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故郷の風景と技を大切に受け継ぐ 藍の遊山箱に想いを詰めて

故郷の風景と技を大切に受け継ぐ
藍の遊山箱に想いを詰めて

徳島県の伝統産業である遊山箱(ゆさんばこ)。取っ手付きの外箱に三段の重箱が入っており、春の行楽や節句の時に子どもの弁当箱として使われてきました。徳島市在住のポーセリンペインティング※作家・大塚みゆりさんは、幼い頃の「遊山箱を囲んだ、和やかなだんらんの思い出を今に伝えたい」と、6年前からオリジナル作品「MIYRI(みゆり)」の制作に着手。藍染や木工など、県内各地の職人を精力的に訪ね歩き、地元の技術を結集した作品づくりに取り組んでいます。

制作にあたっては、まず木工職人が外側の木箱を仕上げます。続いて藍染作家が染めた布を専門の職人が木箱に貼り、セラミック加工で艶を出して耐久性を高めます。取っ手を取り付けた後、大塚さんが絵付けした磁器の重箱を入れて完成です。藍染作家の原田史郎さんが手がける藍布は、山脈に月が浮かぶ幻想的な図案です。大塚さんはこの外箱を見てイメージを膨らませ、重箱にも山並みを描きました。「四国山脈や野花といった、身近な自然の美しさを表現したかった」と語ります。

「MIYRI」には、おもてなしのご馳走を入れるだけでなく、大切なジュエリーや写真を入れておくこともできます。思い出を慈しみ、次世代に受け継ぐための宝箱でもあるのです。
※白磁の表面に専用の絵の具で描く上絵付け

徳島県産のスギを用いた「ジャパンレッド」の遊山箱。木目を活かした塗りと、朱に映える金色の絵付けが華やかだ。遊山箱はいずれも一点物
工房フローラ
電話番号 090-9556-1016
URL https://miyri.com

作品常設展示

徳島県物産観光交流プラザ あるでよ徳島
住所 徳島県徳島市新町橋2丁目20 阿波おどり会館1階
blue²@Tokushima LED∝藍
住所 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーリビングデザインセンターOZONE7階