- 平成24年10月に、当社から愛媛県ほか関係自治体に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所1、2号機 放水口水モニタの指示上昇について |
10月17日 | - | C |
2.伊方発電所における作業員の体調不良について |
10月23日 | - | C |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県ほか関係自治体に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所2号機 復水脱塩装置建家での塩酸の漏えいについて |
5月11日 | 6月11日 | C |
2.伊方発電所構内の火災感知器の不具合について |
8月31日 | 9月10日 | C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成24年10月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成24年10月分)
1.伊方発電所1、2号機 放水口水モニタの指示上昇について
10月17日11時40分、伊方発電所1、2号機放水口水モニタの有意な指示上昇を示す「10分平均注意」の信号が発信しました。
当時、発電所周辺は雨が降っていたこと、同日12時00分に放水口内の海水を採取して分析した結果、人工核種は検出されなかったことから、降雨による自然変動と判断しました。
(参考)伊方発電所1、2号機放水口水モニタ
伊方発電所1、2号機放水口内の海水の放射線量を測定しているモニタ。3号機にも同様の放水ピット水モニタがある。
2.伊方発電所における作業員の体調不良について
10月23日、定期検査中の伊方発電所2号機原子炉格納容器内(管理区域内)において、ポーラクレーン点検中の作業員が体調不良を訴えたため、休養していましたが、同日23時30分頃、念のため、病院での診察を受けることとし、社有車にて市立八幡浜総合病院に搬送しました。
医師による診察の結果、「熱中症」(休業不要)と診断されました。
(参考)ポーラクレーン
原子炉格納容器の天井に設置しているクレーン。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所2号機 復水脱塩装置建家での塩酸の漏えいについて
○事象
5月11日16時29分、定期検査中の伊方発電所2号機において、復水脱塩装置中和槽の中和操作中のところ、復水脱塩装置の異常を示す信号が発信しました。現地を確認したところ、復水脱塩装置建家内で塩酸が漏えいしていることを確認しました。
直ちに中和操作を停止し、その後、目視にて配管などを確認し、同日17時35分、漏えいが停止していることを確認しました。漏えいした塩酸は全量を回収し、塩酸ガスによる作業員の負傷や周辺環境への影響はありませんでした。
調査の結果、漏えい箇所は中和用塩酸供給ポンプ出口側の弁フランジ部であることと、当該フランジ部が変形していることが確認されました。
このため、変形していたフランジ部を修正して復旧し、漏えいの無いことを確認したことから、5月21日14時35分に通常状態に復旧しました。
○原因
調査の結果、ポリ塩化ビニル製の当該弁のフランジに対して、過去にリング状ガスケットを使用していたため、ボルト締め付けにより、フランジのたわみが長期間継続したことにより、変形したものと推定しました。
その後、変形した状態で、フランジガスケットを全面形ガスケットに変更したことにより、フランジシート部のシート力が弱くなり、さらに、ポンプの起動等による圧力変化の繰り返しによりシート力が徐々に弱まり、漏えいに至ったものと推定しました。
○対策
- 当該弁のフランジについて、変形を切削により修正し復旧しました。念のため、7月19日に、当該弁を新品に交換しました。
- 薬品を内包した配管の塩化ビニル製フランジで、過去にリング状ガスケットを使用し、その後全面形ガスケットに変更した46箇所について、各系統の運転開始までに点検を実施します。
- 今後、ポリ塩化ビニル製フランジを取り付ける際は、全面ガスケットでの復旧時に、フランジ面の変形があった場合は、修正等の対応後、取り付けを実施するよう、作業要領書に追記します。
(印刷用) 伊方発電所2号機 復水脱塩装置中和槽まわり系統概略図 (PDF-49KB)
2.伊方発電所構内の火災感知器の不具合について
○事象
8月31日11時26分、定期検査中の伊方発電所3号機の中央制御室において、伊方発電所構内の統合倉庫の火災の発生を示す信号が発信したことから直ちに現地確認を行い、火災のないことを確認しました。
現場確認の結果、12時45分、保修員が火災報知設備に不具合があると判断しました。
調査の結果、当該エリアの感知器1個に不具合があることを確認したため、当該感知器を新品に取り替えて異常の無いことを確認し、17時00分に通常状態へ復旧しました。
○原因
調査の結果、統合倉庫に設置されている当該感知器に屋上から水が浸入し、感知器裏に水が溜まり、感知器の信号線が短絡したため、火災信号が発信するとともに当該エリア(感知器13個)の応答がなくなったと推定しました。
感知器裏に水が浸入した原因については、以下の状況が重なった結果、感知器に水が浸入したものと推定しました。
- 感知器真上の屋上コンクリート床に空調機の室外機支持用アンカーが防水層を貫通して設置されており、水が入りやすくなっていた。
- 屋上側から室外機支持用アンカーが、室内側から配線用ボックスが埋め込まれていたことから、当該部のコンクリートの厚さが薄くなっており、支持用アンカーと配線用ボックスとの間にひび割れが入った。
○対策
- 当該感知器を漏水の影響を受けない箇所へ移設したうえで、感知器の取り替えを行い、健全性を確認のうえ復旧しました。
- 統合倉庫内へ水が浸入しないように、浸入原因となった当該室外機支持用アンカーを撤去し、防水処理を実施しました。
- 屋上部にアンカーを設置する場合は、アンカー下部に感知器等が配置されないように考慮するよう、建築工事に関する工事仕様書の注意事項に追記します。
(印刷用) 伊方発電所 統合倉庫火災感知器信号概略図 (PDF-14KB)