「光老化（ひかりろうか）」とは、長年紫外線を浴び続けることにより、肌に活性酸素が生じ、そのダメージが体に蓄積されて引き起こされる老化現象のことを指します。肌の老化には、大きく分けて光老化と加齢による老化の2つがあり、光老化が約8割を占めているといわれています。光老化による肌の老化現象には、シミや深いシワ、たるみなどがありますが、白髪や白内障、皮膚がんなどの原因となる可能性も指摘されています。しっかりと紫外線を防止することは、若々しい肌や健やかな頭皮環境を育み、目や体の健康にとっても大切です。

紫外線対策の主役は、日焼け止めです。いくつかの種類を、シーンや体のパーツによって使い分けるようにしましょう。例えば、しっかりと汗をかく運動やマリンスポーツなどを楽しむときには、水に強く、落ちにくいウォータープルーフでSPF※1値やPA※2値が高いものを選びましょう。近所への外出程度ならSPF値やPA値は最高値の半分以下のものでも十分に紫外線防止効果が期待でき、肌負担も抑えられます。

敏感肌の方は、ノンケミカルで石けんでオフできるものを選ぶと肌への負担が軽くなります。乾燥肌の方には油分の多いクリームタイプが、脂性肌の方には油分の少ないジェルタイプがおすすめです。意外と忘れがちな頭皮や髪への紫外線対策には、手軽なスプレータイプがぴったりです。また、使用する日焼け止めによりますが、3時間を目安に塗り直すことも習慣にしましょう。

実は日焼け止めを塗るだけでは、紫外線対策は十分とはいえません。紫外線は目からも入るため、外出時にはサングラスをかけることが大切です。サングラスは、できるだけ面積が広く、紫外線が目に入り込む隙間が出来にくいデザインのものにしましょう。また、使用シーンに応じたカラーや紫外線透過率※3の低いレンズを選ぶことも大切です。

このほか、地面からの照り返し、頭皮や髪、体にもしっかりとした対策を取る必要があります。日焼け止めを塗りにくい部分には、帽子や日傘、アームカバーなどを使用し、日差しが直接当たらないようにしましょう。生地は、紫外線カットのものや完全遮光タイプのものを選ぶとより高い効果が期待できます。

どんなに万全に対策をしても、完全に紫外線の影響を防ぐのは難しいもの。そのため、体の内側からのケアも重要です。高い抗酸化作用がある栄養素には、紫外線によって生じた活性酸素のはたらきを抑える効果があるため、日々の食事やサプリメントで積極的に摂取しましょう。例えば、アセロラやキウイフルーツ、レモンなどに豊富に含まれているビタミンCには、シミの原因となるメラニンの生成を抑える効果が期待できます。

しかし、これらの栄養素は一度にたくさん摂っても体外に排出されてしまうため、こまめに取り入れる必要があります。毎日フルーツを食べるのが難しい場合は、吸収率が高いといわれるリポソーム化（カプセル化）されたサプリメントの摂取もおすすめです。

このほか、トマトやスイカ、鮭、にんじんなど赤い食材に含まれるアスタキサンチンやリコピンにも高い抗酸化作用があり、紫外線対策におすすめです。ぜひ心掛けて摂取しましょう。