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サイズ:縦9.8×横9.8×厚み0.9㎝

いぶし銀の輝きが涼を呼ぶ
菊間瓦のコースター

愛媛県今治市菊間町で750年以上前から製造されている菊間瓦。焼き上げの最後に煙でいぶして仕上げる‟いぶし瓦”の一種で、1980年(昭和55)には県の伝統的特産品にも指定されました。瀬戸内海に面した菊間町は、温暖少雨で瓦の乾燥に適しており、燃料となる松材が豊富だったことや、船での輸送に便利だったことからいぶし瓦の一大産地となりました。その品格ある美しさは全国に知られ、皇居や格式ある寺社で御用瓦として重宝された歴史もあります。

同町で300年続く小泉製瓦の10代目・小泉信三さんは、2010年(平成22)にかつての屋号「かわらや菊貞(きくさだ)」を復活させ、日用品など、屋根材にとどまらない新たなアイテムを生み出しています。写真のコースターはデザインから焼き上げまでの全工程を小泉さんが担っています。表面のグラデーション模様は、重ねて焼成(しょうせい)することで生まれます。周縁(しゅうえん)は煙でいぶされるのに対し、重なり合った中心部分は素焼きの状態となるため、グラスに付いた水滴をすばやく吸収するという実用性も兼ね備えています。いぶし銀の輝きときめ細かな質感は、他の焼き物にはない独特なもの。「菊間瓦の美しさを手元に置いて実感し、まずは興味を持ってもらえたら」と語る小泉さん。近年では砥部焼とコラボした酒器セットやアウトドアで使える焼き物用瓦を開発。新しいアイデアで数々の賞を受賞するなど、菊間瓦の可能性を大きく広げています。

「お酒がなじみまろやかになる」と好評の酒器など、一つずつ手作業で制作している
小泉製瓦有限会社(かわらや菊貞)
住所 愛媛県今治市菊間町浜13-1
電話番号 0898-54-2313