華やかなピンクのポロシャツで日々走り回る皆さん。それは「NPO法人 玉川サイコー」(以下:玉川サイコー)のメンバー。
長く親しんできたこの地域をさらに「最高」な町にするため、町の面白い資源を活かそうと奮闘する 今治市玉川地区の元気な人たちだ。
玉川サイコーは、町の課題を「再考」し、町を「再興」することで「最高」な町にしようという思いで集まった、正会員50人が所属するNPO法人だ。発端は、平成22年に市の活性化推進事業として、次世代に伝承するために、地区のホームページや冊子を制作した「玉川地域活性化協議会」。3年間の任期を終える直前、誰からともなく「解散したくない」「このまま続ける方向を目指そう」という声が上がったという。「メンバーは、玉川地区で生まれ育った人や嫁いできた人。結婚、子育てと、ずっとここで暮らしてきた。大好きな玉川をなんとかしたい! と一致団結したんです」。そう話す代表の井出サツミさんを中心に、平成25年「NPO法人 玉川サイコー」を設立。現在まで、試行錯誤を重ねながら地域の魅力を発信し続けている。
拠点は、美過疎(ぴかそ)通りにある元の玉川保健センター。廃止が決定した市の施設を「玉川サイコープラザ」として借り受け、地域の交流拠点に。主な活動は、年2回の機関紙「玉川サイコー便り」の発行と地域のイベントへの参加。拠点である玉川サイコープラザでは、定期的にイベントや講座を企画するなど、施設の運営ももちろん自分たちで行う。「春と秋は、ほぼ毎週末イベントに参加しています。子育て中と同じくらい忙しい(笑)」と広報を担当するメンバーの阿部友子(ともこ)さんは笑う。



玉川サイコーの発案で誕生したこの地区の名物が「玉川ダムカレー」。ダムカレーとは、その名の通り、ご飯を堤防に、カレールーをダム湖に見立てたもの。全国各地でさまざまなダムにちなんだカレーが生まれていることを知った井出さんたちは、ご当地グルメをつくりたいと頭をひねっていたこともあり「玉川ダムをモチーフにしたカレーをつくろう」と企画をスタートさせた。多くの店に協力してもらいやすいよう、地元の食材を使うこと以外の制約は極力少なめに。また、ダムの形をした器を地元の窯元に依頼し、製作。各店舗共通で玉川ダムカレーを提供する際に使ってもらうことにした。熱心な呼びかけに応え、参加したのは町内6店舗とイベント提供する3団体。
玉川サイコーもイベント時に販売する独自のカレーレシピを開発した。カレーについての豊富な知識を持ったカレーマイスターにも参加してもらい、何度も集まりコツコツと研究を重ねた。目指したのは、スパイシーなグリーンカレー。ブルーベリーをトッピングし、柑橘系の一種であるこぶみかんの葉をローリエ代わりに使うなど、地元の食材を盛り込んだ。このカレーを年2回開かれる「美過疎市(いち)」や全国からレーサーが集う自転車レース「ツールド玉川」などで提供することにした。
玉川らしさをプラスした本格派のカレーは大好評。イベントでも常に完売状態だ。昨秋、隣の朝倉地区で行われた「あさくらマルシェ」で玉川ダムカレーを提供した際には「今治にもダムカレーがあると知って前から食べてみたかった」いう声も聞かれた。「辛いっ」と言いながらも食べ続ける子どもや、一口食べて「おいしい」と声を弾ませる女性の姿も。「これからも“玉川ってこんないいところだよ”と伝えながら、玉川を元気にすることが玉川サイコーの役目」と井出さんは顔をほころばせる。そんな元気な人たちに会いに、玉川へサーイコー!




住所 |
愛媛県今治市玉川町大野甲95番地1
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開館日 | 月・水・金 |
電話番号 | 0898-39-1209 |
メール | info@tamagawa-net.jp |
URL | https://www.facebook.com/tamagawasaiko/ |