平成19年10月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成19年9月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成19年8月分)について
- 平成19年9月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。これらの事象は、いずれも法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所3号機 |
屋外薬品タンクの漏えいについて |
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9月13日 |
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2.伊方発電所3号機 |
燃料集合体支持格子の一部損傷について |
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9月15日 |
9月15日 |
3.伊方発電所3号機 |
管理区域内での純水の漏えいについて |
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9月26日 |
9月26日 |
- 平成19年8月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所1号機 |
中間領域中性子束検出器の信号処理ユニットの不調について |
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8月 3日 |
9月10日 |
2.伊方発電所2号機 |
アスファルト固化装置補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて |
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8月 6日 |
8月 6日 |
3.伊方発電所3号機 |
第6高圧給水加熱器B水位制御異常について |
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8月11日 |
9月10日 |
4.伊方発電所3号機 |
送電線保護リレー装置の不具合について |
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8月21日 |
9月10日 |
5.伊方発電所2号機 |
安全補機開閉器室空調ユニットAヒータ制御弁開固着について |
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8月22日 |
9月10日 |
- 伊方発電所3号機 屋外薬品タンクの漏えいについて
- 伊方発電所3号機 燃料集合体支持格子の一部損傷について
- 伊方発電所3号機 管理区域内での純水の漏えいについて
- 伊方発電所1号機 中間領域中性子束検出器の信号処理ユニットの不調について
- 伊方発電所2号機 アスファルト固化装置補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて
- 伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器B水位制御異常について
- 伊方発電所3号機 送電線保護リレー装置の不具合について
- 伊方発電所2号機 安全補機開閉器室空調ユニットAヒータ制御弁開固着について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成19年9月分)
9月13日10時40分頃、第10回定期検査中の伊方発電所3号機において、屋外に設置してあるヒドラジン原液タンクの点検のため、同タンクから仮設受入容器へのヒドラジン抜き取り作業を行っていたところ、ヒドラジンが仮設受入容器から道路上に溢れ、一部が側溝へ流れ込みました。漏えい量は約20リットルと推定されました。
このため、直ちに抜き取り作業を中断し、漏れたヒドラジンを紙ウエスで拭き取りました。海への漏えいはありません。
(参考)
- ○ヒドラジン
- 2次系配管・機器の腐食防止のため水質調整に使用している薬品

9月15日18時55分頃、第10回定期検査中の伊方発電所3号機において、燃料取り出し中のところ、原子炉から取り出した燃料集合体(以下「燃料」という)1体において、燃料棒を束ねている9段の支持格子のうち下部から3段目の一部が欠けていることを水中カメラで確認しました。
その後、当該燃料の最下段の支持格子に、欠損した破片らしきものがひっかかっていたことから、回収して寸法・形状の照合を行った結果、3段目の支持格子の欠損部(ガイドベーン)と一致することを確認しました。また、取り出した157体の燃料全数について点検を行った結果、当該燃料を除く156体に異常は認められませんでした。
原因調査の結果、
- 第8回定期検査の燃料取出時に、当該燃料が隣接する燃料と干渉し、支持格子どうしのかみ込みが生じて支持格子のガイドベーンにわずかな変形が生じ、第9回定期検査の燃料装荷時に、当該ガイドベーンが、燃料を囲むバッフル板と干渉してガイドベーン外面に亀裂が発生した
- その後、第10回定期検査の燃料取出時に、当該ガイドベーンがバッフル板と干渉して亀裂が発生していた部位が破断し、さらに燃料コンテナに当該燃料を挿入して使用済燃料プールへ移送するために横倒しした際に、当該ガイドベーンが燃料コンテナ壁面と干渉して完全に破断して脱落した
ものと推定されました。
このため、今後は、燃料の取出・装荷時に隣接する燃料の支持格子のかみ込みを避けるため、燃料の周囲4面のうち1面または2面が他の燃料と接する場合は、隣接する燃料から離れた位置で燃料を取り扱うこととします。また、離れた位置で燃料を取り扱うことができない場合は、燃料の3面以上が接しておれば水平方向の動きが拘束されて隣接する燃料の支持格子どうしが干渉してかみ込むことはないので、ガイド工具を使用して3面以上が接する状態にして取り扱うこととします。この旨を作業要領書に明記します。
今後、万一、支持格子に変形が認められた場合には、装荷状態、運転状態の評価に加えて燃料の取出・装荷時の取扱いの評価を行い、再使用可否の判断を行うこととします。
損傷した当該燃料については、再使用しないこととします。
- 本件に関しては、原因と対策を取り纏めた報告書を10月1日、愛媛県および伊方町に提出しています。
伊方発電所3号機 燃料集合体支持格子の一部損傷の原因と対策について
9月26日11時50分頃、第10回定期検査中の伊方発電所3号機において、原子炉建屋1階の通路部で純水が漏えいしたことを運転員が確認しました。漏えい量は、約1.4m3と推定されます。
調査の結果、当時、原子炉補機冷却水系統にある電動弁の開閉試験を行った際、電動弁上流部に純水が溜まっていた状態で電動弁を開いたため、純水が下流に流れて、点検中(分解は9月24日に実施済み)の手動弁から漏えいしたものと推定されます。純水が溜まっていた原因は、現在調査中です。
漏えい水に放射能は含まれておらず、本事象による外部への放射能の放出はありませんでした。なお、漏えい水は全て回収しており、廃棄物として処理しました。
(参考)
- ○原子炉補機冷却水系統
- 1次系のポンプ、空調機器等の冷却のための冷水を供給する系統

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成19年8月分)
- 事 象
8月3日18時54分、通常運転中の伊方発電所1号機において、中央制御室内で中間領域中性子束検出器の異常を示す信号が発信しました。
点検の結果、2系統ある検出回路のうち1系統の信号処理ユニットの不具合により、指示計が正常な中性子量を示さなかったことが確認されました。
このため、当該系統の信号処理ユニットを取り替えて、8月4日9時30分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 当該ユニットを予備品と取り替え、健全性を確認し、復旧しました。
- 今後とも当該ユニットの予備品を常備します。
(参考)
- ○中間領域中性子束検出器
- 主に原子炉起動時から原子炉出力約10%までの原子炉の中性子量を測る計器

- 事 象
8月6日2時51分頃、通常運転中の伊方発電所2号機において、原子炉補助建家内のアスファルト固化装置補助蒸気配管から2次系水が漏えいしていることを運転員が確認しました。このため、当該配管を隔離し、漏えいは停止しました。漏えい量は、約50リットルと推定されました。
点検の結果、微小な貫通穴(約1mm×約2mm)が1箇所確認されたため、当該部分の配管を取り替えて、8月20日10時50分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 原 因
本事象の原因は、当該部の配管が45度の角度で接続された曲がり部近傍であり、上流側配管と接続部等の構造上不連続な部分で乱流が生じ、ドレンが衝突することにより、配管が徐々に減肉し、貫通に至ったものと推定されました。
- 当該配管を切断し、従来の炭素鋼より耐食性に優れたステンレス配管に取り替えました。
- 伊方発電所1・2号機の付属設備本体に含まれる補助蒸気系統のドレン配管のうち、減肉が生じる可能性がある範囲のステンレス配管への取替ができていない箇所について、今後計画的に取り替えます。また、伊方発電所3号機についても同様な箇所について、第11回定検から計画的に取り替えます。

- 事 象
8月11日17時30分、通常運転中の伊方発電所3号機において、第6高圧給水加熱器Bの水位制御機能が不調であることを運転員が確認しました。
点検の結果、水位制御装置の水位の調節器に不具合があることが判明したため、同日、当該調節器を予備品に取り替えて、8月13日10時30分、水位制御機能に異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 原 因
本事象の原因は、調節器内の平衡指示計を組み立てた際、基板が変形して、シール面とシール用のボールの間にすき間が生じて、自動及び手動の信号圧がほぼ均等状態の時に、十分なシールができなくなって、空気が漏れ、制御弁への異常な制御信号が発生し、水位が変動したものと推定されました。
- 当該調節器を予備品と取り替え、健全性を確認し、復旧しました。
- 運転中の故障に対応するため、今後とも調節器の予備品を常備します。
- 調節器の点検時に、平衡指示計空気もれ確認試験を行うこと、また、組立時に無理な力で取り付け基板を変形させないよう、これらを作業要領書に反映するとともに関係者に周知します。
- 伊方発電所1,2,3号機の同型式調節器について至近の定期検査で空気もれ確認試験を行います。
- 今後、自動制御時は、手動信号の設定圧力を0kPaに設定します。

- 事 象
8月21日16時40分、伊方発電所3号機の送電線保護のために設置している主保護リレー装置の故障を示す信号が発信しました。
点検の結果、主保護リレー装置A内にある整定カードの不調により異常を示す信号が発信したものと推定されたため、当該カードの取替を行い、8月23日10時30分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 当該カードを新品に取り替え、健全性を確認し、復旧しました。
- 今後とも送電線保護リレー装置における保守・連絡体制を維持し、迅速な対応に努めます。
(参考)
- ○主保護リレー
- 送電線保護リレーは、落雷等による事故時、送電線の異常を検出し保護(事故箇所をしゃ断)するもので、主装置と後備の保護リレーが2系統設置されている。
- ○整定カード
- 送電線事故時の動作判定値など各種整定値を設定しているカード

- 事 象
8月22日10時45分頃、通常運転中の伊方発電所2号機において、安全補機開閉器室空調ユニットAのヒータ制御弁が、当該弁の開度要求信号が0%であるにもかかわらず、60%開の状態になっていることを保修員が確認しました。
このため、予備の空調装置Bに切り替え、当該空調装置を停止しました。
点検の結果、当該制御弁の弁棒と摺動部からの漏えいを防止するためのグランド(グランドパッキンを押さえる部品)が固着していることが確認されました。このため、弁棒の手入れを行うとともに、グランドを取り替えて、8月24日 11時40分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 原 因
本事象の原因は、当該弁にグランドリークが発生した際に、グランド部に水分がたまって、腐食が発生しやすい環境となり、腐食により発生した異物および腐食により表面が荒れた弁棒との摺動に伴い発生したグランドパッキンの摩耗片が弁棒とグランドパッキンの隙間に進入し、すき間が閉塞したため固着したと推定されました。
- 当該弁については、弁棒の手入れを行い、グランドパッキンおよびグランドを取り替えました。なお、グランドについては、異物による固着が発生しにくい構造のものに取り替えました。
- 次回定検にて当該弁の分解点検を行い、弁体を含めた弁棒の取替を行います。
- 当該弁と同型式の弁3台について動作状況の確認、弁棒の目視確認、グランドリークの有無確認を行いました。また、次回定検にて、異物による固着が発生しにくい構造のグランドに取り替えます。なお、伊方発電所1、3号機については、当該弁と同型式の弁はありません。
(参考)
- ○安全補機開閉器室空調ユニット
- 高圧注入ポンプ、余熱除去ポンプ等事故発生時にプラントを安全に停止させるための機器への電源スイッチを設置している部屋の換気・空調を行う装置。伊方発電所2号機ではA・B2台設置しており、通常は1台で運転している。

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