熟成促進装置
エイジングブースター
一般的な熟成法に比べて極めて短期間で熟成が可能に。鮮度を保ったまま余分な水分を取り除くことで素材本来の旨味を際立たせる
長年培った計測・制御技術を食の分野に活かす
四国計測工業では、30年ほど前から、電子レンジでも使われる「マイクロ波」を活用した装置の開発に取り組んでいます。開発者の香川英二さんは、長年培ったこの技術を、別の分野に応用できないか模索を続けてきました。そんな中で生まれたのが「肉の熟成も可能なのではないか」という発想でした。平成29年に研究開発に着手したものの、どのように食材を均一に熟成するかという点で壁に直面。マイクロ波の照射が最適となるように、熟成庫の大きさやマイクロ波の制御方式を工夫するなど試行錯誤を繰り返し、食材の表面温度と内部温度を個別に制御する、独自の技術を約3年の歳月をかけて確立しました。
エイジングブースターの特長は、短期間で、かつ安心・安全な熟成ができるという点。従来の方法で牛肉を熟成した場合、温度・湿度・風量をコントロールした環境下で、1~2℃の低温状態を保ったまま、2週間から数カ月の時間がかかります。一方、この装置では、食材の表面は低温を保ちながら、内部温度を10℃前後にすることで酵素を活性化。これにより、3~7日での熟成が可能になります。柔らかさ、旨味を向上させることができるうえに、肉表面をカットする量が従来の方法に比べて少なく、フードロスの低減にもつながります。牛や豚などの肉はもちろん、魚介類や生ハムなどの加工品、チーズなどの発酵食品にも応用できるということも利点です。

新鮮と熟成のコラボ。
厨房は感性と科学の実験室
現在、四国内でエイジングブースターを使用している飲食店は3店舗。高松市片原町にあるイタリア料理店「アルヴェッキオ ドゥオモ」では、さまざまなメニューが提供されています。店主の小川翼シェフは、元々、熟成には否定的だったそう。しかし実際にエイジングブースターを使ってみると、新鮮な食材が、熟成が進むことで、よりおいしく食べられることに気がつきました。「適度に食材の水分が飛ばされるため、旨味が凝縮され、塩味がまろやかになり、口当たりも変わるんです」と話します。また、最先端の技術が使われたこの装置を地元香川の企業が作りあげたということに、共感と関心を持ったことも導入する一因となりました。今では、「熟成」の可能性をさらに広げるべく、肉やチーズだけでなく、パスタやワイン、旬の野菜でも挑戦しています。





熟成革新をもたらした「エイジングブースター」。今後のさらなる販路・ラインナップの拡大を模索中です。
住所 |
香川県高松市片原町10-18 |
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電話 | 087-802-3130 |
URL | http://al-vecchio-duomo.com/ |

発電所や電力輸送関連などの設備の製造・工事・保守をはじめ、計測・制御の技術を活用し、産業用機器の製造に携わっています。
また社員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、働く環境や制度面などにおいても取り組みを実践しています。



業務や気分に応じて社員が柔軟に働けるワークスタイルの実現を目的とし、フリーアドレスでカフェのように居心地が良くリラックスできるオフィス。自然災害や新型コロナウイルス感染拡大防止対策にも活用できる分散勤務地としての役割も担う
四国計測工業について更に知りたい方はHPをご覧ください。
https://www.yonkei.co.jp
