平成22年04月12日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成22年3月分)および
通報連絡事象に係る報告書(平成22年2月分)の提出について

  •   平成22年3月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の6件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所3号機   湿分分離加熱器加熱蒸気配管のドレン受けからの蒸気漏れについて
3月 5日 3月 5日
2.伊方発電所1号機   発電機出力の変動について
3月10日 -
3.伊方発電所3号機における作業員の負傷について
3月11日 -
4.伊方発電所2号機   低圧給水加熱器ドレンポンプのモータの不具合について
3月14日 -
5.伊方発電所3号機   充てんポンプのミニマムフローライン弁の不具合について
3月15日 3月15日
6.伊方発電所1号機   使用済燃料ピットの手すり固定用ボルト落下防止金具の一部折損について
3月29日 3月30日
県の公表区分 A:即公表
  B:48時間以内に公表
  C:翌月10日に公表
  •   平成22年2月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
伊方発電所2号機   制御棒位置指示値の低下について
2月 5日 2月 5日

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年3月分)

  1. 伊方発電所3号機  湿分分離加熱器加熱蒸気配管のドレン受けからの蒸気漏れについて
  2. 伊方発電所1号機  発電機出力の変動について
  3. 伊方発電所3号機における作業員の負傷について
  4. 伊方発電所2号機  低圧給水加熱器ドレンポンプのモータの不具合について
  5. 伊方発電所3号機  充てんポンプのミニマムフローライン弁の不具合について
  6. 伊方発電所1号機  使用済燃料ピットの手すり固定用ボルト落下防止金具の一部折損について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成22年2月分)

  1. 伊方発電所2号機  制御棒位置指示値の低下について
以  上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年3月分)

1.伊方発電所3号機  湿分分離加熱器加熱蒸気配管のドレン受けからの蒸気漏れについて

  3月5日9時30分、定期検査中の伊方発電所3号機のタービン建屋1階(管理区域外)において、湿分分離加熱器A号機およびB号機の加熱蒸気配管に設置しているドレン弁が閉状態であるにもかかわらず、下流のドレン受けから放射能を含まない少量の蒸気が漏れていたため、上記ドレン弁を補修して蒸気の漏えいを停止させることとしました。
  その後の調査の結果、湿分分離加熱器のドレンタンク2台に設置している別のドレン弁(2台)の増し締め等を実施したところ、ドレン受けからの蒸気の漏えいが停止したことから、当該弁のシートリークにより、ドレン受けから蒸気が漏えいしたものと推定されました。
  なお、湿分分離加熱器の加熱蒸気配管に設置しているドレン弁に不具合はなく、増し締め等を実施した当該弁については、次回の定期検査で点検を実施します。

伊方発電所3号機 湿分分離加熱器廻り系統概略図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機  湿分分離加熱器廻り系統概略図  (PDF-52KB)

2.伊方発電所1号機  発電機出力の変動について

  3月10日19時36分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所 発電機出力の変動幅
三島西幹線 1号機
  東予変電所
[四国中央市]
三島変電所
[四国中央市]
 
543MW
(-5.1%)
572MW
(変動前後)
602MW
(+5.3%)

3.伊方発電所3号機における作業員の負傷について

  3月11日11時35分頃、定期検査中(調整運転中)の伊方発電所3号機の取水口付近(管理区域外)において、復水器の冷却用海水取り込み口に設置している除塵装置で除去されたゴミ等の回収作業をしていた作業員が、その中にいた魚(アイゴ)のとげ(毒性)に左手親指を刺され、若干の痺れが生じたことから、病院への搬送が必要であると判断しました。
  その後、社有車により二宮病院(八幡浜市保内町)へ搬送し、医師の診察の結果、「左親指刺傷」(不休傷)と診断されました。
  なお、当該作業員の被ばくおよび汚染はありません。

4.伊方発電所2号機  低圧給水加熱器ドレンポンプのモータの不具合について

  3月14日22時40分、通常運転中の伊方発電所2号機において、タービン建家地下1階(管理区域外)に設置している低圧給水加熱器ドレンポンプAのモータ過負荷を示す信号が発信し、ポンプが自動停止しました。
  調査の結果、当該ポンプのモータ下部の軸受が固着しており、軸の表面および軸受を支持する下部ブラケット内面に傷が確認され、この傷以外には異常がないことを確認したことから、軸受の固着により、軸受の外輪が軸とともに下部ブラケット内面と接触したまま回転したため、モータの負荷が増加して過負荷に至ったものと推定されました。
  その後、固着した軸受を新品に取替えるとともに、傷が認められた軸および下部ブラケット内面の補修を行い、当該ポンプを運転して異常がないことを確認し、3月31日、通常状態に復旧しました。今後、引き続き、詳細調査を実施します。
  なお、本事象発生から通常状態に復旧するまでの間、低圧給水ドレンタンクの水位はバックアップ用の水位制御弁により正常に制御されていました。

伊方発電所2号機 低圧給水加熱器ドレンポンプ廻り系統概略図

低圧給水加熱器ドレンポンプ2Aモータ

PDFマーク(印刷用)伊方発電所2号機  低圧給水加熱器ドレンポンプ廻り系統概略図  (PDF-48KB)

PDFマーク(印刷用)伊方発電所2号機  制御棒位置指示装置概略系統図  (PDF-48KB)

5.伊方発電所3号機  充てんポンプのミニマムフローライン弁の不具合について

  3月12日、定期検査中(調整運転中)の伊方発電所3号機の原子炉補助建屋1階上部中間階(管理区域内)において、充てんポンプAの検査の準備作業のため、運転員が当該ポンプのミニマムフローライン弁(手動弁)を閉止しようとしたところ、閉操作の途中で当該弁の動きが重くなりました。この時点においては、簡易に保修可能と判断していましたが、3月15日9時30分、関係者による会議において、今後のプラント運転により万全を期すため、当該弁を分解点検することとしました。
  当該弁の分解点検の結果、弁棒とグランド押さえ輪の接触面において、それぞれに周方向にごく浅い傷があることを確認しました。なお、それ以外の部分に異常は認められませんでした。このことから、確認された傷は弁の開閉操作に伴う摺動により生じたものであり、これにより当該弁の動きが重くなったものと推定されました。
  確認された傷は、磨き等の軽微な手入れで再使用できる程度でしたが、念のため、傷が認められた弁棒とグランド押さえ輪を新品に取り替えて、当該弁の開閉操作に問題がないこと等を確認し、3月17日、通常状態に復旧しました。
  今後、引き続き、詳細調査を実施します。

伊方発電所3号機 1次冷却水充てん・抽出系統概略図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機  1次冷却水充てん・抽出系統概略図  (PDF-72KB)

6.伊方発電所1号機  使用済燃料ピットの手すり固定用ボルト落下防止金具の一部折損について

  3月29日、通常運転中の伊方発電所1号機の使用済燃料ピットエリア(管理区域内)において、使用済燃料ピットの周囲に設置している手すり(脱着可能型)を固定しているボルトの落下防止金具が欠損していることを確認し、使用済燃料ピット周辺および使用済燃料ピット内の目視確認を実施しましたが、欠損部分を発見することができなかったことから、同日20時30分、容易に発見できないと判断し、詳細調査を実施することとしました。
  その後、使用済燃料ピット内をカメラで調査した結果、落下防止金具を設置している手すり下部の使用済燃料ピットと燃料検査ピットの連絡部底面において、欠損部分と思われる部品を1個発見し、また、手すり固定柱の根元床面において、その後発見した欠損部の欠片を2個発見し回収しました。
  これらの回収部品が落下防止金具の欠損部と一致したことから、欠損部が全て回収されたと判断し、今後、欠損が生じた原因等について調査します。

伊方発電所1号機 使用済燃料ピット手すり固定用ボルト落下防止金具概略図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所1号機  使用済燃料ピット手すり固定用ボルト落下防止金具概略図  (PDF-68KB)


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成22年2月分)

伊方発電所2号機  制御棒位置指示値の低下について

○事象

  2月5日11時22分、通常運転中の伊方発電所2号機において、中央制御盤の制御棒の位置を監視する画面で、制御棒を操作していないにもかかわらず制御棒33本のうち1本の位置指示値が低下していることを運転員が確認しました。
  その後の調査の途中において、当該制御棒の位置指示の低下は自然に収まり、低下前の指示値に戻りましたが、制御棒位置信号を検出する信号検出回路カードの出力電圧の低下が確認されたことから、当該カードを取り替えて、制御棒を実際に動作させる試験を行い、同日、当該制御棒の位置指示が正常に表示できることを確認しました。
  なお、この間、原子炉施設保安規定で定める運転上の制限を一時的に逸脱した状態となりました。
  その後、念のため、当該装置の表示について、2月8日まで監視を強化していましたが、異常が見られなかったことから、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、制御棒の動作に関する機構および制御棒位置指示装置内で指示値の変動につながる部位に異常は認められませんでした。また、指示値の低下は自然に収まり、再現性がなかったことから、信号検出回路カードの出力電圧が一時的な不具合により低下し、制御棒位置の指示値が一時的に低下したものと推定されました。

○対策

  • 当該信号検出回路カードを予備品に取り替えました。
  • 今後とも、信号検出回路カードの予備品を常備します。
  • 次回の2号機の定期検査において実施する制御棒位置指示装置の改良工事において、信頼性の高い信号検出回路カードに全数取り替えます。なお、1号機については、第26回定期検査にて取り替え済みであり、3号機については、当初より信頼性の高い信号処理カードを使用しています。

伊方発電所2号機 制御棒位置指示装置系統概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所2号機  制御棒位置指示装置系統概略図  (PDF-55KB)

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