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ジャンピングふるさと あわねこ保育園 あわねこ保育園
好きな時間に訪れて保護猫たちと触れ合うことができる開放型シェルター。自然な形で保護猫活動について知ることができる場に

猫とのより良い共生を目指し
縁をつなぐ開放型シェルター

NPO法人 あわねこ保育園

本年春、徳島市津田浜之町の県営住宅跡に開放型の保護猫シェルターが誕生した。
運営するのは、これまで徳島県全域で飼い主のいない猫の保護活動を行ってきた「NPO法人 あわねこ保育園」。
誰でも予約なしで気軽に保護猫たちと触れ合える空間をつくることで、保護猫の置かれた厳しい状況や取り巻く環境について広く伝えようと奮闘する人たちを取材した。

あわねこ保育園ロゴ

不幸な命を増やさない猫の幸せを考えた活動

「娘が子猫を拾ってきたのが、保護活動に関わるきっかけでした」と話すのは「NPO法人 あわねこ保育園(以下:あわねこ保育園)」で園長を務める井上智美さん。最初のうちは個人で保護猫活動を行っていたものの、個人で保護できる数は限られている。そこで2018年(平成30)、同じく保護活動に力を入れるメンバー4人で保護団体を結成した。マンション2室を借り、徳島市を拠点に活動を開始。その後、県西や県南地域にも活動は広がり、2021年(令和3)には、保護猫活動の経験が豊富な武岡史郎さんを理事長として、NPO法人を設立。井上さんたちの熱意に惹かれるようにして、現在ボランティアメンバーは40人を超えている。

活動を通じて見えてきたのは、外で生活する猫(以下:外猫)の現実。猫は生後半年から2カ月ごとに出産できるため、不妊去勢手術を行わない場合、2匹の猫が1年後には100匹以上に増える計算になる。「外猫は自由で楽しそうと言う人もいますが、現実は事故や病気など、常に危険と隣り合わせです」と井上さん。そこで不幸な命を増やさないように力を入れているのが、飼い主のいない外猫を保護しケガや病気の治療と不妊去勢手術を行ってから、元いた地域に戻す「TNR活動」だ。同時に、猫の譲渡会や保護猫イベントを開催し、里親への譲渡にも奔走している。また、徳島県動物愛護管理センターと連携し、猫が増え過ぎて飼育するのが困難になった家から数十匹を保護したことも。

猫を保護するためには医療費や餌代などの経費がかかることから、クラウドファンディングやオリジナルグッズの販売などで支援を呼びかけている。ただ、支援だけでは追いつかず、メンバーが費用を負担することも多いという。

企業で十数年、保護猫活動に携わってきた武岡理事長(右)と、「保護活動は猫が好きという気持ちだけでは続かないほど大変なことが多い。全ては猫のためと思って活動を続けています」と話す井上園長

自由に訪れ猫と触れ合う新しい形の保護猫施設

「あわねこ保育園」では、常に150匹ほどの猫が保護されている。以前のシェルターではスペースが足りず、メンバーが分担して自宅で数匹ずつ保護していた。また、シェルターには常駐していないため見学する場合は予約が必要であることに加え、譲渡会を開くとなると会場費がかかる。こうした課題を解決するために気軽に猫と触れ合える施設の必要性を早くから感じていた。

そのような中、徳島県の県営住宅跡地活用プロジェクトに地域貢献施設の一つとして「あわねこ保育園」が認められ、予約なしで保護猫と触れ合える開放型シェルターが実現することになった。しかし、シェルターの運営費と内装費は団体負担となる。そこで昨年夏、クラウドファンディングで支援を募集したところ、全国から多くの支援が集まった。

本年3月22日にプレオープンし、保護猫たちが明るい日差しを浴びてのびのび過ごしている。病気を患った猫専用の部屋も備えられ、将来的には園内で不妊去勢手術を行える環境にしたいと考えている。4月からは好きな時間に訪れ、保護猫たちの普段の様子を見て、触れ合えるようになった。拠点ができたことでボランティア希望者も増えているそうだ。

「譲渡希望の人だけでなく、家で猫を飼えない人にもぜひ遊びに来てほしい」と理事長の武岡さんは話す。「命の大切さを伝える校外学習にも活用してもらうなど、この拠点を通じて動物たちの現状を知ってもらいたい」と井上さんも言う。「あわねこ保育園」が目指すのは、県内の殺処分ゼロ。そして徳島県を日本一動物に優しい県にすること。猫と人のより良い共生を目指して、”猫ファースト”な取り組みは続く。

プレオープン当日に集まった「あわねこ保育園」メンバー。「猫を助けたい」という共通の思いで集まった仲間たちだ
病気を患った猫専用の部屋。病気のこともむやみに怖がらずに正しく理解することが大切
猫の保護依頼は多く、これだけ広いシェルターであっても常に満室状態だという
左/飲料メーカーの協力で施設前に設置された自動販売機。購入することで保護猫の支援につながる
右/施設入口のフリースペースでは「あわねこ保育園」のオリジナルグッズも販売。制作にかかった実費を除き全て活動費に

お問い合わせ

NPO法人 あわねこ保育園
 〈猫の保護依頼や譲渡の際には費用負担が必要となります〉
住所 徳島県徳島市津田浜之町6
営業時間 11:00〜20:00
定休日 火曜日
入場料 15分:400円、30分:800円、60分:1,200円、120分:1,800円
小学生以下半額(5歳以上入場可、5〜12歳は保護者同伴)※物販スペースは入場無料
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