船川神社 旧狛犬
(ふながわじんじゃ きゅうこまいぬ)

垂れた耳とユーモラスな表情が印象的な一対の狛犬。愛媛県東温市上村(うえむら)の船川神社で、下写真の新しい狛犬が作られるまで鎮座していたものです。
多くの狛犬は花崗岩(かこうがん)で作られていますが、この狛犬は砂岩でできているためもろさがあり、ひび割れや欠けが見られます。左側の口を閉じた「吽像(うんぞう)」は玉に乗り、右側の口を開けた「阿像(あぞう)」は頭を低くし後ろ足を立て、尻を上げたスタイルです。江戸時代末頃の作とみられています。
珍しい垂れ耳の他、大きなキバと見開いた目、少し上を向いた鼻の形で、愛嬌のある獅子頭のような表情をしています。胴体には、巻き毛を表す渦巻きと、狛犬には珍しく獅子舞衣装に描かれる唐草模様が刻まれています。
獅子頭風の表情や獅子舞由来の模様など、獅子舞に似た珍しい狛犬。船川神社の現在の狛犬と併せて鑑賞するのも一興です。

住所 | 愛媛県東温市見奈良509-3 |
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電話番号 | 089-964-0701 |
開館時間 | 9:00~17:15(入館無料) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は、翌日休館)、第3日曜日、毎月末日、年末年始、資料整理期間(3月中の12日間) |