私は「人の原風景」をテーマに、アダムとイブがエデンの園を降りる場面などを描いていました。現在では愛媛県今治市の大島で、人里離れた場所で生活しているため、モチーフが人から山に変わりましたが、「原風景」という意味では同じと考えています。作品中の飛んでいる赤いドレスは、ガルシア・マルケスの小説「百年の孤独」に登場する昇天の美女のイメージです。山は現実の山ではなく、時間や場所を越えた「山のようなもの」を表現したいと思っています。
「或る日⑥」
2018年制作 縦242×横334㎜ 日本画 アートクロス・岩絵の具

2001年~大島窯勤務。1992年度よんでん文化振興財団奨学援助生。
「ふるさと美術の森」 では、よんでん文化振興財団の顕彰者や奨学援助を受けた芸術家の作品を紹介しています。
よんでん文化振興財団は、四国地域における芸術文化の向上に協力し、真に豊かでゆとりのある地域社会の実現を願って、1991年に四国電力が設立した財団です。奨学援助、顕彰、コンサート、美術展の開催などの事業活動を行っています。