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ジャンピングふるさと
左から初代会長の秦さん、副会長の吉田さん、現会長の中川さん

美馬市が誇る夏の味覚
地域ブランド「ブルーベリー」誕生物語

美馬市ブルーベリー研究会

徳島県の北西地域にある美馬市。
剣山系を有する土地ならではの寒暖差を活かし、
ブルーベリーを新たな特産品にしたいという思いから創設されたのが「美馬市ブルーベリー研究会」だ。
会員同士での情報交換会やブルーベリー栽培の専門家による講習会などを開催してきた。
地道な努力が実を結び、現在、美馬市のブルーベリーは、
徳島県の認定する「とくしま特選ブランド」にも選ばれている。

知恵を持ち寄りながら
より良いブルーベリーを

徳島県美馬市は、平成17年に美馬町・脇町・穴吹町・木屋平村(こやだいらそん)の4町村の合併によって誕生した市。「美馬市ブルーベリー研究会」の前身となる「木屋平ブルーベリー研究会」が結成されたのは、その4年前にさかのぼる。木屋平村で生まれ育った初代会長の秦豊治(はたとよはる)さんが、地域の高齢化によって耕作放棄地が増えることを懸念してブルーベリーを試験的に植えたのがきっかけだ。ブルーベリーを選んだのは、樹高が低いため、年齢を重ねても手入れや収穫がしやすいことから。さらに「ブルーベリーは他の果樹より酸性の土地を好むのが特徴。この地域はブルーベリーの栽培に適していたんですよ」と秦さん。山の斜面に植えた20本の木々が順調に育ったため、近隣6戸の農家へブルーベリーの栽培を呼びかけ、研究会が発足した。町村合併後は、市内各地の農家へも栽培を呼びかけるとともに「美馬市ブルーベリー研究会(以下:ブルーベリー研究会)」として新たなスタートを切った。

美馬市のブルーベリーは、実が大きいのが特徴。サイズは収穫時期によって異なるが、中には500円玉サイズの実も

現在、「ブルーベリー研究会」に所属するのは市内外の20軒。会員を市内に限定しない理由は、良いブルーベリーをつくるためには栽培をしている誰もが情報交換できるほうがいい、との思いからだ。会員が集まるのは年に数回だが、毎年、広島県などブルーベリーの栽培が盛んな地域へ視察に行ったり、他の地域の農家に栽培方法や剪定のレクチャーを受けたりと、設立当初から研究熱心さは変わらない。

平成30年には、四国大学短期大学部 人間健康科 食物栄養専攻の学生に、ブルーベリーを使った新たなレシピ開発を依頼。若い感性によって生まれたレシピ集を販売時に配布した。「そのまま食べる以外にもアレンジしておいしく食べてもらえれば」と現会長の中川章(あきら)さんは話す。

秦さんのブルーベリー畑で。地域の未来を思い、地域の特性を活かした特産品を生み出す礎を築いた功労者だ

栽培を始めて20年
美馬市の特産品に成長

現在では、美馬市の特産品として「ふるさと納税」の返礼品にもなっているブルーベリー。場所によって気温差があるので栽培する品種も収穫期も生産者ごとに違う。初夏から収穫できるハイブッシュ系と収穫期の遅いラビットアイ系を栽培しているので、6月から9月中旬までフレッシュなブルーベリーを出荷できるのも強みだ。

また、美馬市の観光の目玉となっているのが、ブルーベリーの摘み取り体験。シーズンになると県内外から多くの観光客が訪れる。中川さんら仕出原(しではら)自治会が運営する「仕出原ブルーベリー観光農園」では長い期間、摘み取り体験を楽しんでもらいたいと、9種類、計240本を栽培している。ブルーベリーを育てる副会長の吉田文昭さんは、夏休みの時期に合わせて観光農園「ベリーベリーファームわきまち」をオープン。「新鮮なブルーベリーを思い切り食べられるとあって、家族連れや若者たちも美馬市に足を運んでくれる。観光資源としての魅力がブルーベリーにはあるんです」と吉田さん。

20年余りの歳月をかけ、美馬市の誇る特産品として定着したブルーベリー。その陰には、無農薬栽培への取り組みや、フルーティで大きな果実を提供するための丁寧な剪定など、会員それぞれの努力があった。

「これまで受け継いできたバトンを次の世代に渡すためにも、ブルーベリーを守り続けていきたい」と力強く話す中川さんと吉田さん。すくすくと育ったブルーベリーが、今年も収穫期を迎える。

9種類ものブルーベリーを栽培する「仕出原ブルーベリー観光農園」での摘み取り体験の様子。子どもも大人も夢中になれる
9種類ものブルーベリーを栽培する「仕出原ブルーベリー観光農園」での摘み取り体験の様子。子どもも大人も夢中になれる
「仕出原ブルーベリー観光農園」近くにある「リバーサイドしでの家」。穴吹川の河原でキャンプや水遊びが楽しめる

お問い合わせ

美馬市ブルーベリー研究会
URL http://www.city.mima.lg.jp/kankou/kankouannai/asobu/buluberrypicking.html
仕出原ブルーベリー観光農園(ブルーベリー摘み取り体験)
住所

美馬市穴吹町口山仕出原175-1

電話番号 090-2783-9755
開園期間 6月中旬~8月中旬の土日祝日
開園時間 8:00~17:00
受付方法 電話予約
備考

大人(中学生以上)1,000円/小学生500円/小学生未満無料
※おみやげ用100gパック付

ベリーベリーファームわきまち(ブルーベリー摘み取り体験)
住所

美馬市脇町北庄629-2

電話番号 0883-55-0515
開園期間 7月中旬~8月末
開園時間 9:00~18:00
受付方法 電話予約
備考

大人(中学生以上)1,000円/小学生500円/小学生未満無料
※おみやげ用100gパック付

とよ里農園(購入のみ可能)
住所

美馬市木屋平字太合カケ429

電話番号 0883-68-3176
開園期間 7月上旬~9月中旬
開園時間 10:00~17:00
受付方法 電話予約
備考

100gパック350円

開園状況、開園時間等はホームページでご確認ください。