当社では、今後の成長戦略の一つとして、当社グループが保有する技術やノウハウといった経営資源を有効に活用した海外事業に積極的に取り組んでおります。
1.IPP事業
このうち、IPP事業(独立系発電事業)については、カタールおよびオマーンにおいて、計3件のプロジェクトに参画しております。カタールの「ラスラファンC発電・造水プロジェクト」については平成23年4月に、また、オマーンの「バルカ3・ソハール2発電プロジェクト」については平成25年4月に、それぞれ営業運転を開始し、その後も順調に稼働を継続しております。
今後は、これらのプロジェクトからの安定した配当収益の確保に努めるとともに、新規案件の開拓にも取り組んでまいります。
◆プロジェクト概要
※ バルカ3・ソハール2発電プロジェクトにおける株式公開について
両プロジェクトについては、入札要綱に基づき、平成26年6月に事業会社2社の保有株式の35%を、オマーン株式市場(マスカット証券取引所)において売却(株式公開)いたしました。これにより、当社の出資比率は11%から7.15%となり、約4百万米ドルの売却益を計上しました。
2.コンサルティング事業
コンサルティング事業については、再生可能エネルギーの活用・普及に関する調査・実証、電力設備や省エネルギーに関する調査などを国際協力機構(JICA)や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)等から受託し、幅広い分野で事業展開を行っております。
これまでに49ヵ国において86件、約25億円を受注しており、こうした取り組みを通じて、開発途上国や小島嶼国のインフラ整備や環境保全に貢献しております。
当社としては、今後とも、グループの総合力を結集し、海外におけるIPP事業、コンサルティング事業の一層の受注拡大に向け、積極的に取り組んでまいります。
◆コンサルティング事業の実績
地域 |
アジア |
中南米 |
大洋州 |
アフリカ |
欧州 |
中東 |
国内 |
合計 |
対象国(ヵ国) |
14 |
19 |
4 |
5 |
3 |
4 |
- |
49 |
件数(件) |
54 |
12 |
6 |
7 |
3 |
2 |
2 |
86 |
◆最近の取り組み事例(3件ともJICAからの受託案件)
件名 |
【フィリピン】 |
(詳細:添付資料1) |
配電網災害復旧能力向上のためのインセンティブ制度導入検討に係る情報収集・確認調査 |
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概要 |
台風など、自然災害が多いフィリピンでは、災害時における配電設備の被害が甚大であり、長時間停電の解消が大きな課題となっている。 (※ 地方部において配電事業を行う公営機関) |
件名 |
【ブラジル】 |
(添付資料2) |
超電導送電などの高効率送電技術導入検討のための情報収集・確認調査 |
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概要 |
広大な土地を有するブラジルでは、内陸に位置する主要電源の水力発電所から、沿岸都市部の需要地までの距離が長大であり、送電ロスが大きな課題となっている。 |
件名 |
【カリブ海諸国(カリコム)】 |
(添付資料3) |
再生可能エネルギー・省エネルギー分野の情報収集・確認調査 |
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概要 |
平成26年7月に、トリニダード・トバゴ共和国で開催された「日・カリコム首脳会合」において、安倍首相が表明したカリコム政策の一つである「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的発展に向けた協力」の一環として受注した案件である。 |
以上
(添付資料1)【フィリピン】配電網災害復旧能力(レジリエンシー)向上のためのインセンティブ制度導入検討に係る情報収集・確認調査について
(添付資料2)【ブラジル】超電導送電などの高効率送電技術導入検討のための情報収集・確認調査について
(添付資料3)【カリブ海諸国(カリコム)】再生可能エネルギー・省エネルギー分野の情報収集・確認調査について
【フィリピン】
配電網災害復旧能力(レジリエンシー)向上のためのインセンティブ制度導入検討に係る
情報収集・確認調査について
(1)具体的な実施内容
[1]電力ネットワークの災害時の被害状況と対応に係る情報収集・分析
[2]現地配電組合の防災対策、災害発生時の復旧能力に関する評価に基づく格付制度の適用可能性の分析
[3]格付制度に基づくインセンティブ制度(金融優遇条件)の検討
[4]格付・インセンティブ制度の導入に係る計画案、各種マニュアルの策定
(2)調査地域
マニラ、タクロバン、ダバオ
(3)調査期間
平成27年2月~27年11月(10ヵ月)
(4)実施体制
当社が幹事会社となり、(株)日本経済研究所と共同実施
(5)受注額
約56百万円。このうち、当社分は約21百万円
【ブラジル】
超電導送電などの高効率送電技術導入検討のための情報収集・確認調査について
(1)具体的な実施内容
[1]ブラジルの中長期系統計画に基づく将来的な系統運用に係る課題の抽出
[2]長距離送電のために超電導技術を導入した場合の効果等に係る調査・検討
[3]将来的な超電導直流送電技術の適用を想定したコストの算定や各種規制面での課題の抽出・整理
(2)調査地域
ブラジリア、サンパウロ、クリチバ、イグアス、サルバドール
(3)調査期間
平成27年2月~28年1月(12ヵ月)
(4)実施体制
当社が幹事会社となり、(株)前川製作所、古河電気工業(株)と共同実施
(協力会社として1社が参画)
(5)受注額
約91百万円。このうち当社分は約71百万円
【カリブ海諸国(カリコム)】
再生可能エネルギー・省エネルギー分野の情報収集・確認調査について
(1)具体的な実施内容
[1]各国電力セクターにおける政策・諸制度に関する情報収集
[2]再生可能エネルギー・省エネルギーに係る開発ポテンシャルについての情報収集・分析および各国への適用可能性検討
[3]日本招聘研修
-再生可能エネルギー・省エネルギーに係る日本の制度・技術・取組事例の紹介および設備視察
-日本の保有技術についての理解促進
(2)調査地域
カリブ地域12ヵ国
|
アンティグア・バーブーダ、バルバドス、ベリーズ、ドミニカ、グレナダ、ガイアナ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、スリナム、トリニダード・トバゴ |
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(3)調査期間
平成26年8月28日~27年2月27日(6ヵ月)
(4)実施体制
当社が幹事会社として実施(協力会社として4社が参画)
(5)受注額
約1億円