伊方発電所3号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力89万キロワット)において、通常運転中の平成21年11月19日、1次冷却材中のキセノン133の濃度が通常の5倍程度に上昇していることを確認し、1月7日には、第12回定期検査のための停止操作中に1次冷却材中のよう素131濃度が通常より高い(約0.5ベクレル/cm3)ことが確認されました。
このため、燃料からの漏えいがあるものと推定されたことから、燃料集合体を取り出し、燃料集合体全数(157体)について漏えい燃料の特定調査(シッピング検査)を実施した結果、燃料集合体1体に漏えいが確認されました。
なお、今回のよう素131濃度の値は、保安規定の運転上の制限値(3.2×104ベクレル/cm3)を十分下回っており、また、本事象による環境への放射能の影響はありませんでした。
(1月22日までにお知らせ済み)
その後、当該燃料集合体の調査により漏えい燃料棒1本が特定され、当該燃料棒の第1支持格子内において、支持板やばね板との間に隙間等が確認されました。
調査の結果、今回の燃料集合体からの放射性物質の漏えいは、当該箇所において、当該燃料固有の何らかの要因により燃料棒の微小な振動による燃料被覆管の摩耗が進展し、燃料棒に微小孔(ピンホール)が生じたものと推定しました。
このため、漏えいが認められた燃料集合体は再使用しないこととし、同一時期に製造された燃料集合体についても、念のため使用を見合わせることとします。
また、燃料からの漏えいの有無は1次冷却材中のよう素濃度を監視することによって検知することが可能であることから、今後とも、よう素濃度が原子炉施設保安規定に定める運転上の制限を十分下回っていることを、監視していくこととします。