日本舞踊家・三代目藤間紫として紫派藤間流の家元を務める一方、俳優としても活躍し、舞踊家と俳優の二刀流で挑戦を続ける藤間爽子さん。
本年6月に社長就任以来、新たな時代の要請に柔軟に対応しながら、様々な変革に取り組む宮本喜弘社長。
それぞれのフィールドで活躍するお二人に、四国の魅力、変化や挑戦、今後の抱負などを語っていただきました。
日本舞踊家・三代目藤間紫として紫派藤間流の家元を務める一方、俳優としても活躍し、舞踊家と俳優の二刀流で挑戦を続ける藤間爽子さん。
本年6月に社長就任以来、新たな時代の要請に柔軟に対応しながら、様々な変革に取り組む宮本喜弘社長。
それぞれのフィールドで活躍するお二人に、四国の魅力、変化や挑戦、今後の抱負などを語っていただきました。
今日は四国までお越しくださいましてありがとうございます。お会いできるのを楽しみにしていました。
こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。
藤間さんは四国にはどのような印象をお持ちですか?
たくさんのおいしい食べ物と豊かな自然があって、四国と一口に言っても4県それぞれの魅力があり、バラエティに富んでいる地域だなという印象です。
四国はコンパクトな地域の中に、藤間さんがおっしゃるように県ごとの個性があって、それぞれの文化があります。また、山があり、海があり、川があり、島がある。いろんな自然を楽しめるのもいいところだと思います。
海も、太平洋と瀬戸内海のそれぞれを体験できますね。
両方の海の幸を楽しむことができますよ。
以前、高知で食べたカツオがとてもおいしかったです。
高知にいらしたことがあるんですね。
2020年(令和2)に仕事で訪れました。『地水火風空(ちすいかふうくう) そして、踊』という日本舞踊の映像作品に出演したのですが、そのロケ地の一つが仁淀川だったんです。
全国屈指の透明度を誇る、四国を代表する河川ですね。
尾上菊之丞(おのえきくのじょう)先生が作・演出を務めた作品なんですが、この中で私は仁淀川の清流に身を委ねて踊る天女を演じました。「仁淀ブルー」といわれるだけあって、真っ青な水が本当にきれいでしたね。「日本にこんなに美しい川があるんだ」と感激しました。
四国の美しい自然がそのような作品に貢献したというのは誇らしいですね。
ご出演いただいた四国電力のCMが、おかげさまでたいへん好評です。
ありがとうございます。うれしいですね。今日、飛行機を降りてこちらに来る途中、偶然にも四国に住む日本舞踊のお弟子さんからメールが来たんですよ。「CM見ました!」って。
そうですか、ちょうど四国に着いたタイミングで。
はい、ちゃんと皆さんにCMが届いているんだなと思ってうれしくなりました。
それはうれしいですね。2023年(令和5)に制作したCMでは「電化の暮らしが毎日を心地よく、快適に変えてくれる」をコンセプトに、藤間さんに電化住宅で過ごす日常の一場面を演じていただきました。ご出演されていかがでしたか?
踊りを披露するシーンもあり、私の日常を切り取ったかのようなCMを作ってくださってすごくうれしかったです。生活者に寄り添うような、素敵なCMになっていましたね。
そして今年制作したCM「電化の暮らしにおじゃまします篇」では、前作の世界観を踏まえながら「安心・便利・おトクでエコ」という電化の暮らしの良さを、藤間さんと友人との会話の中でお伝えするものとなっています。また、ウェブサービス「よんでんコンシェルジュ」のCMも制作しました。
前作も含めて、どちらのCMもいい意味で電力会社っぽくないというか、とても爽やかな印象ですよね。
そうですね、実際にお客さまからも「清潔感があって爽やか」「スタイリッシュで素敵な雰囲気」といったお声をいただいています。
良かったです。私は四国の出身ではないので、最初は「何で営業広報キャラクターに選んでいただいたのかな」と思っていました。
マイホームの建築に電化住宅を検討される20代後半から30代にマッチする方を探している中で、豊かな表現力、知的な印象、そして何より日本舞踊家ならではの立ち居振る舞いの美しさが決め手となりました。藤間さんにお願いして本当に良かったです。
ありがとうございます。電力会社には少しお堅いイメージを持っていたのですが、四国電力の皆さんと実際にお会いして、とても柔和で温かい方々だなと感じています。皆さんが四国の暮らしの礎をつくり、何より地域を思い、地域のために日々仕事に取り組まれているというのは本当に素敵なことだなと思いました。
うれしいお言葉をありがとうございます。
私は朝ドラが大好きで、藤間さんが出演されたNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』や『ブギウギ』を楽しみに見ていました。『ブギウギ』で藤間さんが演じられたタイ子役が特に印象に残っています。とても楽しく拝見していました。
ありがとうございます。
今年も多くの作品に出演されて、大活躍でしたね。テレビドラマ『つづ井さん』では、初めて連続ドラマの主演を務められています。
ありがたいことに、舞台、映画、ドラマといろいろなお仕事をさせていただいた一年でした。30歳という節目の年だったのですが、振り返るとあっという間の20代でしたね。
今回、お聞きしたいテーマの一つとして「変化」というキーワードがあるのですが、これまでにご自身のキャリアの中で変化を感じたことや、ターニングポイントになった出来事はありますか。
一つは、祖母の初世藤間紫が亡くなった時です。当時14歳だったのですが、これから先もずっと踊りを続けるのか、その時初めて真剣に考えました。祖母が築いてきたことの継承について考え始めたのです。
その頃からずっと考えられていたんですね。そして2021年(令和3)、三代目藤間紫を襲名なさいました。
はい。私にとって大きな出来事でした。もう一つのターニングポイントは、大学生の時に役者の世界に挑戦したことです。同級生たちが就職活動を始めて、それぞれの道を歩み出している。そんな中で、自分はこのまま舞踊の道に進んで良いのかな、と思ったんです。ずっと役者にチャレンジしてみたかったのですが、どこかでその気持ちを押し殺してたんですね。その心の蓋が開いたというか。
それは大きなご決断でしたね。
役者の勉強をしてきたわけではないですし、このまま踊り一本でやった方がいいんじゃないかとも考えたのですが、「このタイミングを逃したらもうチャンスはないかもしれない、やるなら今だ」と、その時決めました。
藤間さんにとって、まさに大きな変化でしたね。私たち電力業界も、さまざまな変化の中に身を置いています。一つは、脱炭素社会の実現に向けたカーボンニュートラルへの取り組みです。
カーボンニュートラルは世界共通の取り組みだと聞いたことがあります。
はい、国際社会の一員として、またエネルギー供給を支える責任ある事業者として、2050年のカーボンニュートラルに取り組んでいます。例えば火力発電については、CO2の排出を減らすために西条発電所1号機を最新鋭の設備にリプレースしたり、燃料にアンモニアや水素を導入する技術検討を進めたりしています。
電気は、昔も今もこれからもずっと必要不可欠なものなので、電力業界は何となく変化が少ないようなイメージがありましたが、時代とともに変わってきてるんですね。
そうなんです。もちろん電力の安定供給が私たちの最大の使命であり、大前提です。ロシアのウクライナ侵攻以降、電力の安定供給の重要性が再認識されています。激しく変化する国際情勢の中で、エネルギー安全保障についても常に考えておかねばなりません。
安定した状態を守るという、この場合は「変化しないこと」が大切なんですね。
そうですね。安定供給という使命を果たし続けながら、カーボンニュートラルなどの新たな課題に取り組んでいるというのが現在の私たちの状況です。
藤間さんは、日々どのような想いを持って仕事に取り組んでいらっしゃいますか?
日本舞踊家としても役者としても、生涯現役でやりたいと思っています。祖母も亡くなるまで生涯現役でしたので、その生き方に憧れています。先ほど安定供給のお話がありましたが、安定を持続するために変化と挑戦があるというのは、私の活動にも通じるものがあるように思います。「続けていくために何をするべきか」を常に考えていくことが大切ですね。
続けていくための変化と挑戦、まさにそうですね。それがきっと、藤間さんの出演作の一つひとつに反映されているのでしょうね。
今年公開された草笛光子さん主演の映画『九十歳。何がめでたい』に出演したのですが、映画館にご高齢の方がたくさん観に来てくださいました。娘さんに連れられて来ているおばあちゃんもたくさんいて、映画館の中がすごく温かい空気に包まれてたんです。ずっと家にこもっていたご高齢の方が、外へお出かけするいい機会になったという声もありました。また、最近出演した映画『アイミタガイ』では、人と人とのつながりや優しさの連鎖を描いているのですが、家族や親友に今すぐありがとうと言いたくなったという声を聞きました。面白い作品を作るだけでなく、皆さんの暮らしにつながり豊かにしていくという、そんな影響を与えられる仕事をこれからもしていきたいと思っています。
私たちも地域の人々の暮らしを豊かにしていきたいという想いを持って業務に取り組んでおり、たいへん共感します。藤間さんが日本舞踊と俳優の二刀流で活躍されているように、当社グループも電気事業と、それ以外の事業を両輪で推進しています。四国で長年、電気事業を行ってきた私たちだからこそ、できることがあると思っています。当社グループのビジョン「しあわせのチカラになりたい。」の言葉通り、これからも四国地域の豊かな暮らしに貢献できるよう、努めてまいります。本日はどうもありがとうございました。ますますのご活躍を期待しています。
ありがとうございました。