四国電力グループの伊方サービスでは、伊方発電所の運営に関する事業のほか、地元の特産品を使った商品開発など、地域に関連する事業を行っています。そんな伊方サービスが昨年スタートさせたのが、みかんの栽培。同社の新たな取り組みをご紹介します。
地元で採れる
美味しいみかんを守りたい
四国最西端、日本一細長い佐田岬半島とその付け根部分は「八西(はっせい)地域」と呼ばれ、日照量が多く温暖で少雨であることから、良質なみかんの栽培が行われてきました。しかし近年は、作業が重労働であることや高齢化、後継者不足などの理由により、耕作を休止するみかん園が増加。そのため、近隣の農家で共同使用している設備の費用負担や、休止園地の樹木の伐採などの新たな問題が生じてきました。
伊方サービスは、みかんの園地で使用するスプリンクラーの点検・修繕や、みかんの製品開発などの事業に携わる中で、そんな農家の現状に気づきました。「地元企業として農家さんを助け、佐田岬半島で採れる素晴らしいみかんを守りたい」という思いから、昨年、離農を考える農家から園地を借り受けて、みかんの栽培事業に新規参入することを決めました。
伊方サービスがつくるのは温州みかんの早生(わせ)と呼ばれる品種。甘味と酸味のバランスが良いのが特長です。栽培担当者として社内から抜擢されたのは、前向きでバイタリティ溢れると定評のある窪内恒夫さん。これまで伊方発電所の水質検査や土壌測定業務に携わってきた技術部門出身の窪内さんにとって、みかん栽培は全く縁のない領域。「とにかく最初はみかんのことを知ろう」と、周辺農家やJAの方々の指導のもと栽培に関するノウハウなどを実地で学びました。



できることから少しずつ
将来的には農家支援となれる取り組みを
伊方サービスが栽培するみかんの園地は、伊方町内と八幡浜市内に3カ所あり、総面積は約90アール。
みかんの栽培といっても、まずは耕作放棄寸前の荒れた園地を整備することからスタートしました。窪内さんを含め農業未経験だった社員3人は、広大かつ急傾斜の土地の下草刈りや枝切りを実施。「最初は農作業というより木こり。伐採作業がとにかく大変でした」と窪内さんは振り返ります。整備後には、それぞれの園地の土壌成分や水はけの具合を調べたり、気候や日照条件に合った手入れの仕方や最適な摘果方法を模索したりしながら、できることから少しずつ取り組み、みかんの成長を見守りました。台風や病害虫の被害にも見舞われましたが、初めてのみかんは、秋に無事収穫を迎えました。「社員が手塩にかけ、一つずつ丁寧に育てた初めてのみかん。多くの皆さんに味わっていただけてうれしい」と窪内さんは満面の笑顔。
1年目の収穫を終えた今は、種々の課題等を洗い出し、次のシーズンに向けて、より収穫量が確保できるよう、最適な栽培環境の実現に向けて検討を重ねています。「農家の皆さんの経験を、伊方サービスが科学的な視点で可視化することで、みかん栽培をよりシステマティックなものへと変え、さらに省力化することもできたら」というのが窪内さんの目標。
地域と共に生きる企業として、地元を支え、地元を元気づける活動となることを信じ、伊方サービスの取り組みはこれからも続きます。





オンラインショップで地元の特産品を全国に届けています!
オンラインショップで地元の特産品を
全国に届けています!
伊方サービスでは、地元の方々と共同で特産品の発掘や企画、開発を行い、同社が運営するオンラインショップ「四国のしっぽ」で全国各地に商品をお届けしています。美しい自然が広がる佐田岬半島は、みかん以外にも新鮮で豊かな幸に恵まれていますので、ぜひチェックしてみてください。
日本酒「八西」

「柑橘ジャム」

「柑橘ジュース」
