平成24年11月29日
四国電力株式会社

平成24年11月 社長定例記者会見の概要

平成24年11月29日、千葉社長が「伊方発電所の安全確保に向けた取り組み状況」「電気料金値上げの検討開始」の2点を中心に説明を行ないました。
 

【伊方発電所の安全確保に向けた取り組み状況】

 皆さまご承知のとおり、当社では、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、震災直後から国の指示に基づく「緊急安全対策」や「シビアアクシデント対策」はもとより、外部電源の多様化等、当社独自の対策についても積極的に取り組むなど、伊方発電所の安全性や信頼性の向上に努めてまいりました。

 まず、これまでに完了した対策について主なものを申し上げますと、

  ・電源確保対策として、大容量電源車(4台)を配備したほか、伊方発電所に隣接する変電所から新たに配電線を2ルート敷設いたしました。

  ・また、原子炉等の冷却対策として、冷却水を補給するための消防自動車や可搬型消防ポンプ、水中ポンプを追加配備したほか、

  ・浸水対策として、安全上重要な機器が設置されている建物の入口扉について、防水シール施工や水密扉への取り替えを実施しました。

  ・さらに、その他の取り組みとして、万が一の災害時において対応拠点となる免震総合事務所を昨年12月から運用開始したほか、3号機について、基準地震動に対し2倍程度の耐震裕度があることを自主的に確認いたしました。

 これらの安全対策により、伊方発電所においては、全交流電源が喪失した場合においても低温停止状態まで冷却することが可能となっており、仮に福島と同じように想定を超える地震や津波が来襲したとしても、深刻な事態に至ることはないこと、また、発電所の安全裕度が更に向上していることを確認しております。
 もとより、当社ではこれに留まることなく、「原子力の安全性向上への取り組みに終わりはない」との強い思いのもと、伊方発電所の更なる安全性・信頼性の向上を不断に追求していくこととしており、その一環として、先般愛媛県にご報告したとおり、非常用発電機の増設やフィルタ付ベント設備の設置などの安全対策を追加的に進めております。

 また、日本の原子力産業界の総力を結集して、今月15日に立ち上げられた「原子力安全推進協会」の設立に際しても、私自身、世界最高水準の安全性を目指していくことをコミットしたところであります。

 現在、原子力規制委員会において新たな安全基準の検討が進められているところでございますが、私どもとしては、安全に資する対策については、基準の策定や国の指示を待つという姿勢ではなく、自ら先見的に取り組んでまいる所存です。
 また、「良質で低廉な電力の安定供給」という基本的使命を果たしていくためには、伊方発電所の運転再開が不可欠であり、規制委員会においては安全基準の骨子や今後の審査スケジュール等について、できるだけ早くお示ししていただきたいと考えております。当社としては、これらが示されれば迅速かつ的確に対応し、一日も早い再稼働を目指してまいる所存であります。
 

【電気料金値上げの検討開始】
 (詳しくは「電気料金値上げの検討開始について」をご覧ください。)

 続きまして、「電気料金値上げの検討開始」についてご報告したいと思います。
 先月の会見でもご説明したとおり、当社の収支は、伊方発電所の再稼働遅れにより、昨年度に続き今中間期も赤字となるなど、かつてなく厳しい状況となっております。
 一方、原子力の再稼働を巡っては、9月に原子力規制委員会が発足したものの、新たな安全基準の内容や審査スケジュール等が依然として不透明であり、残念ながら現時点では、伊方発電所の早期の運転再開は見込み難い状況であります。

 こうした中、当社では、経営全般にわたる効率化に努めており、今年度については費用・投資合計で約250億円を目標として、コスト削減に取り組んでおります。
 また、10月1日付で「経営効率化特別委員会」を設置し、あらゆる費用・支出について、聖域を設けず、もう一段踏み込んだ検討を進めているところであります。

 しかしながら、伊方発電所停止に伴う需給関連費(つまり、石油やガスといった化石燃料費)の増加は、1日当たり4~5億円、通年では1,000億円以上になることが見込まれており、こうした効率化の取り組みだけで収支の改善を図ることは極めて困難な状況にあります。仮にこのまま伊方発電所が再稼働できない状況が継続しますと、財務基盤が著しく悪化するとともに、私どもの最大の使命である電力の安定供給に支障をきたすことも懸念されます。

 このため、収支・財務体質の改善に向け、あらゆる選択肢を検討する中で、これまで「最後の手段」と考えておりました電気料金の値上げについても具体的検討に踏み切らざるを得ないと判断いたしました。
 今後、値上げする場合の時期や幅等について具体的な検討に入りますが、お客さまにご負担をお願いする以上は徹底した合理化が不可欠であると認識しており、原価算定にあたっては、今一度社内の計画を総点検し、あらゆる費目について最大限の効率化施策を織り込む所存であります。

 なお、現在検討を進めております効率化施策については、全体像が纏まった段階で、改めて皆さまにお知らせさせていただくこととしておりますが、人件費に関して一例を申し上げますと、夏季の賞与について、昨年と比べて一般社員は7%、管理職は8%~12%、それぞれ減額しておりましたが、管理職については、この冬、さらに減額幅を拡大して15%~23%のマイナスとすることとしております。また、現在2割カットしている役員報酬についても、さらに切り込む方向で考えております。

 現下の厳しい経済情勢にあって、料金値上げの検討開始はお客さまに多大なご心配をおかけすることになり、誠に心苦しい限りですが、何卒、当社の置かれた状況についてご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 当社といたしましては、冒頭も申し上げましたように、引き続き、伊方発電所の一日も早い運転再開に向け全力を尽くすとともに、電力の安定供給確保と更なる合理化・効率化の推進に全社を挙げて取り組んでまいる所存であります。

以上





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