平成23年03月10日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成23年2月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出について

  •   平成23年2月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。本事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所3号機   廃棄物処理建屋排気ファンの不具合について
 2月 8日  2月 8日
2.伊方発電所3号機   保安規定に定める運転上の制限の一時的な逸脱について
 2月14日  2月15日
県の公表区分 A:即公表
  B:48時間以内に公表
  C:翌月10日に公表
  •   過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所3号機   第6高圧給水加熱器3A出口ドレン流量の増加について
 12月12日  1月11日 C
2.伊方発電所1、2号機   所内用水ポンプAのモータ過負荷による自動停止について
 12月27日  1月11日 C

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年2月分)

  1. 伊方発電所3号機  廃棄物処理建屋排気ファンの不具合について
  2. 伊方発電所3号機  保安規定に定める運転上の制限の一時的な逸脱について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

  1. 伊方発電所3号機  第6高圧給水加熱器3Aのドレン流量の増加について
  2. 伊方発電所1、2号機  所内用水ポンプAのモータ過負荷による自動停止について
以上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年2月分)

1.伊方発電所3号機  廃棄物処理建屋排気ファンの不具合について

  2月8日10時38分、通常運転中の伊方発電所3号機において、廃棄物処理建屋の換気空調系の点検を実施していたところ、廃棄物処理建屋排気ファン3Bの電源の異常を示す信号が発信しました。
  調査の結果、当該排気ファン3Bの電源用遮断器(管理区域外)の一部および、遮断器の制御回路の部品(サージキラー)に変色を確認したことから、不具合のあった遮断器とサージキラーを予備品に取り替えました。
  その後、確認運転のために当該排気ファン3Bを起動して排気ファン3Aを停止したところ、2月10日11時23分、排気ファン3Aの遮断器の制御回路の異常を示す信号が発信し、現地を確認した結果、サージキラーに変色を確認しました。
  このため、排気ファン3A、3Cについて、排気ファン3Bと同様にサージキラーを取り替えて、当該ファンが正常に運転することを確認し、2月14日11時05分、通常状態に復旧しました。
  今後、引き続き、詳細を調査します。

伊方発電所3号機 廃棄物処理建屋排気系統概略図

 

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機  廃棄物処理建屋排気系統概略図  (PDF-12KB)

2.伊方発電所3号機  保安規定に定める運転上の制限の一時的な逸脱について

  通常運転中の伊方発電所3号機において、原子炉トリップ遮断器1台の開放動作に遅延傾向が見られたことから、当該遮断器の開放動作時間を測定するとともに、当該遮断器を予備品に取り替えることとし、この作業のために保安規定において必要とされる原子炉保護系論理回路(4系統)のうち1系統を動作不能としたことから、2月14日16時58分、一時的に保安規定に定める運転上の制限から逸脱しました。
  その後、当該遮断器を予備品に取り替えて、開放動作時間に問題のないことを確認し、同日18時15分、保安規定に定める運転上の制限の逸脱から復帰しました。
  また、2月15日に実施した原子炉トリップ回路ロジック試験において、当該遮断器が正常に動作することを確認し、11時15分、通常状態に復旧したものと判断しました。
  なお、保安規定に定める運転上の制限を逸脱した間、原子炉保護系論理回路の残りの3系統が正常であったことから、原子炉を停止させる機能に問題はありませんでした。
  今後、引き続き、取り外した遮断器の点検を行い、開放動作に遅延傾向が見られた原因を調査します。

伊方発電所3号機 原子炉トリップ遮断器構成概要図

 

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機  原子炉トリップ遮断器構成概要図  (PDF-16KB)


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

1.伊方発電所3号機  第6高圧給水加熱器3Aのドレン流量の増加について

○事象

  12月12日15時20分頃、通常運転中の伊方発電所3号機において、2次系の第6高圧給水加熱器3Aの出口ドレン流量の増加を示す信号が発信しました。点検の結果、当該加熱器の水位を検出する水位伝送器の不具合により水位制御弁の開度が大きくなり、ドレン流量が増加したものと推定されました。
  このため、当該伝送器を取り替えて、12月13日13時05分、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、当該伝送器について、シール部に使用しているOリングが高温環境における長年の使用により劣化して変形しているとともに、シール部を押えている鉄製のボディが腐食し、水位の変動を調節器に伝えるための部品(フォースバー)に腐食生成物が付着していることを確認しました。
  このことから、Oリングの変形によりシール機能が低下し、当該伝送器内から浸出した蒸気によりボディが腐食してフォースバーに腐食生成物が付着した結果、フォースバーの微小な動きが阻害されて水位信号が実際の水位より高くなり、水位制御弁の開度が増加して、ドレン流量が増加したものと推定しました。

○対策

  • 当該水位検出器を予備品に取り替えました。
  • 当該水位検出器について、今後、10定期検査毎にOリングを取り替えます。また、1、2号機を含む類似機器については、次回の定期検査において、シール部の分解点検およびOリングの取替を実施するとともに、今後、定期的にOリングを取り替えます。
  • 今後とも水位伝送器の予備品を常備します。

伊方発電所3号機 第6高圧給水加熱器まわり概略系統図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所3号機  第6高圧給水加熱器まわり概略系統図  (PDF-24KB)

2.伊方発電所1、2号機  所内用水ポンプAのモータ過負荷による自動停止について

○事象

  12月27日14時31分頃、通常運転中の伊方発電所1、2号機において、屋外に設置している所内用水ポンプAの過負荷による自動停止を示す信号が発信しました。その後、14時55分頃に保修員が当該ポンプの軸を手動でまわしたところ軸が固着しており、点検の結果、モータの軸受が損傷していることを確認しました。
  このため、損傷した軸受を新品に取り替えるとともに軸の補修を行い、当該ポンプが正常に運転することを確認し、1月18日15時05分、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、保持器(軸受に使用しているボールを保持する軸受構成部品)が破断しており、軸受の異常摩耗による熱でグリースが劣化していることを確認しました。
  このことから、グリースの劣化により軸受内部に潤滑不良が生じて保持器が破断し、さらに保持器の破断による摩擦熱で軸受温度が上昇した結果、グリースの劣化が加速して軸受全体が焼き付き、軸が固着して過負荷となったため、保護装置により当該ポンプが自動停止したものと推定しました。

○対策

  • 当該軸受を新品に取り替えて軸の補修を行うとともに、軸受のグリースを温度特性の優れるものに変更しました。また、所内用水ポンプBについても同様の対策を実施しました。
  • 今後、当該モータについて、1回/12年の頻度で分解点検および軸受の取替を実施します。

伊方発電所1、2号機 所内用水ポンプまわり概略系統図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所1、2号機  所内用水ポンプまわり概略系統図  (PDF-19KB)

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