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電気とエネルギーのプロムナード
太陽光発電普及に伴う影響と取り組みについて
 太陽光や風力などで作った電気を一定期間、決まった価格で電力会社が買い取る制度(固定価格買取制度)が平成24年に導入されて以降、太陽光発電設備は急速に普及しています。四国の送配電網にも、最大で242万kW(平成30年12月時点)の電気を作ることができる太陽光発電設備がつながっています。
 今回は、太陽光発電が急速に普及することで及ぼす影響と、それに対する当社の取り組みについてご紹介します。
 太陽光発電と言えば、自然のエネルギーを使って発電するため、火力発電のように石油や石炭などの燃料費がかからないうえ、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンな発電方法として知られています。しかし、天候や時間帯によって発電量が大きく変化するなど自然条件に左右されるため、「調整」という視点でみると、非常に難しい発電方法でもあります。
 そもそも電気は、24時間365日、需要(電気を使う量)と供給(電気を作る量)のバランスが常に一致していないといけません。このバランスが崩れると、周波数や電圧が不安定になり、運転中の発電設備に影響を及ぼし、最悪の場合、運転停止に至ることもあります。
 つまり、太陽光発電が発電量を調整できない分、他で全体の発電量をコントロールしないといけないということです。そこで、当社では太陽光発電を最大限活用しつつ、四国全体の電気の需要と供給のバランスを保つために、次のような取り組みを行っています。
火力発電の出力(発電量)調整
 太陽光発電の出力に合わせて、発電量の調整がしやすい火力発電の出力を増減させることで、需要と供給のバランスを保つようにしています。
 具体的には、曇りや雨の時は、火力発電の出力を増やし、晴れた時には、出力を減らすことで、発電量全体の調整をしています。
揚水発電所の活用
 揚水発電所とは、水力発電所の一種で、発電所の上部と下部にダム(調整ダム)を作り、通常は、上部ダムから下部ダムに水を落として発電し、需要が低く、供給力に余裕のある時には、電気を使って下部ダムに貯まった水をくみ上げる、いわば、大きな蓄電池のようなものです。
 この発電所を活用して、太陽光発電の発電量が多い昼間には、下部ダムの水を上部ダムにくみ上げ、電気が足りない時に水を流して発電を行うことで調整を行っています。
他エリアへの送電
 「火力発電の出力調整」「揚水発電所の活用」を行ってもなお、四国エリア内で太陽光発電の電気を消費しきれない場合は、本州エリアに送電して有効に活用しています。
 しかし、これら3つの取り組みを行っても、電気の使用量が少ない春や秋には、発電量が需要を上回る状況になることも考えられます。このため、やむを得ず、一部の太陽光発電などの出力制御をお願いするかもしれません。
 安定した電気をお届けするためにも太陽光発電事業者をはじめとする皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いします。