愛媛県西条市に位置する、四国電力西条発電所。1965年11月に石油火力発電所として運開後、石炭への燃料転換工事を経て、四国の電力供給を支える主要な電源として活躍してまいりました。
2019年より、リプレース(建て替え)工事を実施してきた新1号機が、本年6月、営業運転を開始しました。今回は、工事のあゆみや発電所の特長、工事に携わった担当者の声などをご紹介します。


昭和の高度経済成長期に急増した電力需要に対応するため、建設された西条発電所。1・2号機の2プラントの発電設備を有しています。
建設当時は石油を主な燃料としていましたが、豊富なエネルギー資源である石炭を有効に活用するため、石炭も燃料として使用できるよう燃料転換工事を実施しました。
2005年には、全国の電力会社に先駆けて木質バイオマス※を燃料の一部として導入。エネルギーと環境の調和を図りながら、電力の安定供給に大きな役割を担っています。
※木質バイオマス:製材所などで木材を加工する際に発生する、木の幹や皮を細かくしたもの



経年劣化の進んだ1号機について、発電効率の高い最新鋭の設備にリプレースを実施しました。
これにより、大きく次の3つが可能となりました。




























(右)西尾 嘉唯(にしお よしただ)さん
基本計画の策定時からプロジェクトに携わり(当時生まれた長女がランドセルを背負うまでに…)、石炭火力の心臓部であるボイラー機械設備を担当しました。限られたコストの中で、経済性に優れた設備に仕上がりました。
無事に初点火を見届けた際には、まるで自分の心にも炎が灯ったかのような不思議な感覚で、大変貴重な経験となりました。
西条1号リプレースプロジェクトチーム
機械課 田中 雄一郎(たなか ゆういちろう)
発電設備を動かす頭脳である制御設備や、試運転工程の調整などを担当しました。
特に制御設備の計画では、メーカーと議論を重ね、高効率かつ出力調整力の高い設備に仕上がりました。
コロナ禍で工程遅延など危機的な状況を何度も経験しましたが、電力の安定供給の使命を胸に一致団結して取り組みました。
西条1号リプレースプロジェクトチーム
電気計装課 西尾 嘉唯(にしお よしただ)

西条発電所新1号機が、工事の着工から約4年の歳月を経て、このたび50万kWの最新鋭高効率機として営業運転を開始しました。リプレース工事期間中、コロナ感染者の発生などもありましたが、無事この日を迎えられたのは、従業員や工事関係者をはじめ、自治会や漁協さんなど地域の皆さま他、本工事に関わったすべての皆さまのご尽力によるものと深く感謝申し上げます。
我々の使命は、安全に安定運転を継続し、お客さまに安心してもらえるよう電気を届けることであり、「これまでも、これからも」変わりません。
地域に愛される西条発電所として、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
西条発電所長 髙田 潤一(たかた じゅんいち)