平成20年5月12日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成20年4月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成20年3月分他)について
- 平成20年4月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。本事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所2号機 |
主給水配管の外周コンクリート壁貫通部冷却用水漏れについて |
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4月 7日 |
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4月 8日 |
4月 9日 |
3.伊方発電所1号機 |
湿分分離加熱器蒸気噴出口溶接部の割れについて |
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4月30日 |
4月30日 |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
1.伊方発電所2号機 |
原子炉補機冷却水ポンプ入口弁カバーのひび割れについて |
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2月14日 |
2月15日 |
2.伊方発電所1号機 |
非常用ディーゼル発電機シリンダ注油器の不具合について |
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2月29日 |
2月29日 |
3.伊方発電所1号機 |
制御用空気圧縮機の不調について |
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3月20日 |
4月10日 |
4.伊方発電所 |
エタノールアミン排水処理装置ガス吸収塔排気管からの水漏れについて |
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3月26日 |
4月10日 |
- 伊方発電所2号機 主給水配管の外周コンクリート壁貫通部冷却用水漏れについて
- 伊方発電所 雑固体焼却設備の不具合について
- 伊方発電所1号機 湿分分離加熱器蒸気噴出口溶接部の割れについて
- 伊方発電所2号機 原子炉補機冷却水ポンプ入口弁カバーのひび割れについて
- 伊方発電所1号機 非常用ディーゼル発電機シリンダ注油器の不具合について
- 伊方発電所1号機 制御用空気圧縮機の不調について
- 伊方発電所 エタノールアミン排水処理装置ガス吸収塔排気管からの水漏れについて
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成20年4月分)
4月7日10時50分、第20回定期検査における調整運転中の伊方発電所2号機において、主蒸気管室B内にある主給水配管壁貫通部の配管支持構造物を冷却する冷却水(原子炉補機冷却水)配管付近からわずかな水漏れがあることを保修員が確認しました。
調査の結果、当該冷却水の漏えいであることを確認しました。このため、原子炉補機冷却水系統を隔離し、漏えいが停止しました。
現在、引き続き原因調査中です。

(印刷用) 伊方発電所2号機 主給水配管の原子炉格納容器貫通部概略図 (PDF-24KB)
伊方発電所雑固体焼却設備において、焼却炉で雑固体を焼却した際に排ガスを排気筒へ導く排ガスブロアの運転中に軸受部の振動が通常より若干大きくなっていることを確認したことから、焼却炉の停止にあわせて、4月8日、原因調査のため軸受部を分解して目視点検を実施したところ、同日18時15分頃、当該排ガスブロアに2箇所ある軸受の金属内表面に傷(モータ側軸受下部:約3㎝程度、軸端側軸受下部:約1.5㎝程度)があることを保修員が確認しました。
現在、引き続き原因調査中です。

(印刷用) 伊方発電所 雑固体焼却設備概略図 (PDF-17KB)
4月30日10時40分、第25回定期検査中の伊方発電所1号機において、2号機の前回定期検査時に確認された湿分分離加熱器内の溶接部割れ事象の対策として、同設備の総点検を実施していたところ、目視にて、点検対象箇所である蒸気噴出口の溶接部のうち、湿分分離加熱器Aの蒸気入口から3番目のものに割れが確認されました。
その後、上記以外のすべての蒸気噴出口(79個)について溶接部の浸透探傷検査などを行ったところ、湿分分離加熱器Aの1個(蒸気入口から4番目の蒸気噴出口に2箇所)、B・Cの各1個(ともに蒸気入口から3番目の蒸気噴出口でBに2箇所、Cに1箇所)の合計3個に5箇所の割れがあることが確認されました。
現在、当該蒸気噴出口を工場に搬出し、引き続き原因調査中です。

(印刷用) 伊方発電所1号機 湿分分離加熱器まわり系統概略図 (PDF-35KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成20年3月分他)
- 事 象
2月14日17時50分頃、定期検査中の伊方発電所2号機において、原子炉補機冷却水ポンプB入口弁の駆動部カバーにひび割れがあることを保修員が確認しました。
その後、当該カバーの円周方向に約35cmの割れが2箇所確認されたことから、新品のカバーに取り替えて、2月22日14時00分、通常状態に復旧しました。
- 原 因
調査の結果より、
- 駆動部の内部構成部品に異常は認められなかった
- 点検に伴う隔離操作のため当該弁を2名で閉操作および増し締めを行った
- 割れの破面は脆性的な破壊のものであり、弁操作時に応力が集中する箇所より割れが発生していた
ことから、2名による弁閉操作時に過大な締め付け力が駆動部上方への反力として作用し、応力集中部となる箇所を起点として、駆動部カバーにひび割れが生じたものと推定されました。
- 当該弁の駆動部を新品に取り替えました。
- 伊方発電所の全号機の同型弁駆動部を目視点検し、問題のないことを確認しました。
- 伊方発電所の全号機の同型弁について、最後の締め付けは1人で実施し、操作後は駆動部全体を確認する旨の注意銘板を取り付けます。

(印刷用) 伊方発電所2号機 原子炉補機冷却水系統概略図 (PDF-20KB)
- 事 象
2月29日9時10分、通常運転中の伊方発電所1号機において、非常用ディーゼル発電機の定期点検を行っていたところ、ディーゼル発電機Aのシリンダ注油器の油の流れを示す40個ある指示計(インジケータ)の1個の指示に異常があることを保修員が確認しました。
このため、当該ディーゼル発電機を隔離して点検を行い、当該指示計を予備品に取り替えて、発電機の起動試験により注油器が正常に作動することを確認のうえ、同日11時58分、通常状態に復旧しました。
- 原 因
調査の結果、当該シリンダ注油器ポンプの逆止弁機能の部品である吐出口鋼球と吐出口シート面との接触面が、長期間の接触の繰り返しにより摩耗し細かい傷が発生することにより、逆止弁としてのシール性能が劣化したため、シリンダ油サービスタンクとの位置差による油の流れが生じ、インジケータ内の鋼球が上昇したものと推定されました。
- 当該シリンダ注油器ポンプ構成部品一式を予備品と取り替えました。
- 今後、伊方発電所の全号機について、毎定期検査時に当該逆止弁の漏えい試験を新たに実施するとともに、シリンダ注油器ポンプの分解点検時には、インジケータ部も分解点検する。それらの結果をもとにインジケータ取替の要否を判断することとし、その旨を作業要領書に反映します。

(印刷用) 伊方発電所1号機 非常用ディーゼル発電機潤滑油系統概略図 (PDF-21KB)
- 事 象
3月20日9時10分、通常運転中の伊方発電所1号機において、制御用空気の圧力低下を示す警報が発信し、予備の制御用空気圧縮機Bが自動起動しました。このため、運転中であった制御用空気圧縮機Aを現地で確認したところ、同日10時22分、負荷運転と無負荷運転を切り替える制御機能に異常があることを保修員が確認しました。
その後、運転状態を制御する電磁弁が不調であることが確認されたため、当該電磁弁を新品に取り替え、3月21日9時30分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 原 因
調査の結果、当該電磁弁の内部に、前回の取替以降の繰り返し作動(約80秒に1回動作)によってわずかな摺動傷が発生し、負荷運転への電磁弁切替時にその傷が引っかかり、当該電磁弁が中間位置となったため、制御用空気だめ側、圧縮機側および大気側の3つの経路が開状態で保持されたものと推定されました。このため、圧縮機からの空気の逃げ道ができ、正常に空気を圧縮できなくなったことから、制御用空気の圧力低警報が発信し、予備機が自動起動したものと推定されました。
- 当該電磁弁を新品に取り替えました。
- 当該電磁弁の取替周期を2定期検査毎から定期検査毎に変更します。
- 伊方発電所の全号機において、至近の定期検査にて、電磁弁の予備回路を設置し、電磁弁の動作不良時には予備側の電磁弁に手動で切替できるように改造します。
- 今後とも電磁弁を予備品として常備します。

(印刷用) 伊方発電所1号機 制御用空気圧縮機系統概略図 (PDF-18KB)
- 事 象
3月26日19時51分頃、伊方発電所において、エタノールアミン排水処理装置のガス吸収塔排気管のつなぎ目付近から、少量の水が漏れていることを運転員が確認しました。このため、当該排気管のドレン弁を開け、配管内の水を床排水ピットへ回収し、漏えいは停止しました。
その後、当該配管に貫通した長さ約90mmの割れと、配管内面側に貫通していない長さ約50mmの割れが認められたことから、当該割れ部を補修し、3月31日13時30分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
- 原 因
調査の結果、ガス吸収塔内の塩素系ガスを吸着除去するためのシャワーリング水の湿分が、排気とともに当該排気管に運ばれ、運転時間の経過とともに水平配管内に水が溜まり、その溜まり水の重量と、下流側の垂直配管の重量が水平配管の当該部に局部的に加わったことから、当該部に変形(へこみ)及び割れが生じ、漏えいに至ったものと推定されました。
- 当該排気管の割れ部について、溶接補修を実施しました。また、溶接補修部及び変形(へこみ)部に荷重が加わらないように、水平配管を回転させて復旧しました。(※1)
- 下流側の垂直配管の重量が、水平配管に加わることを軽減するよう、垂直配管に垂直方向の荷重を支持するサポートを1箇所追設しました。(※2)
また、当該水平配管の下流側サポート支持部については、局部的な荷重が加わらないように補強板を追設しました。(※3)
- 当該排気管の水平配管内に水が溜まらないよう、排気管ドレンラインにUシール部を設けて、排気管ドレン弁を常時「開」運用としました。(※4)

(印刷用) 伊方発電所 エタノールアミン排水処理装置概略図 (PDF-22KB)

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