当社は、「伊方発電所原子力事業者防災業務計画」および「伊方発電所原子炉施設保安規定」に基づき種々の訓練を実施しております。そのうち、原子力災害対策特別措置法第13条の2第1項の規定に基づく報告対象の訓練について「防災訓練実施結果報告書」としてとりまとめ、本日、国に提出しましたのでお知らせいたします。
また、同法に基づき、別紙の通り、その要旨を公表いたします。
当社は今後とも、伊方発電所の安全性・信頼性向上に努めるとともに、原子力防災体制の整備に万全を期してまいります。
以上
「防災訓練実施結果報告書」の要旨
1.趣旨
平成25年10月9日(前回総合訓練実施日の翌日)から平成26年7月11日(今回総合訓練実施日)の間に、当社伊方発電所等で実施した総合訓練および要素訓練について、原子力規制委員会へ報告した。
2.報告年月日
平成26年9月11日
3.防災訓練実施結果の要旨
(1)総合訓練(実施年月日:平成26年7月11日 参加人数:247名)
a.訓練目的
原子力防災組織が原子力災害発生時に有効に機能することの確認。また、訓練により抽出した課題に対して改善活動を実施して防災体制の充実を図るとともに、原子力防災組織要員の緊急時対応能力の更なる向上を図る。
b.想定事象
伊方発電所3号機の全交流電源が喪失して原子力災害対策特別措置法第15条事象に至るとともに、蒸気発生器の全給水機能が喪失して炉心損傷に至る原子力災害を想定。
c.訓練項目
- 防災訓練
災害対策本部の活動について実動訓練を行い、原子力災害の状況把握や伊方発電所と原子力施設事態即応センター(松山、高松)との情報連携を実施。 - 通報訓練
原子力規制庁への通報連絡および社内関係個所への情報連絡を実施。また、原子力施設事態即応センター(高松)から他の原子力事業者および原子力緊急事態支援組織への支援要請に係る連絡を実施。 - AM訓練
アクシデントマネジメントガイドラインを使用した運転上の措置の検討を実施。 - 緊急時対応訓練
全交流電源喪失および炉心損傷を踏まえた緊急安全対策について、事態の収束のための実動訓練を実施。 - モニタリング訓練
敷地内のモニタリングおよびモニタリングポスト等の監視および情報収集を実施。
d.訓練の評価
シナリオ非提示型の訓練において、原子力防災組織要員は迅速かつ的確に状況判断、対策の検討および意思決定を行い、各役割に応じた適切な活動を実施できており、原子力防災組織が原子力災害時に有効に機能することを確認した。
また、原子力施設事態即応センター(松山、高松)については、シナリオ提示型の訓練において事象発生から速やかに防災体制の確立を行うことができ、各機能班の役割分担に応じて必要な災害対策活動を実施できることを確認した。
(2)要素訓練
a.訓練項目
- 通報訓練(実施年月日:平成26年2月18日 参加人数:12名)
原子炉格納容器内における一次冷却材の漏えいの発生を想定したシナリオ非提示型の訓練により、関係個所への通報連絡を実施。 - 通報訓練(実施年月日:平成26年4月24日 参加人数:14名)
放射線管理区域内における火災発生を想定したシナリオ非提示型の訓練により、関係個所への通報連絡を実施。 - AM訓練(実施年月日:平成25年11月27日 参加人数:22名)
一次冷却材喪失が発生し、さらに安全系電源が喪失したことにより非常用炉心冷却設備および蒸気発生器への全給水機能が機能せず炉心溶融に至る事象を想定したシナリオ非提示型の訓練により、アクシデントマネジメントガイドラインを使用した運転上の措置の検討を実施。 - 緊急事態支援組織対応訓練(実施年月日:平成26年2月27日 参加人数:8名)
一次冷却材の漏えいが発生し、非常用炉心冷却設備の作動失敗に至る事象を想定したシナリオ提示型の訓練により、緊急事態支援センターへの通報および発電所構内における資機材(ロボット)操作を実施。
b.訓練の評価
- 通報訓練(平成25年度 第4回、平成26年度 第1回)
シナリオ非提示型の訓練において、関係個所への通報連絡が適切に対応できていることを確認した。 - AM訓練
アクシデントマネジメントガイドラインを使用した対応策の検討と並行してシビアアクシデント対策設備の使用準備を開始したことにより、原子炉格納容器の破損防止を図ることができた。 - 緊急事態支援組織対応訓練
災害対策本部(本店)から緊急事態支援センターへの支援要請および、原子力緊急事態支援組織と連携した資機材(ロボット)の操作が適切に実施できていることを確認した。
今後も継続した訓練を行い、対応能力の維持、向上に努めていく。