- 平成24年1月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所2号機 湧水系統配管からの漏えいについて |
1月5日 | - | C |
2.伊方発電所2号機 補助建家排気筒ガスモニタの一時的な監視停止について |
1月27日 | 1月28日 | B |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所1号機 主蒸気湿分測定用弁の水漏れについて |
5月20日 | 6月10日 | C |
2.伊方発電所3号機 火災受信機の不具合について |
9月2日 | 10月11日 | C |
3.伊方発電所3号機 火災感知器の不具合について |
12月24日 | 1月10日 | C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成24年1月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成24年1月分)
1.伊方発電所2号機 湧水系統配管からの漏えいについて
1月5日11時05分頃、通常運転中の伊方発電所2号機において、原子炉補助建家地下の海水管室(管理区域外)に設置されている湧水ピット内の水を海に排水する配管のフランジ近傍の床面に水漏れ(約1m×1mの水たまり)を確認しました。
調査の結果、当該配管フランジ溶接部近傍に割れがあることを確認しました。その後、当該配管を隔離した上で、補修材による応急補修を行い、漏えいは停止しました。
現在実施中の定期検査において、原因を調査中です。
なお、漏れた水には放射能は含まれておらず、海水管室の排水口より湧水ピットに回収されました。
(印刷用)伊方発電所2号機 湧水ピット排水系統概略図 (PDF-16KB)
2.伊方発電所2号機 補助建家排気筒ガスモニタの一時的な監視停止について
1月27日17時53分頃、定期検査中の伊方発電所2号機において、所内低圧母線の停電により、補助建家排気筒ガスモニタ(R-14)による監視が、一時的に停止しました。(R-14とR-28の2台設置しており、R-28は点検中)
その後、電源を早急に復旧し、当該モニタによる監視を再開しました。
調査の結果、監視停止期間は約6分間であり、その間において放射性ガスの放出は無く、当該モニタの停止前後の指示値に変化が無いことなどから、環境への影響はありませんでした。
また、所内低圧母線の停電については、通常給電しているしゃ断器の点検によって、代わりに給電していた当該母線に接続する連絡しゃ断器が開放したことから停電したと推定しました。
さらに、停電に伴い1台の使用済燃料ピットポンプが停止しましたが、このポンプは2台あることから、プラントの安全性に影響は無く、その他機器が停止したことについても、影響はありませんでした。停止した機器については順次再起動を行い、1月28日1時30分、全てが正常に復旧していることを確認しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所2号機 補助建家排気筒ガスモニタ系統概略図 (PDF-17KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所1号機 主蒸気湿分測定用弁の水漏れについて
○事象
通常運転中の伊方発電所1号機において、タービンを回転させる主蒸気の湿分を測定する系統の弁の弁棒封止部(グランド部)から水滴がわずかに滴下しており、その後も滴下量が増加する可能性があると判断したことから、5月20日10時06分、予防保全の観点より、当該弁の補修を実施することとしました。
その後、充てん材を用いて漏えいを止める措置を行い、5月30日15時30分、当該弁から漏えいのないことを確認しました。
○原因
調査の結果、弁棒封止部のパッキンが長期間の使用により硬化が進んだため、シール性能が劣化してグランド部から漏えいしたものと推定しました。
○対策
- 当該弁を新品に取り替えました。
- 1号機の当該弁と類似箇所の弁について分解点検を行い、グランドパッキンの交換を実施しました。3号機の類似箇所の弁についても、現在実施中の定期検査にて分解点検を実施しました。2号機の類似箇所の弁については、現在実施中の定期検査に、分解点検を実施します。
- 当該弁および1、2、3号機の類似箇所の弁について、点検周期を短縮します。
(印刷用) 伊方発電所1号機 2次系系統概略図 (PDF-17KB)
2.伊方発電所3号機 火災受信機の不具合について
○事象
9月2日10時35分、定期検査中の伊方発電所3号機において、開閉所リレー室の火災受信機に異常を示す信号が発信していることをパトロール中の運転員が確認しました。その後、保修員が点検した結果、11時45分に当該受信機に不具合があり、当該リレー室を含む一部エリアの火災に関する情報が受信できないことを確認しました。
このため、当該受信機を取り替えて9月5日9時30分、通常状態に復旧しました。
なお、当該受信機を復旧するまでの間、対象エリアに火災はありませんでした。
○原因
調査の結果、3号機開閉所リレー室火災受信機の制御カード上に錆が発生したことにより、当該火災受信機の故障を示す警報が発信したものと推定しました。
錆発生の原因は、火災受信機へのケーブル入線口から外部空気が侵入したことにより、内部に結露が発生したためと推定しました。
○対策
- 当該火災受信機の取替を行い、健全性を確認のうえ復旧しました。
- 火災受信機へケーブル入線口から外部空気が侵入することを防ぐため、当該火災受信機のケーブル入線口に、空気侵入防止用シールを施しました。また、他の火災受信機の当該箇所についても確認いたします。
(印刷用) 伊方発電所3号機 火災受信機概略図 (PDF-11KB)
3.伊方発電所3号機 火災感知器の不具合について
○事象
12月24日10時19分頃、定期検査中の伊方発電所3号機において、原子炉補助建屋1階(管理区域外)に設置されている火災報知器の一部の応答が無いことを示す信号が発信しました。現地確認の結果、作業員が作業用ケーブルを通すための壁貫通口設置工事中に、火災感知器および誘導灯のケーブルを切断したことにより、原子炉補助建屋に設置している火災感知器13台の信号が中央制御室に発信しない状態となったこと、および誘導灯46個が消灯したことを確認しました。
このため、切断箇所については仮設ケーブルを敷設して仮復旧を行い、火災報知器の信号が正常に発信する状態であること、および誘導灯の点灯を確認しました。その後、ケーブルの取り替えを行い、1月13日に本復旧いたしました。
また、火災感知器を復旧するまでの間、監視不能になったエリアのパトロールを行い、この間に火災等の異常のないことを確認しました。
○原因
調査の結果、埋設物調査のため電磁波レーダーを使用し、埋設配管と思われる影が検出された箇所を避けて、鉄筋の存在が確認されている箇所へコア抜きを行いましたが、鉄筋背面に存在した埋設配管を当該レーダーで検知できておらず、配管を切断したものと推定しました。
○対策
- 切断した火災感知器および誘導灯のケーブルについて、取り替えを行いました。
- 鉄筋背面に埋設された配管等は、電磁波レーダー等での検知が難しいことから、今後は、鉄筋を切断するコア抜きを行わないように、手順書等に反映します。
(印刷用) 伊方発電所3号機 火災報知器信号系統概略図 (PDF-15KB)