キャッシュレス決済が推進される背景には、日本の現状が関係しています。少子高齢化が進む中、現金レジが消えれば、人員や作業も減らすことができます。
また、今後はたくさんの訪日外国人客がやってくると期待されるため、彼らの利便性を上げるためにも、キャッシュレス決済対応の店はこれからどんどん増えていきます。2025年までに、キャッシュレス決済の比率を現状の約2割から4割にまで上げるのが政府の目標です。
このところ「キャッシュレス」という言葉をよく聞くようになりました。“キャッシュレス決済で政府がポイント還元をしてくれる”や、“スマホで払える〇〇ペイ”など、どこか複雑なイメージを持っている人もいるのでは。でも、ご安心を。現在日本で使われているキャッシュレス決済金額の9割以上が、クレジットカードや電子マネーで行われたもの。これなら使っている、という人も多いのではないでしょうか?
キャッシュレス決済が推進される背景には、日本の現状が関係しています。少子高齢化が進む中、現金レジが消えれば、人員や作業も減らすことができます。
また、今後はたくさんの訪日外国人客がやってくると期待されるため、彼らの利便性を上げるためにも、キャッシュレス決済対応の店はこれからどんどん増えていきます。2025年までに、キャッシュレス決済の比率を現状の約2割から4割にまで上げるのが政府の目標です。
キャッシュレスを取り入れることで、私たち消費者が受けるメリットには次の点があげられています。
①割引が受けられたり、ポイントが貯まる
②財布がすっきりする
③ATMからの引き出し手数料がかからない
④お金を使った履歴が残る
中でも最大の魅力は、ポイントが貯まる点でしょう。支払い金額に応じてポイントが貯まり、ポイントを更に支払いに使うことができるのです。
2020年6月末までの予定で行われている政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」では、対象の店でキャッシュレス決済すると最大5%のポイントが付与されます。またコンビニも2%還元の対象になっており、キャッシュレスで支払うとレジで2%の割引が受けられてオトク。こうした割引やポイントは、現金払いにはない一番のメリットといっていいでしょう。
キャッシュレス決済には、クレジットカードやデビットカード、電子マネーさらにはペイアプリなどたくさんの種類があります。それぞれに個性があり、特徴を知っておくことも大切です。
自分には何が合っているのかを判断する手掛かりとしては、お金の管理のしやすさで選ぶという方法があります。家計管理のしやすさで即時引き落とし方式のデビットカードを選ぶ、使いすぎが心配だから事前チャージ方式を選ぶなど、実際にお金が動くのはいつか、という視点で考えるのです。
〇〇ペイと言われるスマホ決済アプリをダウンロードして使う方法は、歴史は浅いものの急速に浸透してきている決済方法です。スマホ上にバーコードを表示しレジで読み取ったり、店のQRコードを読み取ることで決済。ペイアプリにクレジットカードや銀行口座を登録する必要がありますが(現金チャージ対応もあり)、決済で還元されたポイントを次の支払いに使えたり、割引クーポンがスマホに届いたりするので便利です。
クレジットカードや電子マネーに比べると使える店はまだ多くありませんが、「20%還元」など高い還元率のキャンペーンを頻繁に行っています。様々なアプリがありますが、付与されたポイントは合算できないので、できれば2種類以内に絞るのがおすすめ。選び方の目安は、まず使える店が多いもの、とくに普段買い物をしている店で使えるかどうかは重要です。次に、自分が利用している生活サービスに近いもの。例えば携帯電話会社が提供するアプリから選べば、毎月の通信料金ごとにつくポイントが支払いに使えたりします。ネット通販やフリマアプリをよく利用する人なら、そこで貯まったポイントが使えるものを選ぶと効率がよく、節約にもなります。
松崎 のり子 noriko matsuzaki
消費経済ジャーナリスト。生活情報誌の副編集長として20年以上、節約・マネー記事を担当。 雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。著書に『定年後でもちゃっかり増えるお金術』『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(以上、講談社)など。