![電気の交流と直流を交換](./img/promenade/h2_01.png)
徳島県阿南市にある橘湾石炭火力発電所。ここで発電した電気の一部は、対岸の和歌山県まで海底ケーブルを通じて送られています。その四国側の出入口となるのが阿南変換所。逆に関西地方から電気を受けることもでき、四国の電気の安定供給のために、非常に重要な拠点となっています。
変換所という名が示す通り、ここでは電気の交流と直流を変換することができます。交流⇔直流の変換は、半導体素子の一種であるサイリスタ(下の写真)を利用。世界最大級のものを採用することで、大容量の電気を変換できるのです。
![念入りな保守点検と訓練で安定供給に貢献](./img/promenade/h2_02.png)
所内には、変電所にある設備のほか、変換所特有の設備も数多くあることから、丁寧かつ慎重に保守点検を行っています。定期巡視は、一通り実施すると5日かかりますが、これを月2回実施しています。
また、実際に電気を送るにあたっては、関西側の窓口である関西電力紀北変換所(和歌山県かつらぎ町)とのチームワークが欠かせません。このため、シミュレーターを使った合同訓練を定期的に実施するなど、普段から連携を密にしています。
このほか、施設見学会も積極的に受け入れています。「実際に稼働している現場の設備を見て、変換所の大切さや魅力、役割を少しでも多くの人に知っていただけると嬉しいですね」と川村所長。取材時に見学会に参加していた地元の高校生も、「設備管理の徹底ぶりに驚いた。変換の原理も詳しく教えてもらい、とてもいい経験になった」と声を揃えます。
来年で20周年を迎える阿南変換所。今後も四国の電気の安定供給に貢献していきます。
![このサイリスタ960枚を使って140万kWの電力を変換](./img/promenade/pic_01.png)
![サイリスタはとても繊細で、厳格な温度・湿度管理が必要](./img/promenade/pic_02.png)
![定期巡視は声出し・指差しで確実に実施。「所員全員が使命感を持って業務に取り組んでいます」と、この春から変換所で勤務している綾さん(手前)](./img/promenade/pic_03.png)
![](./img/promenade/pic_04_pc.png)
![](./img/promenade/pic_04_sp.png)
![海に近い場所に位置するため、絶縁体に付着した塩分を洗い流す作業が月に一度行われている。高い水圧で洗浄される様は、見学者から大きな歓声が上がるほど圧巻の迫力](./img/promenade/pic_05.png)