メニュー

電気とエネルギーのプロムナード 電気の道を守るラインマン
指導員の先輩(右)が、若手の作業を確認しながら自らの技術と知識を伝える
 発電所で作られた電気を各家庭へと届けるための送電線は、いわば「電気の道」。この電気の道を守る送電部門のスタッフを、愛称で「ラインマン」と呼んでいます。今回は、代々受け継がれるラインマンの「技術と思い」を次世代へと継承していく様子をご紹介します。

幅広い範囲を保守する徳島送電センター

四国電力徳島支社の徳島送電センターは、徳島市を拠点に南は高知県東洋町から、北は鳴門市までの送電線(亘長(こうちょう)約540㎞)と、それを支える鉄塔(約1,500基)を保守しています。送電線や鉄塔の巡視・点検は、地上巡視とヘリコプターで行う空中巡視、鉄塔上での点検などがあります。点検作業では、送電線および関連設備の劣化などを点検するため、わずかな設備異常や兆候を見逃さず察知する技術が必要とされます。そこで、同センターでは2年がかりの研修プログラムを組み、先輩社員の技術と知識、業務に対する思いを若手社員へ継承しています。

巡視や点検
ほとんどの場合、電気が送電線を流れている状態で鉄塔に登り、巡視や点検を行う。何より安全第一で業務にあたる

実践を通じての研修

研修プログラムは、ちょうどひと通りの仕事を覚えた入社4~5年目の若手社員が対象。一人前のラインマンになるためのステップアップに最適のタイミングで研修を実施しています。

研修では、高いもので100メートル以上もある鉄塔の上で、いつも通り胴綱に体を預けての保守・点検作業を実施し、その隣で各設備の正常な状態についての指導を受けます。指導員の片岡さんは、「鉄塔や送電線の正常な状態を理解することで、異常を見抜く力が身に付く」と教えています。設備の異常を早期に発見して軽微なうちに対応することで、大規模な停電を未然に防ぐことを指導しています。

また、片岡さんは、「暮らしのライフラインを守るのは私たちの大事な役目」と、自分たちが担っている責任の大きさも伝えています。台風が来れば会社で待機し、異常が発生した場合には深夜でも駆けつけるラインマン。その背中を押しているのは強い使命感です。

研修を受ける若手社員は、気になることは遠慮せずに質問し、必死に先輩に追いつこうとしています。研修が終われば、いよいよ一人前。研修中の髙野さんは「今度は自分たちの世代が中心になって『電気の道』を守っていくんだ」と、心に期しています。

鉄塔から鉄塔へ送電線が渡っているように、先輩から後輩へと受け渡されていく技術と思い。地域の皆さまに安心して電気を使っていただけるように、今日もラインマンが「電気の道」を守っています。

受け継いできたラインマンの使命感が、高さへの恐怖を克服させる
受け継いできたラインマンの使命感が、高さへの恐怖を克服させる
鉄塔の上では、胴綱に体を預けて半ば宙づり状態で作業を行う
鉄塔の上では、胴綱に体を預けて半ば宙づり状態で作業を行う
お互いを信頼し、息を合わせて行う保守作業
お互いを信頼し、息を合わせて行う保守作業。年齢を超えて絆が深まる。左から片岡さん(指導員)、佐古さん、髙野さん、佐野さん、林さん(指導員)