現在、鬼北町の目玉イベントとなっているのが、平成27年度に始まった「愛ある鬼嫁コンテスト」。一見怖そうに見えても、夫のためを思い、あえて厳しい態度で接する愛情深い鬼嫁を全国から募り、鬼北町が「鬼嫁」に認定しようというイベントだ。「ゲームなどで鬼が活躍することもあり、若い層にとって鬼はカッコいい、強い、というイメージなんです。今と昔では鬼のイメージも理想の夫婦像も変わってきたからこそ注目されたのかもしれません」と稲屋さん。今では町外からも参加者、観客が集うイベントとなった。
第1回は5組、第2回は6組の参加者だったが、今年2月に行われた第3回は30組も参加。それまでの「鬼嫁部門」に加えて「鬼嫁の夫部門」や「鬼嫁の子ども部門」を増やしたことで、子どもから大人まで参加できるイベントになったという。審査は、声の大きさを数値化した上に、コメントの内容などをお笑い芸人を含めた審査員が評価している。鬼嫁部門のグランプリは、結婚式で夫に感じた「新郎が新婦より泣くなー! 私が泣けんやろー!」という心の声を観客席の夫に向かって絶叫した松澤美治佳(みちか)さん(松山市在住)。会場は温かい笑い声に包まれた。一方、第3回から設けられた鬼嫁の夫部門のグランプリは、18年間子どもたちの弁当を作り続けた古川真道さん(松前(まさき)町在住)の「いつも弁当を作らせていただき、ありがとう」。会場中の女性の支持を得た。