四国各地には、さまざまな魅力を持った「e」場所があります。
そこは、電気(electricity)を
うまく活用している場所でもあります。
その気になるポイントを訪ねる「eしこく探訪」。
隠れた魅力のヒミツに迫ります。
人にも環境にも優しい
次世代型リゾートホテル
ホテル古湧園(こわくえん) 遥(HARUKA)
エネルギー消費量
ゼロを目指す
最新の環境配慮型ホテル
万葉集にもうたわれた日本三古湯の一つ、道後温泉。「ホテル古湧園 遥(HARUKA)」は、温泉街のシンボル、国の重要文化財「道後温泉本館」から徒歩1分の好立地にあり、松山城を中心に広がる城下町を一望する絶景と温泉を楽しむことができるリゾートホテルです。
1962年(昭和37)にオープンした「ホテル古湧園」は、新築、リニューアルを重ね、道後温泉を代表する観光ホテルとして歩んできましたが、昨年秋、遥(はる)か未来までお客さまに愛されるホテルでありたいとの思いを込め「遥」と1字を加え、最新の環境配慮型ホテルに生まれ変わりました。
省エネによって建物で使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることを目指したNet Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)、略称ZEB(ゼブ)の認証を受けた愛媛県初の環境配慮型ホテルです。温室効果ガス排出量の大幅な削減が高く評価されています。
社長の新山富左衛門さんは、「日本の観光業界でも環境問題に高い意識を持って取り組んでいるという姿を海外に示したかった」とZEB導入の動機を語ってくれました。

安全・安心をベースに
IHの利点を生かし
幅広いメニュー作り
ホテルが目指したのは、環境問題への配慮だけではありません。お客さまの安全・安心と従業員の働きやすい職場づくり。万一の火災や災害に備えて炎の出るボイラーを使わず、源泉から引いた温泉水の温度管理はヒートポンプのチラーユニットと太陽光集熱パネル、客室と厨房の給湯はエコキュート、厨房の主な調理器にはIHを導入しました。
調理部長の村上浩司さんは、「IHは表面がフラットで、錆(さび)が出ないし、拭き残しもないので実に衛生的。スタッフにとっては、何より掃除が楽になりました」と、IH導入が従業員の労働負担の低減にもつながったと言います。

ホテルに宿泊するお客さまの楽しみの一つが料理。厨房で陣頭指揮を執る村上さんは、カリフォルニアで日本料理に腕を振るったこともある国際派。和食、フレンチ、イタリアンと自在にこなす実力者です。
「電気調理器は、低温調理に威力を発揮します。分厚い肉でも、中まで均一に火が通ります。ステーキの場合、表面をIHで素早く焼いてうま味を中に閉じ込め、次にスチームコンベクションオーブンに入れて75℃から80℃の低温でじっくり蒸気で加熱すれば、表面は焦げ目がついて、中はレアなステーキの完成です」と村上さん。また、『サワラの瞬間焼き』にも、村上さんならではの工夫が隠されています。サワラをたたき状態に仕上げるには、本来なら氷水に浸すのをブラストチラーで急速冷凍することで、水っぽくなるのを解消しています。「料理は工夫次第。IHを駆使すれば、お客さまの嗜好に合わせて同じ食材でも一味も二味も違った料理を提供できます。それに、経験の浅いスタッフも温度調節が数字で示せるので、レシピさえ用意すれば、新たなメニューの指導もスムーズです」と後進の指導にも意欲的な村上さん。
今日も、お客さまの旅の思い出の一つに加えていただける料理を提供したいと厨房での奮闘が続きます。





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電話番号 | 089-945-5911 |
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