今年で4回目を迎える学生のためのキャッチコピーコンテスト「平賀源内甲子園」。さまざまなメディアに取り上げられるなど、
毎回注目を集めているコンテストを支えているのが、香川のクリエイターでつくる「瀬ト内工芸ズ。」だ。
次世代の平賀源内を発掘しようと奮闘する、その取り組みを紹介する。
今年で4回目を迎える学生のためのキャッチコピーコンテスト「平賀源内甲子園」。さまざまなメディアに取り上げられるなど、
毎回注目を集めているコンテストを支えているのが、香川のクリエイターでつくる「瀬ト内工芸ズ。」だ。
次世代の平賀源内を発掘しようと奮闘する、その取り組みを紹介する。
平成25年、高松工芸高等学校の卒業生3人で結成した「瀬ト内工芸ズ。(以下:工芸ズ)」。デザイナーやフォトグラファーによるクリエイター集団で、現在は13人のメンバーで活動している。「メンバーにとって、工芸ズは仕事の枠組みから外れた部活動なんです」と、工芸ズの部長でデザイナーの村上モリローさん。「クリエイターの仕事をもっと知ってもらいたい」という気持ちから生まれる活動は多岐にわたり、これまでに瀬戸内国際芸術祭への出展や企業とクリエイターを結ぶマッチングイベント、オリジナルグッズの制作など、さまざまな活動を行ってきた。
平賀源内生誕の地、香川県さぬき市をPRしようと3年前にスタートしたのが、県内の学生を対象としたキャッチコピーコンテスト「平賀源内甲子園」だ。平賀源内は、江戸時代中期に博物学者や作家、発明家などとして活躍し、日本のダ・ヴィンチと称された、さぬき市出身の人物。「土用の丑の日」というPRによって、夏の土用に鰻を食べる風習をつくったことから、日本初のコピーライターともいわれている。その奇想天外な視点や発想に驚き、感銘を受けた工芸ズは「第二の平賀源内を発掘したい」と、学生からキャッチコピーを募集する企画を思いついたという。
「平賀源内甲子園」を通じて、学生にクリエイティブの面白さを伝えたいという村上さん。「平賀源内が奇想天外な発想で活躍したように、クリエイティブが地域や企業の力になることを知ってほしい。次の時代を面白くする奇才の登場に僕らは期待しているんです」と目を輝かせる。
香川県の特産品や県内企業の商品など、テーマに合わせたキャッチコピーの募集に対し、第1回は約2,000本、第2回は約5,000本の応募があった。昨年行われた第3回の募集には県内の中学校・高校・大学・専門学校の学生から8,366本ものキャッチコピーが集まった。審査には、日本を代表するコピーライターを特別審査員として招請。工芸ズのメンバーら全員で、キャッチコピー全てに目を通して厳選したものを、特別審査員とともに審査して優秀作品を選び、授賞式で発表した。グランプリを受賞したのは、介護靴メーカー・徳武産業㈱からの課題「シニア世代に靴選びの大切さを伝える」に対するキャッチコピー「腹が立つ、今までの靴に」。“さぬき市賞”にはさぬき市への移住促進キャッチコピー「今なら もれなく、私が居ます。」。“瀬ト内工芸ズ。賞”には香川県のオリーブをPRする「もう少しだった。オリーブ県」が選ばれた。特別審査員の小西利行さんは「学生時代にこういう機会を得られることは本当に恵まれている」と活動を絶賛。同じく岩崎亜矢さんは「プロ顔負けの作品もあった」と話し、作品への講評に真剣に耳を傾ける学生たちは「来年も応募したい」と意気込んでいた。
今年も開催に向け、準備が始まっている。「キャッチコピーを考えることで、知らず知らずのうちにその企業や社会、経済などに興味を持つようになると思うんです」と部員の松田享平さん。学校での認知度も回を増すごとに高まってきたと感じているという。
学生たちがクリエイティブな視点を持つきっかけともなるこの取り組み。これがきっかけとなって未来のクリエイターが生まれることを願いながら、工芸ズのメンバーは今後も活動を続けていく。
住所 |
第4回「平賀源内甲子園」授賞式会場(予定)(レクザムホール) |
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TEL | 087-845-0007 |
メール | setoco@scurto.jp |
URL | http://setoco.jp |
備考 |
第4回「平賀源内甲子園」 募集期間:平成30年8月31日~10月5日 授賞式:平成30年11月3日、レクザムホール |