平成21年07月17日
四国電力株式会社

四国の経済状況および当社の主な経営課題とその取り組み状況について

1.最近の四国経済の動向について

(1)主要経済指標の推移

四国の景気は依然厳しいものの、生産活動など一部に下げ止まりの兆しも窺えます。

主要経済指標の推移の表

(2)企業経営者の景況感

○四国経済連合会「景気動向調査」

景気が「低迷・底ばい」または「下降」と答えた企業の割合

景気が「低迷・底ばい」または「下降」と答えた企業の割合

○日本銀行「短観」

業況判断DI=「良い」とする企業の構成比-「悪い」とする企業の構成比

業況判断DIのグラフ

(3)大口電力の産業別対前年伸び率

大口電力需要については、一部の業種でマイナス幅が縮小してきているものの、6月の速報値も依然2桁のマイナスとなるなど、厳しい状況が続いております。

大口電力の対前年伸び率のグラフ

 大口電力の産業別対前年伸び率の表

(注)日本標準産業分類の改訂に伴い、平成21年4月分から、従来「化学」に計上していた「化学繊維」の実績を「繊維」に計上することとなった。

2.当社の主な経営課題について

(1)中期経営構想の進捗状況

2006~2010年度を対象とした中期経営構想の数値目標については、目標達成に向け順調に推移しております。

-

目標

2008年度実績

ROA
[総資産営業利益率]
(連結)

4.0%以上
(2006~2010年度平均)

3.8%

自己資本比率
(連結)

25~30%
(2010年度までの各年度末)

27.1%

電力販売拡大

10億kWh
(2006~2010年度の5年間累計)

6.8億kWh
(2006~2008年度累計実績)

(2)主な経営課題への取り組み状況について

【1】原子力の着実な推進

  1. プルサーマル計画について

本年5月27日には、伊方発電所へのMOX燃料搬入を完了。来年1月から開始予定の伊方3号機の定期検査期間中におけるMOX燃料装荷に向けて、諸準備を進めております。

(主要経緯)

2004年 5月10日:愛媛県・伊方町へ事前協議申し入れ

 〃  11月 1日:愛媛県・伊方町が原子炉設置変更許可の申請了解

           原子炉設置変更許可申請  

2006年 3月28日:経済産業大臣が原子炉設置変更許可

 〃   10月13日:愛媛県・伊方町が事前了解

 〃   11月28日:三菱重工業(株)とMOX燃料加工契約を締結

2008年 9月24日:MOX燃料の製造終了

2009年 3月 5日:MOX燃料輸送船が仏国を出発

    5月27日:伊方発電所にMOX燃料搬入

    7月15日:輸入燃料体検査合格、工事計画認可

  1. 1、2号機の中央制御盤等取替工事

伊方発電所1、2号機の中央制御盤や原子炉制御装置につきましては、今回の定期検査(1号機:平成21年3月~8月、2号機:平成21年2月~7月)において、最新の技術を取り入れたフルデジタル式の制御盤、制御装置に取替える工事を実施いたしました。既存の加圧水型軽水炉でアナログ式からフルデジタル式への取替え工事は、国内で初めてとなります。

現在は、1、2号機とも送電を開始し、試運転を行っているところですが、大きな問題もなく、順調な稼動を続けております。

今回の取替えにともない、操作性・保守性の向上が期待でき、伊方発電所の安全・安定運転のより一層の向上に資することとなります。

【2】LNG導入プロジェクト

当社は、既設火力の経年化対策やCO2排出削減対策、ならびに総合エネルギー企業としての基盤整備を図る観点から、香川県坂出市にLNG基地を建設し、当社の坂出発電所にLNGを導入する計画を進めています。

  1.  LNG基地
  • LNG基地は、2007年1月から本格的な工事を開始し、現在、主要機器の据付工事や配管工事などをほぼ完了しました。今後、機器毎の確認試験を順次行っていきます。(6月末の工事進捗率は約85%。)
  • 来年1月にLNG第1船目を受け入れ、3月末に運用を開始する予定です。
  1.  坂出発電所
  • 坂出発電所1号機は、燃料を石油・コークス炉ガスから天然ガスに変更し、発電効率の高いコンバインドサイクル発電設備(29.6万kW)へリプレースする計画で、来年4月より試運転を開始し、8月の営業運転開始を目指しています。昨年1月に新設工事を開始し、本年5月にはガスタービン・発電機等の主要設備の搬入を実施しました。
  • 坂出発電所4号機は、燃焼装置を石油用から天然ガス用に改造する計画で、来年1月から試運転を行い、同年3月末の運転開始を目指しています。本年5月に土木建築工事に着手したところです。
  • 坂出発電所のLNG導入工事の6月末時点の進捗率は約53%。 
  1. LNGの販売
  • LNGの販売については、10万トン超の販売を目指して事業を展開しており、四国ガス(株)への卸供給と大口販売を合わせ、2011年度には目標を達成できる見込みとなっております。 

【3】地球温暖化問題への対応 

当社は、地球温暖化などの環境問題を経営の最重要課題として捉え、低炭素社会の実現に向けたあらゆる対策に取り組んでいます。

具体的には、電力供給面での対策として、原子力の安全・安定運転の継続やLNGの導入推進を始め、発電・輸送効率の向上、西条発電所への木質バイオマス混焼の本格導入、松山太陽光発電所の増設などに取り組んでいます。

電力需要面での対策は、お客さまへの省エネ情報の提供、ヒートポンプやエコキュートの普及拡大などに取り組んでいます。 

2008年度のCO2排出量は1,085万トン、排出原単位で0.378kg-CO2/kWhとなり、1990年度に比べると約7%の低減となっております。

これにCO2排出削減クレジットを反映した結果、2008~2012年度を対象とした当社目標レベルである0.326kg-CO2/kWhを達成しました。

-

1990(H2)【基準】

2008(H20)

排出量
(万t-CO2

825

1,085
[937]

排出原単位
(kg-CO2/kWh)

0.408

0.378
[0.326]

対1990年度比

-

▲7%
[▲20%]

 [ ] CO2排出削減クレジット反映後の値

以    上

 


【参考1】電力販売拡大の内訳
[販売拡大実績の推移]

目標:10億kWh(2006~2010年度の5年間累計)※2006~2008年度の累計6.8億kWh(目標進捗率68%)

販売拡大実績の推移

 ○電化住宅採用戸数の推移(増加累計戸数)

目標:10万戸増加(2006~2010年度の5年間累計)※2006~2008年度の累計8.2万戸増加(目標進捗率82%)

電化住宅採用戸数の推移(増加累計戸数) 

○業務用電化開発容量の推移

目標:10万kW増加(2006~2010年度の5年間累計)※2006~2008年度の累計9.9万kW増加(目標進捗率99%)

業務用電化開発容量の推移

 【参考2】エコキュート設置口数の推移

エコキュート設置口数の推移

【参考3】伊方発電所2号機新中央制御盤

 伊方発電所2号機新中央制御盤

【参考4】坂出LNG導入工事進捗状況

1号機リプレース工事施工状況1号機リプレース工事施工状況

LNGタンク工事施工状況
LNGタンク工事施工状況





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