当社は、本日、環境影響評価法および電気事業法に基づき、「坂出発電所2号機リプレース計画環境影響評価準備書」(以下、準備書)を経済産業大臣に届け出るとともに、香川県知事、坂出市長および宇多津町長に送付しました。
当社では、坂出発電所2号機につきまして、既設設備の経年化対策、二酸化炭素排出量削減対策などを目的として、燃料を重油・コークス炉ガスから天然ガスに変更し、より高効率のコンバインドサイクル発電方式へリプレースすることとしています。
本計画を進めるにあたっては、周辺の環境への配慮を最優先としておりますが、今回届け出た準備書は、あらかじめ周辺環境の現況を調査し、事業に伴う環境への影響について予測・評価を行い、その結果を取りまとめたものです。 【添付資料1】
今後は、本日届け出た準備書について、経済産業省をはじめとした関係機関のご指導や、地域の皆さまのご意見を賜りながら、環境影響評価手続きを進めてまいります。 【添付資料2】
なお、環境影響評価法に基づき、準備書の縦覧および説明会を行います。 【添付資料3】
〔坂出発電所2号機リプレース計画の設備概要〕
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現 状 |
将 来 |
発電方式 |
汽力発電 |
コンバインドサイクル発電 |
発電規模 |
35万kW |
28.9万kW(大気温度5℃) |
使用燃料 |
重油・コークス炉ガス |
天然ガス |
運転開始時期 |
昭和47年5月 |
平成28年11月(予定) |
【添付資料1】坂出発電所2号機リプレース計画 環境影響評価準備書の概要
【添付資料2】坂出発電所2号機リプレース計画に係る環境影響評価手続きの流れ
【添付資料3】環境影響評価準備書の縦覧および説明会
(参考資料) コンバインドサイクル発電方式
坂出発電所2号機リプレース計画
環境影響評価準備書の概要
1.事業者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
事業者の名称 :四国電力株式会社
代表者の氏名 :取締役社長 千葉 昭
主たる事務所の所在地:香川県高松市丸の内2番5号
2.対象事業の名称
坂出発電所2号機リプレース計画
3.対象事業の目的
坂出発電所2号機の既設設備を有効に活用しながら、燃料を重油・コークス炉ガスから環境負荷の少ない天然ガスに変更し、発電効率の高いコンバインドサイクル発電方式の設備にリプレースすることにより、環境負荷の低減と地球温暖化問題への対応に配慮した設備形成をはかる。
4.事業計画の概要
(1)対象事業実施区域
坂出発電所(香川県坂出市番の州町2番地)及びその東隣接地(約7万m2)[別紙参照]
(2)設備概要等
項 目 |
現 状 |
将 来 |
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発電方式 |
汽力発電 |
コンバインドサイクル発電 |
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発電規模 |
35万kW |
28.9万kW(大気温度5℃) |
||
使用燃料 |
重油・コークス炉ガス |
天然ガス |
||
環 |
ば |
窒素酸化物
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排出濃度:180ppm |
排出濃度: 5ppm |
硫黄酸化物 |
排出濃度:599ppm |
排出しません |
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ばいじん |
排出濃度:0.045g/m3N |
排出しません |
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煙 突 |
地上高200m(三脚集合型) |
地上高88m(鋼板製一筒身型) |
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二酸化炭素 |
排出原単位:0.49kg-CO2/kWh
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排出原単位:0.36kg-CO2/kWh |
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冷却方法等 |
冷却方法:海水冷却方式 (1~4号機合計:47.1m3/s) |
冷却方法:現状どおり (1~4号機合計:41.0m3/s) |
(3)工事期間
工事開始時期:平成25年10月(予定)
運転開始時期:平成28年11月(予定)
5.環境影響評価の項目
影響要因の区分 |
環境要素の区分 |
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工 |
工事用資材等の搬出入 |
大気質(窒素酸化物,粉じん等),騒音,振動,主要
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建設機械の稼働 |
大気質(窒素酸化物,粉じん等),騒音,振動 |
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造成等の施工による一時的な影響 |
水質(水の濁り),動物(重要な種及び注目すべき |
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土 |
地形の改変及び施設の存在 |
動物(重要な種及び注目すべき生息地[海域に生息 |
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施設の稼働 |
排ガス |
大気質(窒素酸化物),温室効果ガス等(二酸化炭 |
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排水 |
水質(水の汚れ,富栄養化) |
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温排水 |
水質(水温),流向及び流速,動物(海域に生息する |
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機械等の稼働 |
騒音,振動 |
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資材等の搬出入 |
大気質(窒素酸化物,粉じん等),騒音,振動,主要 |
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廃棄物の発生 |
廃棄物等(産業廃棄物) |
6.主な環境保全措置
(1)大気環境保全対策
○ 発電用燃料を現状の重油・コークス炉ガスから天然ガスとし、発電効率の高いコンバインドサイクル発電を行うことにより、発電電力量当たりの窒素酸化物排出量を大幅に低減する。
○ 低NOx燃焼器を採用するとともに、排煙脱硝装置を設置し、窒素酸化物排出量を低減する。
○ 既存の取放水設備を有効活用し、現状どおり深層取水、表層放水方式とする。
○ 温排水量を現状よりも低減し、取放水温度差は現状どおりとする。
(3)一般排水対策
○ 発電プラント排水及び生活排水は、既設の排水処理装置において処理を行う。
○ 既設発電設備を含めた発電所全体の排水の負荷低減対策を実施する。
(4)温室効果ガス対策
○ 発電効率の高いコンバインドサイクル発電方式を採用することにより、発電電力量当たりの二酸化炭素排出量を低減する。
(5)その他
○ 取放水設備、排水処理装置、開閉所設備等は、既設設備の有効活用を図る。
○ 2号機リプレース予定地の敷地境界上に郷土種を新たに植栽し、多様な生物の生息環境の形成に貢献できるよう、質の高い緑地への改善を図る。
7.主な予測・評価の概要
(1)大気環境
年間の気象データ等に基づいて窒素酸化物の着地濃度(年平均値)を予測した結果、発電所全体からの排ガスによる最大着地濃度は現状より低減され、低濃度であることから、環境への影響は少ないものと考えられる。
また、発電電力量当たりの二酸化炭素排出量は発電所全体で、0.47kg-CO2/kWhから0.39kg-CO2/kWhに低減される。
(2)温排水
温排水による水温上昇域を予測した結果、海表面の1℃上昇域は発電所全体で、5.0km2から4.6km2に減少することから、周辺海域の水温に及ぼす影響は少ないものと考えられる。
(3)一般排水
発電所の運転に伴う排水中の化学的酸素要求量、窒素含有量の海域への負荷量を現状より低減することから、海域の水質に及ぼす影響は少ないものと考えられる。
8.環境監視計画
工事中は、工事工程の適切な管理を行い、工事関係車両等の運行状況を把握するとともに、工事排水の水質測定及び廃棄物の発生量の把握等を行う。
2号機リプレース後は、排ガス中の窒素酸化物濃度等を監視するとともに、総合排水処理装置出口での水質測定、取放水口における水温の監視及び廃棄物の発生量の把握等を行う。
9.環境影響の総合評価
本事業は、電力安定供給の確保、地球温暖化問題への対応を目的として、坂出発電所2号機について、燃料を重油・コークス炉ガスから環境負荷の少ない天然ガスに変更し、発電効率の高いコンバインドサイクル発電方式の設備にリプレースするものである。
本事業の推進に当たっては、高効率なコンバインドサイクル発電方式、低NOx燃焼器及び排煙脱硝装置等を採用することにより、大気環境への影響の低減や二酸化炭素排出削減を図るとともに、できるだけ既設設備を有効活用することによって工事量の低減を図り、工事の実施における大気質、騒音、振動及び水質等の環境に及ぼす影響を可能な限り低減する計画とした。
本事業の実施に伴う環境影響評価を実施した結果、実行可能な範囲内で環境影響を回避又は低減しており、国又は地方公共団体が定めている環境基準及び環境目標等の維持・達成に支障を及ぼすものではなく、本計画は適正であると評価する。
対象事業実施区域の位置
坂出発電所2号機リプレース計画に係る環境影響評価手続きの流れ
環境影響評価準備書の縦覧および説明会
【縦覧】
縦覧場所 |
住 所 |
縦覧期間 |
縦覧時間 |
香川県庁 |
香川県高松市番町4丁目1番10号 |
平成24年 |
午前8時30分 ~ 午後5時15分 |
坂出市役所 |
香川県坂出市室町2丁目3番5号 |
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宇多津町役場 |
香川県綾歌郡宇多津町1881番地 |
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四国電力株式会社
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香川県坂出市番の州町2番地 |
平成24年 (土・日・祝日も実施) |
【説明会】
※ 事前の申し込みは不要です。
コンバインドサイクル発電方式
:破線部分は新設範囲を示す。
コンバインドサイクル発電方式 コンバインドサイクル発電方式とは、ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせた発電方式で、高温高圧の燃焼ガスの膨張力によりガスタービンを回転させるとともに、ガスタービンを回転させた後の高温の排ガスをボイラに導き、蒸気を発生させ、蒸気タービンを回転させて発電する仕組みです。現状の汽力発電方式に比べて熱効率が高く、エネルギーの有効利用が図れます。 |