駐車場(管理区域外)において、当社関係会社の社員が、車から降りて歩行中のところ、電線管支持金物の角に接触し、右足首付近を負傷しました。
このため、直ちに、産業医による応急処置を受けた後、関係会社の社有車で病院に搬送しました。
医師による検査・診断の結果、「下腿切創」と診断され、縫合処置を行いました。
本件は管理区域外で発生した事象であり、当該社員の放射能による被ばく、汚染はありません。
5月28日15時30分頃、第24回定期検査中の伊方発電所1号機において、協力会社の作業員が原子炉補助建家内の工具庫にてハサミの手入れをしていたところ、誤ってハサミで右手人差し指を負傷しました。
このため、絆創膏で止血しましたが、その後、痛みが増してきたため、18時30分頃、車で病院へ搬送しました。
医師による検査・診断の結果、「右示指切創」と診断され、縫合処置を行いました。
当該作業員の放射能による被ばく、汚染はありません。
5月31日15時30分頃、第24回定期検査中の伊方発電所1号機において、第5高圧給水加熱器1Aの水張りを実施していたところ、同加熱器のマンホール部から2次系水が漏れていることを運転員が確認しました。
このため水張り作業を中断し、水漏れは停止しました。
漏えい量は、約400リットルと推定されます。
当該マンホールを開放して点検した結果、マンホールのシール部品がずれていることが確認されたため、手直しを行って組み立てた後、6月5日9時00分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
本事象によるプラントの運転への影響および環境への放射能の影響はありません。
本件は、国の法律に基づく報告事象に該当する事象ではありません。

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成19年4月分)
- 事 象
4月3日10時00分頃、通常運転中の伊方発電所1号機において、燃料移送用水路(キャナル)の底面に水が溜まっていることを保修員が発見しました。
調査の結果、冷却材貯蔵タンク循環ポンプ出口ラインから燃料移送用水路につながっている系統の弁にシートリークがあり、かつその下流の弁が点検のために開となっていたことにより、冷却材貯蔵タンク循環ポンプを運転した際に、冷却材貯蔵タンク水が漏れたものと思われます。冷却材貯蔵タンク循環ポンプを停止するとともに、下流の弁を閉とした結果、漏出は停止しました。
その後、シートリークした弁について、点検および手入れを行い、漏えいがないことを確認し、5月16日18時30分、通常状態に復旧しました。
- 原 因
当該弁について分解点検した結果、弁体、弁座および弁棒に損傷等の異常がなかったことから、弁体と弁座の間にゴミなどが噛み込み、シート部に微細なすきまが生じたことにより、漏えいが発生したものと推定されます。
- 当該弁について、弁体および弁座等の手入れを行った後に復旧しました。また、水張りを実施し、冷却材貯蔵タンク循環ポンプを起動した状態で、漏えいがないことを確認しました。
- 本事象を踏まえ、従来から実施している機器開放点検時の異物混入防止対策、内部清掃・最終確認時の異物確認を徹底するように関係者に周知する。


- 事 象
4月7日15時30分頃、伊方発電所において、愛媛県、伊方町および当社のホームページに発電機の出力や野外モニタなどのデータを伝送している放射線管理用計算機の機能に異常が発生していることを放射線管理員が確認しました。
調査の結果、2系統ある放射線管理用計算機のうち、主系計算機のデータ記録装置用の電源ユニットが不調だったことから、データが送信できなくなっていたことが判明しました。このため、当該ユニットを予備品に取り替えて、データが正常に送信できていることを確認し、4月9日14時30分、通常状態に復旧しました。
また、本事象においては、主系計算機から従系計算機へ自動で切り替わらなかったことから調査を実施しました。
なお、運転監視に用いるデータは放射線管理用計算機を通さず、中央制御室にある監視計器に直接送られており、本事象によるプラントへの影響はありませんでした。
- 原 因
データ記録装置の電源ユニットの不調については、電源ユニットを構成する電子部品の経年劣化が発端で発生したものと推定されます。
また、主系計算機の異常時には、主系計算機がデータ記録装置から自動切替用のプログラムを読み込み、従系に切り替わるシステムであるが、今回の事象のようにデータ記録装置自体が電源ユニットの不調により機能喪失していた場合は、自動切替用のプログラムを読み込むことができず、主系計算機から従系計算機に自動切替がされないことが判明しました。
- データ記録装置の電源ユニットを予備品と交換しました。
- データ記録装置が機能喪失した場合でも、放射線管理用計算機の系が自動で切り替わるよう、システムの変更を実施します。
なお、システムの変更は、平成19年7月中旬を目途に実施予定です。

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