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プロムナードタイトルロゴ 関西電力送配電で使用されている材料等を用いて電線の取り付けを行う
関西電力送配電で使用されている材料等を用いて電線の取り付けを行う

送電線や変電所、配電線の保守・管理業務を行う四国電力送配電。同社を含め全国には、「一般送配電事業者」と呼ばれる事業者(以下、「送配電会社」。)が10社あり、各社はそれぞれの供給エリアの中で電気を安定的にお届けする使命を担っています。
一方で、台風や豪雨などにより大規模な停電が発生した場合は、エリアの垣根を越えて相互応援を行うなど、協力しながら早期復旧に取り組んでいます。
今回は、大規模災害に備えた取り組みの一つをご紹介します。

一般送配電事業者と供給エリア

過去に例のない災害を経験し、
見えてきた課題

関東各地で記録的な暴風が吹き荒れ、千葉県・神奈川県を中心に最大93万戸と近年にない大規模な停電が発生した令和元年の台風15号(房総半島台風)。四国電力(当時)をはじめ全国の電力会社からも復旧応援に駆け付けました。

倒木等の影響により、至るところで電線が切れたり電柱が折れたりするなど、大きな被害が発生する中、被害状況の把握等に時間を要しました。また、いざ復旧作業となっても、作業手順や電線材料、工具の違いから、思うように復旧が進まないなど、いくつかの課題が明らかになりました。

そのため、送配電会社10社は、災害時の連携に関する枠組みを再点検し、令和2年7月、より迅速な復旧に向けて「災害時連携計画」を新たに取りまとめました。

迅速な復旧に向けて新たに整理した主な取り組み

1.復旧方法の統一(仮復旧工法の原則化)

2.設備仕様(仮復旧工具等)の統一

3.被害情報等の現場情報収集のシステム化

4.電源車の稼働状況等のシステム化

5.電源車等の燃料確保方針

6.連携事例集の策定(関係機関との連携)

7.共同訓練の実施

復旧応援訓練を通して、
災害に備えた決意を新たに

昨年11月、この連携計画に基づいた10社共同の復旧応援訓練を実施。大規模災害時においても、各社が素早く応援体制を整え、スムーズに復旧作業が可能であるか改めて確認をしました。

今回の訓練は、新型コロナウイルス感染症対策のため、10社が1カ所に集合する形式を変更。それぞれの会社で実働訓練を行い、その後、WEB会議で相互の連携や実働訓練の結果を確認する方法で実施されました。各社の実働訓練では、他社エリアで実際に使われている電線材料や工具などを使い、切れた電線の復旧作業や発電機車を使った応急送電を行いました。

WEB会議で訓練の結果について各社と意見交換を実施
WEB会議で訓練の結果について各社と意見交換を実施

四国電力送配電の実働訓練には、高松支社や徳島支社などから24人の配電部門社員が参加。入社2年目の森末陽太さんは新たに作られたマニュアルを参考に、一連の復旧作業を真剣にこなしました。「マニュアルでは、作業手順がわかりやすく説明されており、問題なく作業できた」と訓練の様子を振り返りながら、「実際に災害が起こった際には、安全かつ迅速に対応したい」と、早期復旧に対する意気込みを語りました。

復旧応援訓練の様子
高松市にある訓練施設で行われた復旧応援訓練の様子
応急送電のための作業を行う森末さん
応急送電のための作業を行う森末さん

四国電力送配電を含む全国の送配電会社10社では、平時における備えをより充実させるとともに、各社間のみならず国や地方自治体などとも更なる連携を図り、災害時の迅速な復旧に向けた取り組みを強化していきます。