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ジャンピングふるさと 舞台芸術の聖地を目指して アートヴィレッジとうおん 舞台芸術の聖地を目指して アートヴィレッジとうおん
自治体職員、地域おこし協力隊、俳優をはじめとする舞台関係者などで構成された「とうおんアートヴィレッジフェスティバル」推進メンバー。それぞれ立場や役割は異なるが、ひとつのものを真剣に創り上げていく仲間

舞台芸術の聖地を目指して

アートヴィレッジとうおん

2017年(平成29)にスタートした「アートヴィレッジとうおん構想」は、他とは違う魅力を打ち出し、普遍的に人を呼び込めるようにまち全体をブランディングしていこうというまちづくりプラン。地方にはあまりない本格ミュージカル劇場「坊っちゃん劇場」と行政が連携し「舞台芸術への入り口」になる文化交流拠点を設けることで、舞台芸術のまちという独自の価値を浸透させるため、日々奮闘している。

ART VILLAGE TOON

2017年(平成29)にスタートした「アートヴィレッジとうおん構想」は、他とは違う魅力を打ち出し、普遍的に人を呼び込めるようにまち全体をブランディングしていこうというまちづくりプラン。地方にはあまりない本格ミュージカル劇場「坊っちゃん劇場」と行政が連携し「舞台芸術への入り口」になる文化交流拠点を設けることで、舞台芸術のまちという独自の価値を浸透させるため、日々奮闘している。

ART VILLAGE TOON

舞台芸術を鍵として多様な人材が集う場所に

舞台芸術とは、演劇やミュージカル、バレエなど、舞台や空間の中でさまざまな身体表現を行う芸術の総称。欧米ではパフォーミングアーツと呼ばれ学問としても確立されているが、舞台を気軽に観る機会や場所が少ないこともあり、日本では身近とは言い難い。そんな中、愛媛県東温市にある「坊っちゃん劇場」では、毎年、多数の俳優や専門人材が滞在しながら本格的なミュージカルを提供し続けてきた。「この経験を活かして、舞台芸術に関わる仕事を創出し、活躍の場を求めているアーティストが集う場に。そして、その舞台を観に東温市を訪れた人たちにも、このまちの魅力を感じてもらえるように」との思いから策定されたのが「アートヴィレッジとうおん構想(以下:とうおん構想)」だ。

2018年(平成30)4月、「坊っちゃん劇場」に隣接する商業施設の空きスペースを使って、「とうおん構想」の中核を担う文化交流拠点「東温アートヴィレッジセンター シアターNEST(以下:NEST)」が誕生した。スタッフは、「坊っちゃん劇場」でも活躍する現役の俳優や技術者、演出家など。同劇場で長く運営に携わり、現在は「NEST」センター長を務める坂井仁さんは「本格的な舞台芸術に取り組めるとあって、年々、地方とは思えない多様な人材が集まってきた」と笑顔を見せる。

「NEST」では開館以来、年間を通じてさまざまなジャンルの舞台芸術を楽しめる『とうおんアートヴィレッジフェスティバル』を開催。地域おこし協力隊のメンバーや市民劇団、東温市やその近郊に定住する俳優が企画し、ミュージカルやコント、落語などの公演を行っている。さまざまなジャンルを体感してもらい、舞台芸術について知ってもらおうと、スタッフ一丸となって、毎年企画に取り組んでいる。

坂井さん(右)と斉藤さん。「地域の人たちにとっては、舞台芸術に初めて触れる場所であると同時に、俳優や演出家、技術スタッフには、舞台関連の仕事ができる場として広まってほしい」と話す
ショッピングモール2階に位置する「NEST」。公演の場となるシアター(小劇場)と自由な芸術活動を可能にするアトリエ、レッスン場にもなるリハーサルホールの3つの施設を持つ
「NEST」横にある、「とうおん構想」を担当する地域おこし協力隊の詰所。舞台芸術に関わる人材が運営管理に携わっているのも「NEST」の特徴
本格的な創作活動や公演だけでなく、気軽に楽しめる演劇体験やワークショップなども定期的に開催されている

プロの舞台俳優が生まれる日を期待

「NEST」の誕生と並行してスタートしたのが『とうおん舞台芸術アカデミー(以下:アカデミー)』。西洋的な身体表現の基礎となるバレエや柔軟性を高めるジャズダンス、芝居の基礎となる民話劇などの講座を設け、舞台芸術に共通する基礎を、指導者としての経験もある現役俳優やダンサーが直接指導し、人材育成を行っている。受講者は小学生から80代までさまざま。講座を経て市民ミュージカルを経験した人の中には、プロの俳優を目指す小学生や将来は地元に戻り「NEST」を盛り上げたいと大学で舞台芸術を学ぶ学生もいるという。

昨年度から、「アカデミー」で朗読やシェイクスピア作品を題材とした講座を行うのが、俳優・演出家の斉藤かおるさん。大学時代から劇団シェイクスピア・シアターの役者として活動してきた斉藤さんは、俳優などの人材を育成する機関や演劇に関する職業の少なさを実感していたという。「NEST」の存在を知った斉藤さんは「演劇を志す後進たちをサポートしたい」と東温市地域おこし協力隊に入隊。「シェイクスピアは喜劇作品も多い。敷居が高そうというイメージを取り除くことができれば」と指導に励む。最初は恥ずかしそうに演じていた受講者も次第に役に没頭し「演じる楽しさを知った」という声も聞かれる。今年5月に行われた「アカデミー」発表会では「知り合いが出ているから観にきたけれど、面白かった!!」という感想が観客からも多く寄せられた。

「舞台芸術は、まちの風土や文化、魅力との親和性が高い。ここならではの舞台芸術を創るためにも、まずは身近に感じてもらえれば」と坂井さん。舞台芸術の聖地としてスポットライトを浴びる日に向けて、一歩一歩前進していく。

今年5月に行われた「アカデミー」発表会の様子(大人のための朗読〈1〉、東温でつくるシェイクスピア〈2,3〉)
「とうおんアートヴィレッジフェスティバル 2022」で9月下旬公演予定の「伊予の国シェイクスピア『間違いの喜劇』」オーディションでの演技指導の様子

お問い合わせ

東温アートヴィレッジセンター シアターNEST
住所 愛媛県東温市見奈良1125 レスパスシティ/クールス・モール2F
電話番号 089-990-7210
URL https://art-village-toon.jp
メール info@art-village-toon.jp
撮影のためにマスクを外している場合があります